覚えておきたい!子どもが3歳になるまでにやるべきこととは
子育ては難しいもの。特に、0~3歳までの子育ては重要だといわれています。しかし、「なぜ重要なのかが分からない」「3歳までにどのようなことをやらせればいいのか分からない」という方も多いでしょう。 本記事では、3歳までの子育てが大切な理由や3歳までにやるべきこと、10の基本概念について詳しく解説します。
目次
3歳までの子育てが大切なのはなぜ?
生後8ヵ月ごろをピークとして、3歳までの間に脳の神経細胞をつなげるシナプスが急激につくられ、その後は刈り込まれていきます。特に、3歳は脳の発達が著しく、感受性や思考力が豊かになる時期でもあります。 そのため、3歳までの間にたくさん遊ばせる・刺激を与えるなどにより、神経回路を開通させておく必要があるのです。
3歳までの子育ての考え方
3歳までの子育ては、どのようにしていけばいいのでしょうか。ここでは、その考え方を解説します。
考え方①何でも体験させてみる
「何をさせよう」と悩むのではなく、「何でも体験させてみよう」と考えれば、気持ちが軽くなりませんか。3歳までの脳は、新しい刺激によって発達するため、触れたり聞いたりなど、さまざまな体験をさせてあげることが欠かせません。 動物園や習い事など、具体的なことに意識が向きがちになりますが、日常生活での体験も重要です。子どもは好奇心旺盛で、あらゆるものに興味を持ちます。その気持ちを大切にし、危険がない限り積極的に体験させてあげることを意識しましょう。
考え方②子どもが興味をもつものを把握する
子どもによって、興味を持つものや好きなものは異なります。子どもが何に興味を持つのかを把握することが大切です。好きなことであれば自分から取り組めるのはもちろん、才能が開花していく可能性があります。ただ、踊るのが好き・絵を描くのが好きということだけでなく、さらに踏み込んで子どもの興味を探ってみましょう。 例えば、「お手本を見ながら踊るのが得意」「自由に創作して踊るのが得意」など、注意深く見ることで子どもの指向を理解できます。子どもの表情や反応から何に興味を持つのかを把握し、その才能を伸ばせるよう工夫しましょう。
考え方③夫婦間で子育てに対する意識を共有する
夫婦間で子育ての方針が一貫していないと、子どもにとって混乱を招く恐れがあります。例えば、ママが「やってもいいよ」と言っていたことを、パパが「やったらダメ」と禁止するといった状況です。 両親が子育てに対する意識を共有し、お互いに気付いた子どもの反応や興味を伝え合うことで、子どもの性格や傾向をより把握しやすくなります。「絵を描くのが好きだからアート教室に通わせよう」「音楽が好きだからピアノを習わせよう」など、具体的な相談や話し合いもしやすくなるでしょう。
子どもが3歳になるまでにやるべきこと
子どもが3歳になるまでにやるべきことを10個ご紹介します。ぜひ参考にしてください。
①子どもと信頼関係を築く
子どもの成長を見守り、サポートするためにも信頼関係を築くことが大切です。信頼関係が築けていないと、子どもは両親に対して安心して話しかけられません。子どもと深い愛情をもって触れ合い、見守る姿勢を取りましょう。 具体的には、以下を心がけることをおすすめします。
- うそをつかない
- 約束を守る
- 話を聞く
- 意見を尊重する
両親がこれらに気を配れば、子どもは親を信頼してくれ、健やかな成長をサポートできます。
②生活リズムを整えてあげる
なるべく早いうちから生活リズムを整えてあげるよう意識しましょう。生活リズムが整っていれば、集中力や注意力、体力の向上が期待できるだけでなく、病気にかかりにくくなります。「〇時に起きて〇時に寝る」と決める、体調が悪いときは休ませてあげるなど、子どもが健康で元気に過ごせるよう、生活リズムを整えてあげましょう。
③語学力を伸ばす
