2024.04.30

幼児教室とは?通うことで得られる効果や教室の選び方も紹介

投稿日時:2024.04.30
最終更新日時:2024.05.14
少子化に伴い一人の子どもにかけられるお金が増えたことや、幼児教育の効果が「非認知能力を高める」「自己肯定感を高める」と経済界で話題になったことがきっかけで、幼児教室が注目を集めるようになりました。 幼児教室とは、どんなところなのでしょうか。幼稚園とは何が違うのでしょうか。通うことでどんなメリットが得られるのでしょうか。 この記事では、幼児教室が気になるけれどあまりよくわからない、という方のために、幼児教室について徹底解剖します。ぜひご参考ください。

幼児教室はどのようなところ?

「スキャモンの発達・発育曲線」では、脳は3歳までに80%が、6歳までに90%が作られるとされています。また、アメリカ合衆国の経済学者であるジェームズ・ヘックマン博士の研究によれば、幼児教育を施すことでその後の学業成績や年収などに差が生まれるため、幼児教育は経済的観点からも効果の高い教育であるとされています。 幼児教室は、0歳から6歳までの小学校入学前の幼児を対象に、さまざまな教育を行う教室のことです。点数や成績で表される「認知能力」だけでなく、「非認知能力」と呼ばれる力も伸ばすことができます。幼少期に非認知能力を高めておくと、将来的に認知能力を身につける学習の下支えにもなるため、近年では幼児教育が注目を集めています。 なお、幼児教室は幼稚園とは別の施設なので、幼稚園入園と共に幼児教室を退会する人もいれば、両方通い続ける人もいます。

幼児教室の種類

幼児教室にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは、4つに分けて解説します。

種類①知育

多くの幼児教室は、知育をうたっています。知育とは、将来生きていくうえで必要となる想像力、思考力、判断力、集中力、感性、社会性、人間性などの非認知能力を身につける教育のことです。幼児教室で遊びや体験を通しながら自主性や協調性を学んだり、音楽やスポーツ、さまざまな体験を通して感性や好奇心を育てたりします。

種類②言語

英語、ドイツ語、フランス語、中国語など、外国語習得を目的とした幼児教室もあります。特に発音は、若ければ若いほど正確なものが身につきやすいと言われているため、幼少期から幼児教室に通わせて外国語を学ばせる保護者も多いです。 多くの教室では、ネイティブスピーカーの先生と、日本人の補助の先生がつき、授業は基本的に全て学ぶ言語(英語教室なら英語、ドイツ語教室ならドイツ語)で進められるケースがほとんどです。 語学学習を通じて知育も行おうというカリキュラムのところが多いのも、幼児教室ならではの特徴です。

種類③運動

体操教室やスイミング教室、リトミックなど、身体を使って基礎的な運動能力を身につけることを目的としているのが運動系の幼児教室です。 幼い頃から日常的に運動をすることで、身体能力が向上したり、柔軟性が高まったりするなどの効果が得られます。

種類④受験

小学校受験対策をしてくれる幼児教室もあります。小学校受験は、出題内容が非常に独特であり、教室に通って対策をする家庭がほとんどです。受験対策の教室に通うことで受験生仲間ができ、子どもの受験勉強に対するモチベーションが上がるなどの側面もあります。 昨今では幼児教室で「詰め込み教育」はほとんどされなくなりましたが、小学校受験対策の幼児教室だけは例外です。小学校受験には、覚えなければならないことが山のようにあるからです。 参考記事:小学校のお受験に合格する勉強方法とは?勉強時間と問題形式も確認

幼児教室に通うことで得られる効果

幼児教室に通うと、どのような効果が得られるのでしょうか。4つの効果をみていきましょう。

効果①協調性が身につく

まず、協調性が身につきます。幼児教室では、生徒が1人ということは滅多にありません。よその家庭のお子さんも一緒にレッスンを受けるので、お子さんが成長するに連れて、協調性を持って接することができるようになります。

効果②表現力が養われる

特に、芸術系や言語系の教室では、表現力が養われることが期待できます。芸術系や言語系でなくても、自分自身がどう考え、どう思っているかを他人に伝えることを通して、表現力が身に付くでしょう。

効果③自己肯定感が育まれる

幼児教室では、たくさんの「できた」という成功体験ができます。成功体験を積み重ねていくことで自信がつき、やる気が出てきます。 また、「がんばったね」「楽しかったね」と周囲の大人から自分の努力や成功を認めてもらうことで、自己肯定感も育まれていきます。

