2025.05.14

子どもがゲームやYouTubeをやめられない…専門家が教える対処法

投稿日時:2025.05.14
最終更新日時:2025.05.14

現代では、小さな子どもでもスマホやタブレットでゲームやYouTube動画に簡単にアクセスできるようになりました。未就学児〜小学生のお子さんが、ゲームやYouTubeに長時間熱中してしまい、「やめなさい」と言ってもなかなかやめられない――そんな悩みを抱えるお母さんは多いのではないでしょうか。この記事では、子どもがデジタルにハマってしまう心理的背景と年齢特性、長時間の利用による具体的な悪影響、そして専門家の提言に基づく効果的な対処法をご紹介します。お子さんとの向き合い方を見直し、家庭でできる工夫や、必要に応じた第三者のサポートまで幅広く解説します。親子で笑顔を取り戻すヒントになれば幸いです。

子どもがゲーム・動画に夢中になりやすい理由と心理背景

◇刺激たっぷりのコンテンツ: 子ども向けのゲームやYouTube動画はカラフルな映像や楽しい音が満載で、子どもの興味を強く惹きつけます。YouTubeでは関連動画が次々と表示され、自動再生もされるため中毒性があり、長時間見てしまいます。
ゲームも同様に、次々とステージをクリアしたりご褒美(報酬)を得られる仕組みがあり、夢中になりやすい設計です。子どもは楽しいことに対して集中力が高く、時間の感覚も未熟なため、「気づいたら何時間も経っていた」という状態になりがちです。
参考:子どもがYouTubeと上手に付き合うには?親のサポート方法を解説
子どもがゲームばかりで勉強しない!依存症にならないように上手に付き合う3つの方法
【子供のYouTube見過ぎ問題】親ができる具体的な対策と注意点をわかりやすく解説

◇自制心の未発達: なぜ子どもはネットやゲームに依存しやすいのか?――その理由の一つは、子どもの脳が未完成で、欲求を抑える前頭葉が未発達だからです。前頭葉は集中力や判断力、「我慢する力」を司る部分ですが、5歳頃から成長し始め25歳前後まで発達が続くとされます。小さいうちは楽しいことを前にするとブレーキをかけるのが難しく、「ゲームなどもやり過ぎはダメだよと言われて我慢する力」はまだ十分ではありません。そのため一度スイッチが入ると止まらなくなってしまうのです。
参考:四街道ふじわら小児科医院

◇簡単に得られる達成感: さらにゲームや動画視聴は、子どもの脳内に快楽ホルモンのドーパミンを大量に発生させます。しかも勉強や運動のように努力したり待たなくても、短時間で次々と楽しい刺激が得られるため、脳がその快感に慣れてしまいます。「我慢や学習もせずにすぐにドーパミンが頻繁にダラダラと分泌される」と、脳の自制をつかさどる前頭葉の働きが低下し、衝動や欲求をコントロールできなくなる──まさに悪循環で、子どもはますますスクリーンから離れられなくなります。ゲームや動画に熱中することで得られる即時の達成感や楽しさに比べ、宿題や読書といった地味な活動が退屈に感じられてしまうのも無理はありません。

◇身近に当たり前に存在する: 総務省の調査では、0~1歳からすでに1割以上の子どもがインターネットに触れており、4~5歳で7割以上、6歳で8割以上、7歳で9割以上もの子どもがネット利用経験があると報告されています。その主な内容は「動画を見ること」(93.6%)と「ゲームをすること」(64.7%)で、今や幼児期から動画やゲームが子どもの生活の一部になっている現状があります。親が忙しいときに子どもをおとなしくさせてくれる“便利な子守り役”としてつい動画を見せてしまう家庭も多く、そうした環境も子どもが長時間スクリーンに触れる一因でしょう。また子どもは親の行動をよく真似るため、「親がスマホをいじれば子もスマホをいじる」ものです。大人が日常的にスマホやゲームに時間を費やしていると、子どももそれに倣ってしまいがちです。
参考:令和5年度青少年インターネット利用環境実態調査