3歳までは言語の習得能力が高い時期となるため、たくさん話したり歌を歌ったりして語学力を伸ばしてあげましょう。語学力を伸ばすためには、ママとパパの協力が欠かせません。話す以外にも「絵本を読む」「ゲームをする」などにより、言葉と触れ合う機会を増やしてあげましょう。
④絵本を読み聞かせる
積極的に絵本を読み聞かせてあげましょう。絵本は、ストーリーを頭の中で描けるため、想像力を育み、感性を高められます。物語に没入できるようになれば、自然と集中力も上がっていくでしょう。はじめは短い絵本から、徐々に長い絵本を読み聞かせてあげることがおすすめです。子どもが絵本を楽しめるような題材を選んであげましょう。
⑤運動させる
運動は、子どもの成長に大切なことです。運動させれば、以下のようなメリットを得られます。
- 健康的な体づくり
- 心肺機能の向上
- バランス感覚の向上
- ストレスの解消
- 自己肯定感の向上
- 骨や心臓の健康
3歳までの子どもには、楽しく運動できるような活動をさせましょう。おすすめの運動には、以下のようなものが挙げられます。
- ボール遊び
- 追いかけっこ
- 水遊び
- ダンス
運動により、健康的なライフスタイルが築けます。子どもができないような難しい運動をする必要はありません。子どもが楽しめるような簡単な運動から取り組み、運動を通じて、子どもが健康で充実した人生を送るための基盤を作りましょう。
⑥自然に触れさせる
子どもを公園や山、海など、自然と触れ合える場所に連れていってあげましょう。自然に触れ合うことで、色や匂い、形の違いが体験できるため、感性が磨かれます。落ち葉を拾ったり障害物をくぐり抜けたりと、日常にはないさまざまな体験ができるので、運動能力アップにも効果的です。十分に体を動かせる・太陽の光を浴びられるため、生活リズムも安定しやすくなります。
⑦積極的に遊ばせる
外で運動させることに加えて、積み木やカードゲーム、ブロックなどで遊ばせてあげましょう。ゲームには、以下のようなメリットがあります。
- 協調性の向上
- 集中力や注意力の向上
- 認知能力の向上
- 脳や身体の発達
- 想像力や柔軟性の向上
- コミュニケーション能力の向上
遊びながら視覚・聴覚・触覚などの感覚を使って物事の特徴や関係を認識したり、記憶により脳の神経回路を形成したりできます。ルールのある遊びなら、思考力や問題解決能力も磨かれます。積極的に、さまざまなゲームで遊ばせてあげましょう。
⑧歌を歌わせる
歌を歌わせてあげることもおすすめです。歌を歌うためには、歌詞やリズム、音階を覚えなければならないため、脳の働きが活性化され、記憶力を鍛えることにつながります。また、歌うことは精神を安定させる効果もあります。親子で一緒に歌えば、子どもとのコミュニケーションも取りやすくなるでしょう。ほかにも、語彙力や表現力の向上など、さまざまなメリットを得られます。
⑨常にプラスの言葉をかける
子どもにプラスの言葉をかけるよう意識しましょう。3歳までの子どもは、大人の言葉を素直に聞いてしまいます。否定的な言葉や下品な話、悪口などは子どもの成長に悪影響を与えるため注意が必要です。また、夫婦喧嘩も子どもの前では避けた方がよいでしょう。「ダメ」と否定的な言葉を多く使うと、子どもの可能性を閉ざしてしまう恐れがあります。「できる」「大丈夫」のように、プラスの言葉を積極的に使えば、子どもも安心し、自尊感情が高まります。子どももプラスの声がけができる人に育っていくでしょう。
⑩幼児教育に力を入れる
幼稚園や保育園などに通い、幼児教育を受けさせてあげましょう。幼児教育では、絵本を読んだり歌を歌ったりほかの子と遊んだりとさまざまな体験ができます。そのため、協調性や社会性を身につける・自己肯定感を高める・想像力や思考力を育むなどさまざまなメリットを得られます。また、自宅で子どもに幼児教育を行うのもおすすめです。自宅で行える幼児教育には、以下のようなものが挙げられます。