効果④将来への可能性が広がる

言語系やスポーツ系、芸術系などの教室では、家庭では得られないスキルを身に付けることができます。その道のプロである講師から直接習うことで、小さい頃から専門的な知識や技術に触れられるでしょう。 最近では、スポーツでも音楽でもその道で大成している人は、幼少期からその世界に触れている人が多いです。そのため、幼少期から触れておくことで将来への可能性が広がることがわかります。

幼児教室にかかる費用の相場

幼児教室に通う費用は、どこの幼児教室に通うか、週何日通うかによって、大きな差があります。しかし、平均的な相場としては月々1万円~3万円程度というところが多いようです。教室によっては3万円を超えるところもあります。 幼児教室へ通うことを検討する際には、月謝が指導内容に見合うものであるかどうかもきちんと確認しましょう。

幼児教室を選ぶ際のポイント

幼児教室を選ぶ際には、「何が学べる教室なのか」ということ以外で何に気をつければよいのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。

ポイント①子どもの性格に合わせる

子どもが居心地良く、楽しいと思える環境であるかどうかを確認しましょう。親子で出向くとはいえ、あくまでも幼児教室に通うのは子どもです。子どもが「合わないな」「つまらないな」と感じていては、教育効果も落ちてしまいます。

ポイント②体験に参加する

いくつか幼児教室に目星をつけたら、次は体験に参加しましょう。実際のレッスンを受けてみて、思っていたのと違った、思っていたより楽しかったなど、わかることがあるはずです。 有料無料を問わず体験教室がないところ(中には、冷やかしを避けるために有料体験としている教室もあります)、やたらに早期入会を勧めるところは、考え直した方がよいかもしれません。

ポイント③時間をかけて選ぶ

どこの教室に通わせるかは、時間をかけてじっくり検討することをおすすめします。体験も1教室目で決めてしまわないで、目星をつけたところの体験は全て参加しましょう。よいところも悪いところも、比較することで見えてきます。 また、疑問に思ったことはそのままにせず、問い合わせしましょう。問い合わせに対する答えだけでなく、応対する態度からも見えるものがあります。

幼児教室に通わせる際に覚えておきたいこと

お子さんを幼児教室に通わせるにあたって、忘れずに覚えておきたいことが2つあります。 「すぐに効果が実感できるわけではないこと」「一番の教育の場は家庭であること」です。 まず、幼児教室に通わせたからといってすぐに効果が実感できるわけではないことです。特に、知育系でこの特徴は顕著です。すぐに現れる効果を狙うものではなく、お子さんの人生の土台を作るくらいの気持ちで考えましょう。そういった意味で、幼児教室は投資とも言えます。 また、一番の教育の場は家庭です。いくら幼児教室に通わせても、家庭と方針が違っていたり、保護者が協力的でなかったりすれば、お子さんの身につく能力は少なくなります。幼児教室を選ぶ際には、ご家庭の教育方針と一致しているかどうかも検討したいところです。

自宅でも取り組める幼児教育

幼児教育は、幼児教室に通わなくてはできないものではありません。近くに思うような教室がない、家庭の事情で通わせる時間が取れないなど、さまざまな事情で幼児教室にお子さんを通わせるのが難しい人もいます。 たとえば、自宅で絵本や本の読み聞かせをする、おもちゃで遊ぶ、積極的に外遊びに連れて行くなど、自分でもできることはたくさんあります。歌やダンスの動画を見せて関心を持たせたり、お子さんと一緒にテレビの前でやってみたりするのも効果的です。

幼児教室の効果は後から実感できる

ここまで、幼児教室はどんなところなのか、何が学べるのか、教室を選ぶ時にはどうしたらよいのかについて見てきました。 幼児教室は脳の発達の仕組みや実験結果から、子どもの非認知能力を高めることを目的としています。さらに自己肯定感を育てることにつながるとして、今非常に人気があることがわかりました。また、知育系以外にも語学系、運動系などいろいろなタイプの幼児教室があり、小学校受験対策の幼児教室は少し毛色が異なることもわかりました。 教室を選ぶ際には、家庭が一番の教育の場であることを忘れず、教育方針が似通っている教室または、教育方針に賛同できる幼児教室に入れるとよいでしょう。また、懸念点は全て潰し、いくつかの教室を見学して、よいところも悪いところも把握した上で入会しましょう。 幼児教室の学びをサポートするのも保護者、幼児教室に行けない代わりに学びを支えるのも保護者です。お子さんの姿をよく観察し、お子さんには何が必要なのかを考え、よりよい将来につながるようにサポートしていきましょう。

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