こうした理由から、小さな子どもほどゲームや動画の楽しさにどっぷり浸かりやすいと言えます。「楽しい」「もっと見たい!」という純粋な気持ちが先行してしまい、自分ではセーブできずについ長時間…。お母さんがお困りになるのも当然ですが、まずは「子どもはそういうもの」と理解し、適切に導いてあげることが大切です。

長時間のゲーム・動画視聴が及ぼす子どもへの悪影響

ゲームやYouTubeそのものが悪いわけではありませんが、「長時間のやりすぎ」は子どもの健全な発達に様々な弊害をもたらす可能性があります。専門家や調査結果から指摘されている具体的な悪影響を見てみましょう。
参考:子どもがゲームをやりすぎるとどうなる?悪影響だけでなく良い影響も

  • 脳の発達への影響: 東北大学の研究によれば、週に6~7日、一日2時間以上ネットやゲームに費やす子どもは、そうでない子どもに比べ脳の体積増加が見られなかったとの報告があります。一方、「2時間以上の日が全くない」場合は脳容積が大きく増加しており、長時間のスクリーン漬けが脳の成長を妨げる可能性が示唆されています。ゲーム中は脳内でドーパミンが頻繁に分泌されますが、簡単に快楽を得られる環境に慣れると脳が刺激に鈍感になり、逆に何もしていない時には不安やイライラを感じやすくなることも指摘されています。その結果、「ゲームをしていないと落ち着かない」「ゲームをしても以前ほど楽しく感じない」といった依存症状が現れ、さらに脳の働きが低下する悪循環に陥りかねません。成長期のお子さんの脳にとって、過度なゲーム・ネット漬けは明らかにマイナスと言えるでしょう。
  • 学習意欲・成績への影響: ゲームや動画に多くの時間を使うと、そのぶん勉強の時間が削られ、学力低下につながる可能性があります。文部科学省の全国調査でも、「平日のゲーム時間が長い児童ほど学力テストの平均点が低い傾向」が報告されています
    また即時的な楽しさに慣れてしまうことで、地道な学習に取り組む意欲や集中力が低下しやすくなるとも指摘されています。ゲーム内の刺激に比べ、勉強の達成感はどうしても遅れてやってきます。小さいうちからゲーム漬けになると、粘り強く考えたり工夫したりする力や、創造性・問題解決能力の発達が阻害される恐れもあります。実際、ゲームに熱中しすぎる子は宿題への取り組みが疎かになり、「勉強なんてつまらない」と感じてしまうケースも多いようです。
  • 健康面への影響: 長時間のスクリーン視聴は子どもの視力低下を招きやすく、実際にゲーム漬けの子どもでは近視が進んだり眼精疲労を訴える例もあります。また、強いブルーライトを長時間浴びることで睡眠リズムが乱れ、夜眠れなくなることも心配されます。就寝直前までゲームや動画を見ていると脳が興奮状態のままとなり、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなる傾向があります。睡眠不足が続けば日中の集中力低下や体調不良につながり、学校生活にも差し障りが出てしまいます。さらに、屋内で座ったまま過ごす時間が長いと当然運動不足になります。体力の低下や肥満リスクの増加、同じ姿勢を続けることによる姿勢悪化・肩こり・頭痛など身体面の不調も引き起こしかねません。発育途上の子どもの体には適度な休息と運動が不可欠ですが、ゲームに熱中するとそれらがおろそかになる恐れがあります。
  • 心理・行動への影響: ゲームやネットのやりすぎは、子どもの心の安定にも影響します。長時間プレイを続けることで集中力が落ち、感情の起伏が激しくなるリスクが指摘されています。実際、「ゲームをやめなさい」と声をかけた途端に激しく癇癪を起こす、一日ゲームをしないだけで落ち着きを失う、といった様子が見られれば要注意です。それは「ゲームをしないとイライラする」という依存症の典型症状でもあります。また内容次第では、暴力的なゲームに長時間触れることで攻撃的な行動が増えたり、他人の悲しみ・表情への共感力が下がる可能性を指摘する研究もあります。
    世界保健機関(WHO)は2018年に「ゲーム障害(Gaming Disorder)」を公式に疾患として認定しました。日本の専門機関の調査でも中高生の約14%がゲーム依存傾向にあるとの報告があります。ゲームやネットへの依存が深刻化すると、子ども本人も「やめたくてもやめられない」「現実のことがどうでもよくなる」と苦しむ状態になりかねません。心身の発達段階にある子どものうちから、そうしたリスクを抱えるのは非常に怖いことです。
    参考:ゲーム障害について
  • 社会性・人間関係への影響: 長時間ゲームや動画に没頭すると、その間家族や友だちとのコミュニケーション機会が減少します。特に一人で黙々と画面を見る習慣がつくと、人と関わる楽しさを感じにくくなり、実際の友だち関係を築くのが苦手になる恐れがあります。オンラインゲーム上でのやりとりはできても、現実の対面コミュニケーションとは大きく異なります。幼少期は遊びを通じて人との関わり方や協調性を学ぶ大事な時期ですが、画面相手の時間が多すぎるとその経験が不足してしまいます。また、ゲーム内でのトラブルが現実の人間関係に波及するケースもあります。たとえばオンラインゲーム上のケンカが原因でリアルでも口をきかなくなる、といったことです。
    家庭内でも「もっとやりたい」「ダメだよ」という押し問答が絶えず、親子関係がギクシャクしてしまうことがあります。このように、ゲームや動画との付き合い方次第では子どもの社会性発達や人間関係にも影響を及ぼしかねません。