- 絵本を読む
- 歌を歌う
- 親子で過ごす
3歳までに幼児教育に力を入れ、子どもの大きな成長につなげましょう。
3歳までに教えてあげたい「10の基礎概念」
3歳までに身につけておくべき「10の基礎概念」とは、「色」「形」「大小」「数」「量」「空間認識」「比較」「順序」「時」「お金」のことです。これらは、基本的な会話に必要な語彙を獲得するためにも欠かせない要素です。ここでは、特に3歳までの子どもに教えてあげたいものとして、「色」「形」「大小」「量」の4つを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
「色」の基礎概念
色の基本は、赤・青・黄の三原色です。まず、部屋の中にある3つの色の物を指さしながら色を教えていきましょう。三原色が理解できたところで、それぞれの色の違いを教えます。ここから徐々に、虹の7色、色鉛筆の12色、24色と色の種類を増やしていきます。絵の具で三原色を使い、作れる色を教えてあげるのもおすすめです。絵の具を使う場合、実際に色を少しずつ足して微妙な色加減を教えたり、「赤と黄色を混ぜたら何色になるかな?」と想像させたりしてみましょう。 日常の生活でも、「黄色いお花が咲いているよ」「青い車があるね」などと、色を意識した声がけをすれば、より効果的です。
「形」の基礎概念
形の基本は、丸・三角・四角の3つです。形を覚える目的は、ものがどのような要素でできているかを理解する能力を身につけることにあります。まずは、「三角のおにぎり」「丸い石」「四角いティッシュ箱」など、身近にあるもの・形の絵本やカードを使って3つの形を教えていきましょう。基本の形が理解できたら、楕円形、長方形、星型、ハート型など、よく見かける形も増やしていきます。 また、鉛筆やクレヨンなどを持たせて丸や三角、四角を描かせてあげるのもおすすめです。3つの基本の形を使えば、描ける絵の幅も広がります。
「大小」の基礎概念
ものの基本は大・中・小です。まずは、家にあるものを使って「大きい」「小さい」を教えてあげましょう。「パパのお茶碗は〇〇のお茶碗より大きいね」「アリはライオンより小さいね」など、絵本や身の回りのものを使って教えていきます。2択で大きい小さいがわかるようになったところで、もう一つ加え、「中くらい」を教えましょう。徐々に数を増やし、「〇番目に大きい」など、順序をつけられるようにしていきます。
「量」の基礎概念
量ではまず、「多い」「半分」「少ない」を教えていきます。コップを使い、飲み物を入れて「パパのジュースは多いね」「ママのジュースは少ないね」と伝えましょう。多い・少ないが分かったところで「半分」を教えていきます。半分は多い・少ないよりも難しいので、比較できるものを用意すると理解しやすくなるでしょう。合わせて、「いっぱい」「空っぽ」の概念も教えてあげるといいですね。また、日常でよくある「半分こ」も、お菓子や果物を使って教えてあげます。最初は少ない量からはじめ、徐々に個数を増やしていきましょう。
まとめ
人間の脳は、3歳までに約80%完成するといわれています。外部からの刺激により、脳神経の細胞のアンテナが伸び、シナプスによりほかの神経細胞とつながります。外部からの刺激は、今回ご紹介した運動や自然とのふれあいなどから得ることが可能です。これらは、日常で取り入れられるものばかり。 子どもにさまざまな体験をさせれば、感性や想像力、語彙力の向上、ストレスの解消などのメリットを得られ、健やかな成長を期待できます。子どもを意欲的にさせるためには、「いいよ」「大丈夫だよ」といったプラスの言葉がけも重要です。前向きな言葉を使いながら、子どもの成長をサポートしてあげましょう。
本部校 03-6910-0401