2023.09.12

小学校受験いつから準備?|理由と対策を解説

投稿日時:2023.09.12
最終更新日時:2024.04.05

小学校受験の応募者数は、首都圏を中心に増加が続いています。親としては、わが子にいつから、どのような受験対策をさせるべきか、悩んでいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では小学校受験はいつから準備するべきなのか、時期と理由を解説します。とくに、年中や年少のお子さんをお持ちの家庭は、ぜひ受験対策の参考にしてください。

小学校受験準備は夏からが望ましい理由

一般的には、私立小学校の入試が秋に行われるため、受験対策も年中の秋からと言われています。しかし、実際には年中の夏から始めることが望ましいとされています。なぜ、受験の1年以上も前から準備をする必要があるのでしょうか?

理由①余裕を持って受験に取り組むため

1年以上も入試の準備をするための理由は、余裕を持って受験に取り組むためです。両親やお子さんにとって、小学校が初めての受験となる場合、スケジュール通りに準備が進むとは限りません。むしろ、お子さんの成長に波がある場合は、思った通りにいかないことの方が多いかもしれません。

余裕のないスケジュールであれば、精神的にも焦ってしまい、大きなプレッシャーを感じてしまうことも。しかし、年中の夏から余裕をもって受験に取り組めば、多少の遅れは十分に取り返せます。

理由②家族でさまざまな話し合いをするため

小学校受験は、お子さんだけで受けるものではなく、家族全体で取り組むものです。そのためには、家族でさまざまなことを話し合っておく必要があります。お子さんにどのように成長してほしいのかなど、家族全体の考えを一致させておく必要があります。

お子さん一人一人が個性を持っており、両親の考え方もさまざまです。その中で、どのように成長していってほしいのか、お子さんも交えて話し合っておく必要があります。

また、小学校受験を受けるかどうかを悩まれている方は、以下の記事を参考にしてみてください。

参考記事:小学校のお受験は必要?メリットやデメリットについて紹介

理由③年長の春までに志望校や家庭の教育方針を固めるため

早めに受験準備をすることで、学校説明会などに参加できる回数も増え、志望校をしっかりと絞り込めます。私立小学校は、学校によって出題傾向が大きく異なります。そのため、志望校が決まれば、出題傾向がわかるため、効率的に受験準備を進められます。

また、塾に通う場合も、志望校の出題傾向に強いところを選んだり、家庭の教育方針も合わせたりすることも可能です。秋からでは、年長に進級するまでに、あまり時間はありませんが、夏から始めれば、じっくりと教育方針や志望校を固められます。

参考記事:塾に通うときの選び方は?学習塾の種類ごとのメリット・デメリットを詳しく解説

理由④生活習慣やマナーを身につけるため

どのような私立小学校であっても、生活習慣や人としてのマナーは入試の重要なポイントです。なぜなら、生活習慣やマナーは、お子さんの普段の行いや家庭での躾が如実に現れるからです。

その一方で、生活習慣やマナーは、一朝一夕には身に着きません。ある程度の時間をかけて、何度も行う内に身に着いていくものです。そのため、望ましい生活習慣やマナーを身に着け、何度も反復されるためにも、受験準備は早めに始めてください。

理由⑤四季を学習するため

小学校受験では、四季に関係する問題が、必ずといってよいほど出題されます。なぜなら、幼稚園の学習指導要綱には、自然に触れて生活することが、お子さんの好奇心を育む上で重要なこととして、掲げられているからです。つまり、四季を通じて、自然のものに触れ、行事を体験し、生き物と触れ合うことが重要です。

そのためには、1年を通じて春夏秋冬をお子さんが、意識的に体験する必要があります。しかし、年中の秋から受験準備を始めていては、年長の夏や秋に季節の移ろいを感じられないことも。しかし、早めに受験準備を始めれば、しっかりと四季を学習することが大切になります。

理由⑥情報収集のため

受験準備の情報収集にも、時間がかかるため、早めに活動を始めることが重要です。受験準備といえば、志望校選びが挙げられますが、それだけではありません。志望校の試験内容に強い学習塾や、幼児教室を探す必要があります。

また、学習塾や幼児教室も、いきなり参加するわけにはいきません。お子さんとの相性をみるためにも、体験教室などで、様子を見る時間が必要です。そのため、しっかりとした情報を集めて、後悔のない受験準備を行ってください。

子どもを塾に通わせるべきか迷われている方は、以下の記事を参考にしてみてください

参考記事:子どもを塾に通わせるメリット・デメリットを解説

小学校受験対策で集めるべき情報

それでは、次にどのような情報が、小学校の受験対策に必要なのか解説します。

理由①学校の情報を集め第一志望校を絞る

小学校受験対策の第一歩として、学校の情報を集めて第一志望校を絞ることが必要です。そのためには、学校の教育方針や校風などを知っておく必要があります。また、6年間に必要な学費に加え、放課後教育の有無なども知っておきたいところですよね。

また、私立小学校の受験を考えている場合は、エスカレーター式に進学できる中高大の付属校の有無も気になるところ。とくに大学まで一貫して同じ系列の学校に通うことを考えている場合は、それらの学校のことまで調べておく必要があります。

理由②学習塾や幼児学校の情報を集める

第一志望校選びと並行して、学習塾や幼児学校の情報を集める必要があります。学習塾に入らなければ、第一志望に合格できない、というわけではありません。しかし、小学校受験に必要な内容を全て家庭で教えることは困難です。

志望校の試験内容に強い塾を選んだり、お子さんの気質に合った幼児学校を選んだりすることが重要です。そのためには、インターネットやパンフレットだけではなく、実際に足を運んで、授業内容を見学することがおすすめです。

また、塾の選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

参考記事:「塾は意味がない」は本当なのか?塾の選び方も紹介

理由③準備品の情報を集める

受験日までに、準備しておくべき持ち物の情報も集めておくべきです。受験日の前日になって慌てないためにも、余裕を持って準備しておきたいですね。

受験の際に、特別な持ち物が必要になることは多くありませんが、念のために、しっかりと確認しておきましょう。また、両親のスーツに加え、お子さん用の受験用の服も必要になります。それぞれの学校によって、規定が異なるので、前もって情報を集めておくと安心です。

小学校受験の代表的入試内容

私立小学校では、どのような内容の入試が行われているのでしょうか?