以上のように、長時間のゲーム・動画漬けには様々なデメリットがあります。当然ながら適度に楽しむ分にはメリットもあります。良質なコンテンツから知識や語彙を得たり、オンラインゲームで友達と協力する中で得られる学びもあるでしょう。ただ、未成熟な子どもにとって時間管理は難しいため、「放っておくと無制限にのめり込んでしまう」点に大きなリスクがあるのです。
親御さんとしては「楽しさを理解しつつ、行き過ぎないようコントロールしてあげる」ことが求められます。それでは、具体的に家庭でどのような対策ができるでしょうか?

専門家が勧める親子でできる対処法

子どもがゲームやYouTubeばかりになってしまうのを防ぐには、親の適切なサポートとルール作りが不可欠です。頭ごなしに取り上げたり怒鳴ったりしても逆効果になりやすいため、子どもの気持ちに寄り添いながらメリハリをつけていきましょう。以下に、教育・育児の専門家が勧める対処法をポイントごとにまとめました。 視聴・プレイ時間のルール設定: まずは「1日◯時間まで」といった具体的な時間ルールを家族で決めることが重要です。未就学児であれば、世界保健機関(WHO)は2~4歳児でスクリーンタイム1日あたり1時間以内を推奨していますし、日本小児科医会も「メディア接触は1日2時間以内」を目安にするよう提言しています。
小学生でも学業や睡眠への影響を考え、平日2時間・休日3時間までなどある程度の上限を設ける専門家の意見が多いようです。実際、ゲーム依存傾向が強い子ほど「休日に6時間以上プレイしている」ケースが最も多かったとの調査結果もあり、それを踏まえた目安と言えます。時間ルールは年齢や家庭環境によって異なりますが、子ども自身も納得できるラインを一緒に話し合って決めることが大切です。
決めたルールは紙に書いて見える所に貼るのも良いでしょう。幼い子は自己管理が難しいため、キッチンタイマーやアプリのペアレンタルコントロール機能を活用して時間になったら自動で止まる工夫も有効です。タイマーをセットしておけば子どもも残り時間を視覚的に理解でき、時間感覚を養うトレーニングにもなります。
「あとちょっと…」と交渉されてズルズル延びてしまうのを防ぐためにも、ゲーム機やタブレット自体にロックがかかる設定を活用しましょう。もちろん、親の側も決めたルールは守る姿勢が必要です。子どもに「YouTubeは1日○時間までだよ」と言いながら親がダラダラ見ていては、「自分ばかりズルい!」と反発されてしまいます。家庭のルールは子どもだけでなく家族みんなで実践するものだと示しましょう。

ルール違反時の対処を決めておく:

時間制限を決めても、子どもですから夢中になると破ってしまうこともあるでしょう。そうした場合にどうするか、「約束を守れなかった時のペナルティ」を事前に取り決めておくのも有効です。例えば「ルールを守れなかった次の日はYouTubeやゲームの禁止」など、子どもにも分かりやすいペナルティを一緒に考えておきます。
ポイントは、一方的に親が決めないことです。
頭ごなしの罰では子どもも反発するだけなので、「どうしたら約束守れるかな?」と話し合い、過度に厳しすぎない内容にすることが大切です。そして、もし子どもがちゃんとルールを守れた日は思い切り褒めてあげてください。約束を守ることに良いイメージが湧き、次回も頑張ろうという意欲につながります。ペナルティよりむしろ、守れた時の達成感を積み重ねさせてあげる方が効果的かもしれませんね。

子どもの気持ちに共感し、上手に声かけ: ルールを守らせるとはいえ、子どもにとってゲームや動画が「大好きで楽しいもの」である事実を否定しないことも大事です。頭ごなしに「ダメ!」と言われると、子どもは自分の好きなものを否定されたように感じて反発心を強めてしまいます。
そうではなく、「本当はずっと見ていたいくらい楽しいよね」とまず気持ちに寄り添ってあげるのが大事です。その上で、「でも○○しすぎると目が疲れちゃうね」「ずっとゲームしてると他のことできなくて困るよね」と、長時間続けることのデメリットを子どもにも分かる言葉で伝えます
実際に一緒に目の本を読んでみる、タイマーが鳴ったら「ママも目がショボショボしちゃった!」と冗談めかして言ってみるなど、子ども自身が「確かにずっとは良くないかも」と納得できるよう働きかけてみましょう。親が敵ではなく味方の立場で伝えることで、子どもも受け入れやすくなります。叱るときも感情的に怒鳴るのではなく、「約束どうだったかな?」とルールに立ち返らせる声かけを習慣にすると良いでしょう。
なお、YouTubeで学んだ豆知識を披露してくれた時などは、「そんなこと知ってるの!すごいね」とぜひ肯定的に反応してあげてください。子どもの世界を理解し受け止めるコミュニケーションが信頼関係を深め、いざ制限するときにも協力を得やすくなります。

親子のコミュニケーションを増やす

日頃から親子の対話やふれあい遊びを増やすことも、結果的にデジタル依存の予防になります。親と過ごす時間が充実していると、子どもは精神的に満たされるので過剰にゲームに走りにくくなるからです。たとえば親子で一緒にYouTube動画を見る時間をあえて作ってみるのも一案です。お子さんが好きな動画を「どれどれ?」と隣で見てみましょう。子どもは親が自分の好きな世界を理解してくれると嬉しいものです。「この前の続き、一緒に見ようか」などと声をかけてみれば、意外と色々おしゃべりしてくれるかもしれません。そのようにデジタルも親子のコミュニケーションのきっかけに変えることができます。
さらに、一緒に動画を見た延長で「今度これやってみよう!」と新しい遊びに発展させることも可能です。例えば料理動画を見たなら一緒にお菓子作りに挑戦してみる、工作動画をヒントに実物を作ってみる、など「動画で見たことを実際に親子で実践」してみるのです。そうすれば動画視聴も単なる受け身ではなく能動的な体験につながりますし、「やってみたら楽しかったね!」という達成感は子どもの自信にもなります。普段から親子で会話する時間、スキンシップする時間を増やし、「ゲーム以外にも楽しいことがたくさんある」と感じられる土壌を育みましょう。