代表的な入試内容をご紹介します。

ペーパー試験

ペーパー試験では、テープやCDによる音声で問題が出題され、お手本を見せられたあと、実際の試験問題に取り掛かります。出題範囲は、図形や数量、言語や常識などに加え、推理や記憶など広範囲に及びます。

また、解答が合っているだけではなく、試験中の行動もチェックされています。説明内容を理解しているか、勝手に問題を解き始めていないかなど、総合的に判断されます。

面接

面接では、お子さんのみのパターンや、お子さんと両親が一緒のパターンなど、学校によって内容が異なります。しかし、一般的に面接で重視されるのは、お子さんと両親の人柄や家庭環境に加え、志望理由です。

お子さんのみが面接を受ける場合でも、質問への受け答え方で家庭環境や、両親のお子さんへの接し方がわかります。また、相手の話を聞き取り、理解した上で適切に自分の意見を伝えられるか、という点も重視されています。

行動観察

行動観察では、集団生活の輪を乱さない子どもかどうかが重視されます。ルールを守り、友達とよい関係を築き、社会性を持っているかが、見られています。また、しっかりと指示を守り、適切な行動をとることも重要です。

行動観察は、当日初めて会ったお子さん同士が、いきなりグループを組んで課題に挑みます。ペーパーテストと異なり、どのような行動が加点になるのか、わかりづらいため、小学校受験の難所に数えられています。

絵画

学校によっては、絵画が試験科目になっているところも。小学校受験の絵画で重視されるのは、自分の思ったことや感じ取ったことを絵画や工作で表現できるか、というところです。

また、絵画を描いて試験が終わりではなく、完成したものを自分の言葉で発表するといった、プレゼンテーション的な要素を見る学校もあります。単純に絵画の技巧だけではなく、課題に取り組む姿勢全体が見られています。

運動

小学校受験の運動では、基礎的な種目を通じて、お子さんの運動の力を図ることと、試験中の行動を見ることが目的です。個別での運動能力を見る場合と、グループで運動能力を見る場合があり、受験する小学校がどちらのテストを行うのか、事前に調べておく必要があります。

運動テストでは、平均台や跳び箱、かけっこなどが出題されます。運動テストでは、課題の達成度に加え、取り組む姿勢も評価されます。また、課題の実演時間以外の態度も評価されています。

制作・巧緻性

制作や巧緻性は、お子さんの手先の器用さや、作業へ丁寧に取り組む姿勢を見る試験です。教員の指示に従い、工作や折り紙をしたり、小さな豆を箸でつかんだりする試験が出題されます。

巧緻性は、短い時間で身に着く能力ではありません。また、一回の挑戦でうまくいかなくても、諦めずに挑戦する姿勢も評価されています。技術面だけではなく、家庭での取り組み姿勢も重要な科目です。

ノンペーパー校もある

ノンペーパー校とは、ペーパー試験を実施していない学校です。一見したところ、試験対策が不要のように感じられるかもしれません。しかし、ペーパー試験を行っていないだけで、その他の試験は実施しています。

ノンペーパー校では、行動観察や運動、巧緻性などの実施傾向が高くなっています。知識だけではなく、普段の生活やお子さんの考え方や行動を重視して評価されます。
参考記事:小学校のお受験に合格する勉強方法とは?勉強時間と問題形式も確認

小学校受験にあたって注意すべきポイント

それでは次に、小学校受験にあたって、どのようなポイントに注意するべきかお伝えします。

家庭と教育方針が同じ学校を選ぶ

家庭の教育方針と、できるだけ一致している小学校を受験することがおすすめです。あまりに教育方針がことなると、受験の際に面接などで不合格になる可能性があります。

教育方針とは、お子さんにどのように育ってほしいのか、という両親の願いです。小学校受験も含めて、今後のお子さんの人生にとって重要なポイントです。そのため、家庭と小学校の教育方針のミスマッチが起こらないように、学校を選んでください。

子どもを叱りすぎない

受験準備では、思った通りにスケジュールが進まないことも珍しくありません。簡単なことなのに、なぜできないのか、お子さんを叱りたくなることもあるかもしれません。しかし、過度に叱りすぎると、お子さんが勉強嫌いになったり、精神面の健全な成長を阻害したりすることも。

そのため、お子さんの理解度や気持ちを尊重しながら、家庭全体で前向きな気持ちを持って受験に臨んでください。必要以上にお子さんを叱らずに、一緒に成長していくつもりで丁寧に準備を進めていきましょう。

早めの受験準備で、しっかりとした試験対策を

一般的に言われている時期よりも、早い段階で受験準備を始めることで、しっかりとした試験対策が行えます。また、お子さんだけではなく、両親にとっても準備期間が長いことは、大きなメリットがあります。遅かった、と後悔するまえに、ぜひ早めの受験準備を始めてください。

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