ゲーム・動画以外の楽しい体験を用意する

子どもにとって夢中になれるのはゲームやYouTubeだけではありません。「ゲーム機より楽しいものが他にもたくさんある!」ということを教えてあげましょう。おすすめは、外遊びや体を動かす遊びです。休みの日には思い切り公園で遊ばせたり、親子でお散歩に出かけたりして、五感を使う遊びの楽しさを経験させましょう。図書館や動物園、科学館など子どもの興味を広げるお出かけも良いですね。親が家にこもりがちだと子も家から出なくなりますが、親が積極的に外へ連れ出すことで子どもも自然とついてくるものです。どうしても外出が難しい場合は、家族みんなでトランプやボードゲームをするのもおすすめです。画面を通さない生の遊びの楽しさを教えてあげましょう。
また、可能であればお友だちと遊ぶ機会をたくさん作ってあげてください。子ども同士で思い切り遊ぶ中でしか得られない学び・刺激があります。実は「子どもの仕事」は友だちとたくさん遊ぶことだと言われるほど、友だちとの遊びは大切です。発達心理学者エリック・エリクソンも「児童期の重要な発達課題は、友だちから学び、友だちに何かを教えること」だと述べています。仲の良い友達家族を誘って一緒にお出かけしたり、自宅にお友だちを招いて自由に遊ばせたりするとよいでしょう。親同士が仲良く交流する姿を見せることで、子ども同士も打ち解けやすくなります。こうしてリアルな遊びの楽しさを知ると、必然的にゲームや動画に費やす時間は減っていきます。「ゲーム以外にもこんなに面白いことがあるんだ!」という発見を積み重ねることが、デジタルとの適切な距離感を身につける近道です。

家庭のルールや環境を工夫する: 前述の時間ルールに加え、コンテンツや利用環境にも工夫を凝らしましょう。例えば動画サイトなら子ども向けの「YouTube Kids」を利用し、年齢にふさわしくないコンテンツを排除する設定にします。視聴履歴を大人が確認したり、不適切な動画をブロックすることも可能です。ブラウザで普通のYouTubeを見せる場合でも、設定で「制限付きモード」をオンにしたり、子ども向け以外の動画アプリはフォルダに入れて見つけにくくするなどの対策を取りましょう。
ゲームについても、年齢レーティングを確認し暴力表現の強いものは避ける、オフラインで家族と遊べるパーティゲームを選ぶなど工夫できます。利用する場所にもルールを決めると効果的です。例えば「ゲームや動画はリビングのテレビ画面でのみOK」とすれば、自然と家族の目が届き安心です。
小さなスマホ画面より大画面テレビの方が離れて視聴するぶん目や姿勢への負担も軽減できます。逆に子ども部屋にこもって遊ばせないようにするだけでも、長時間化や夜更かしを防ぐ効果があります。
また、デジタルデバイス以外に夢中になれるツールを用意するのも良いアイデアです。例えばお絵かきや工作が好きな子には画材や工作キット、体を動かすのが好きな子にはボールや自転車、新しい知識に興味津々なら図鑑や科学実験キット…お子さんの「好き」を伸ばす玩具や本を環境に取り入れましょう。そうすることで「暇だからゲームでも…」となるのを防ぎ、自然と多様な遊びに触れられます。

親も良い手本を示す

子どもに節度あるスクリーンタイムを守らせるには、親自身が模範を示すことが欠かせません。冒頭でも触れた通り、子どもは親の行動を映す鏡です。親が常にスマホ片手にSNSやゲームばかりしていれば、子どもに「やめなさい」と言っても説得力がありません。まずは大人がデジタルと上手に付き合う姿勢を示しましょう。「うちはうちのルールだから、お父さんもゲームは1日◯時間にするね」と宣言して一緒に取り組んだり、食事中はスマホを見ない習慣を家族全員で徹底したりすると効果があります。実際、保護者自身が1日2時間以上ネット・ゲームに没頭している家庭の子どもは、そうでない家庭より子どもも長時間使用になる傾向が強いと指摘されています。
まずは大人が生活全体のバランスを意識し、余暇時間の過ごし方を見直してみましょう。さらに、時には親も一緒にゲームをしてみるのも一案です。「次はママの番ね!」と親子で交代しながら遊ぶことで、子どもも満足感を得やすくなり「自分ばかりもっとやりたい」という気持ちが和らぐことがあります。また親の目線で見るとゲーム内容も把握でき、「このゲームのここが楽しいんだね」と理解が深まります。もちろんダラダラと長時間遊ぶのは避けつつ、「一緒に楽しむ時は楽しむ」というスタンスを持つと子どもも安心してルールを受け入れられるでしょう。

以上、いくつかポイントを挙げましたが、各家庭によって状況は様々です。大切なのは子どもを頭ごなしに否定せず、ルール作りから実践まで一緒に取り組むことです。そして「できたこと」はしっかり認めてあげること。専門家も「親子でルールを決め、守れたら褒める」というプロセスを通じて、子ども自身が自己管理する力を育てるのが理想だと強調しています。親として根気がいる作業ですが、お子さんの健やかな成長のためにぜひ試してみてください。

ゲーム・動画との付き合い方を改善したケース紹介

実際に、家庭での工夫により子どものゲーム・動画との関わり方が良い方向に向かった事例を見てみましょう。先輩ママ・パパたちの体験は、きっと参考になるはずです。

ケース1:タイマー活用でダラダラ視聴を防げた例

あるご家庭では、小学生の子がYouTubeに夢中になりすぎるのを心配し、「1回につき最大1時間まで」という視聴ルールを導入しました。YouTubeを見始める前に子どもと保護者で「今日は何分見る?」と約束し、タイマーをセットしてからスタートするのがルールです。タイマーが鳴ったら一旦終了。もっと見たいときは保護者に相談し、用事が済んでいればあと少しだけ延長を許可することもあるそうです。このように区切りを明確にすることで長時間のダラダラ視聴を避け、メリハリをつけることに成功しています。「うちの子はタイマーが鳴るとキリが良いと思うのかスッとやめてくれるようになった」とのことで、お子さん自身もルールに納得し習慣化できているようです。タイマーを使った方法は他のご家庭からも「親が何度も声をかけるストレスが減った」「時間になったらスッと切り替えられるようになった」と好評です。やはり機械に任せてしまうことで感情的なバトルにならない点がポイントと言えるでしょう。

ケース2:友達との遊びでゲーム依存が解消した例

「子どもがゲームやYouTubeばかりで困る」という悩みを持つあるお父さんは、家庭で次のような工夫をしました。親が率先して外出し、子どもを積極的に友達と遊ばせる機会を作ったのです。週末には仲の良い家族ぐるみの友人を誘って公園で遊んだり、天気が悪い日は自宅に友達を招いてボードゲーム大会を開いたりと、リアル遊びに夢中になれる環境を用意しました。最初は家でゲームをしたがる子どもも、親が外で楽しそうにしていると自然と一緒について行くようになり、お友だちと遊べば時間を忘れて笑い転げています。そうしているうちに、以前ほどゲームに固執しなくなり、家にいる時間に少しくらいゲームや動画をしていてもあまり問題ではなくなったそうです。お父さんは「子どものうちにたくさん友達と遊ぶことこそ大事。それさえできていれば、家でゲームをしていてもそこまで心配いらないと思えるようになった」と話しています。このケースから学べるのは、生活全体のバランスが取れていればデジタルも適度に楽しめるということです。友達との遊びや家族との交流が充実すれば、子どもにとってゲーム・動画は数ある娯楽の一つに過ぎなくなります。「○○ばかりで困る」という悩みも生じにくくなるでしょう。

ケース3:親子でルールを決めて親も実践した例

別のご家庭では、ゲーム機を買い与える際に親子でしっかり話し合って使用ルールを決めたそうです。例えば「平日は宿題とお手伝いが終わってから30分だけ」「21時以降はやらない」など具体的に取り決め、親もその時間はスマホを見ないようにしたとのこと。子どもも自分で考えて納得したルールなのでよく守り、約束を破ったことはほとんどないそうです。もし破った場合はどうするかも決めてあり、「次の日はゲームお休みね」というペナルティも子どもが自ら提案したとか。子どもに主体的に考えさせたことで、約束を守る意識が高まった良い例と言えます。親御さんは「ゲーム自体は子どもにとって大事な楽しみ。それ自体を否定はしない。でもルールを守る大切さも同時に学んでほしい」と話しており、実際このやり方でゲーム時間と生活とのバランスがうまく取れるようになったと感じているそうです。親自身もゲームが趣味とのことで、「自分も子どもと約束したおかげでダラダラやらずに済んで助かっている」と笑っていました。家族みんなでルールを共有し実践することで、子どもも「自分だけじゃないんだ」と納得しやすかったようです。

いずれのケースも、「子ども任せにせず親が寄り添い、環境を整え、ルールとメリハリを与えた」ことが功を奏しています。完璧に制限するのではなく、上手に付き合う術を身につけさせることがポイントと言えそうです。ぜひご家庭でもできそうなことから取り入れてみてください。

手に負えないと感じたら…専門機関や学習塾の力も借りて

家庭で工夫を重ねても、「どうしても子どもが言うことを聞いてくれない」「親子だけでは限界がある」と感じる場合もあるでしょう。そんな時は、無理に一人で抱え込まず第三者の力を借りることも検討してみてください

まず、学校の先生やスクールカウンセラー、地域の子育て相談窓口などに相談してみるのも一つです。プロの視点からアドバイスをもらえますし、場合によっては子ども本人に対して適切に指導してくれることもあります。また、医療機関ではゲーム依存専門の外来もありますので、深刻な場合は受診を検討する価値があります。

そこまで深刻ではなくとも、生活リズムを立て直すきっかけとして習い事や学習塾に通わせてみるのも効果的です。塾や習い事に行けばその時間はゲームや動画から離れ、強制的に生活にメリハリが生まれます。特に学習塾は勉強する場所と思われがちですが、実は友達と切磋琢磨したり成功体験を積んだりできることにもなり得ます。塾の先生は子どものモチベーションを引き出すプロですし、同年代の子たちと顔を合わせることで競争心や社交性も育まれます。勉強に前向きになることで、「もっと上手く解けるようになりたい」「先生に褒められて嬉しい」といった新たな喜びを知り、ゲーム以外の目標ができる子も多いようです。実際、ゲーム時間が長くなると昼夜逆転や不登校に至るケースもありますが、塾などで生活リズムを整えた結果、学校に行く意欲が回復したという例も報告されています。第三者の関与が入ることで、家庭では難しかった変化が起きることもあります。

「勉強なんて余計に嫌がるのでは?」と心配になるかもしれませんが、最近の学習サービスの中にはゲーム感覚で楽しめる教材も登場しています。例えばアニメーションでキャラクターが教えてくれたり、問題を解くとポイントが貯まるといった工夫が凝らされたオンライン教材もあります。ゲーム好きなお子さんなら、そうした楽しい学びをきっかけに学習習慣が身についたというケースもあります。要はアプローチ次第なのです。「勉強しなさい!」ではなく、「ちょっと面白いクイズやってみない?」くらいの感覚で誘ってみると良いでしょう。

身近なところでは、学習塾や教室の無料体験に参加してみるのもおすすめです。多くの塾では入会前に体験授業を受けられる機会があります。無料体験に行けばゲームや動画から離れますし、その中で「意外と楽しかった!」「新しい興味が見つかった」と感じればラッキーです。親御さんにとってもプロの指導方針や教室の雰囲気を知る良い機会になります。もちろん無理に通わせる必要はありませんが、家とは違う環境に一度お子さんを身を置かせてみることで、新たな興味や刺激が生まれるかもしれません。

大切なお子さんの将来を思えばこそ、親としてはゲームや動画の問題に不安になるものです。しかし、適切に対処すれば決して悲観することはありません。子どもは成長とともに少しずつ自己コントロール力を身につけていきます。それまでは親が舵を取りつつ、デジタルと上手に付き合わせる知恵を教えてあげましょう。ぜひできるところから実践し、必要に応じて外部のサポートも取り入れながら、親子で楽しく健やかな毎日を送ってくださいね。

アイキューでは個別指導でお子様の学習サポートを行っています。また、生徒の中にはゲームが大好きな子も多いため、ゲームとうまく両立した学習サポートもお子様に合わせて提供しています。
ぜひ無料体験にお越しください。

参考:子育てタウンkosodatetown.mamafre.jpkosodatetown.mamafre.jp
四街道ふじわら小児科医院fujiwara-kids.jpfujiwara-kids.jp
Kinjo Knowledge(学校法人金城学院)knowledge.kinjo-gakuin.jpknowledge.kinjo-gakuin.jp
note「ほんたん」note.comnote.com
Conobie/コノビー(保育士監修)conobas.netconobas.net
学研の子育て応援サイトkosodatemap.gakken.jp
国立病院機構久里浜医療センターknowledge.kinjo-gakuin.jp

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