「塾は意味がない」は本当なのか?塾の選び方も紹介
子どもが大きくなってくると避けて通れないのが「塾」の問題です。年齢が小さいうちは保護者のサポートのもと、一緒に塾通いをするケースがほとんどですが大きくなると本人の意思がとても大切になってきます。
塾を選ぶ際は、保護者の意思や希望だけでなく、かならず本人の意見を聞きながら進めることが肝心です。いくら「良い塾」だと言われても、通う本人が気にいっていなければ意味がありません。
今回は塾通いを無駄にさせないための教室の選び方やポイントを解説します。子どもの塾選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「塾に通う意味がない」といわれる背景や理由
「塾に通う意味がない」というウワサを耳にしたことがある方がいるかもしれませんが、これは事実ではありません。
子どもの塾通いについての口コミや体験談をリサーチしていると、さまざまな意見が飛び交っていて「何が本当なのだろう」と不安に思ってしまいますよね。
保護者が「塾は不要」と思う背景には、主に以下の2つの理由があります。
理由①勉強は自分の力だけでやるものだと考えているため
「勉強は自分の力だけでやるもの」と考えている方は一定数いらっしゃいます。
学力がともなっていれば独学でも問題ありませんが、そうではない場合は塾を視野にいれたほうが良いでしょう。
確かに最終的には自分自身がやるか・やらないかの問題ですが、見守ってくれる講師がいることで心強い気持ちになることも多いでしょう。
一人で学習することにこだわらず、プロの力を借りてみるのもおすすめです。
理由②費用をかけても成績があがらないと思われているため
「いくらお金をかけても子どもの成績はかわらないだろうから……」と、塾に期待を持てない保護者の方もいらっしゃいます。
子どもの特性はそれぞれなので、どうしても勉強が苦手なお子さんもなかにはいるでしょう。
しかし、塾に通う目的は単にテストの点や成績をあげることだけではありません。
共に学ぶ仲間ができたり、信頼できる講師に出会えたり、第二の学校のように過ごす子どもも多くいます。
思ったほど成績が上がらないと「お金がもったいない」と感じてしまうかもしれませんが、目には見えない良い効果が得られている可能性があります。
子ども自身が塾に興味を持っていて、学ぶことを嫌がっていないのであれば、学校以外の学習の場をぜひ用意してあげてください。
また、塾の費用について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
参考記事:塾の費用相場はどのくらい?|内訳や安く抑えるコツも解説
「意味がない塾」の特徴とは?
塾通いにはさまざまな意義があると前述しましたが、なかには時間やお金が無駄になってしまうことがあります。
前提として、塾ごとに教育スタイルやレベルは異なるので、ある人にとっては良い環境でも、別の方にとってはイマイチであるケースもあります。
塾をうまく活用するためには、生徒側が自分に合う教室を探すことも重要です。
塾と生徒がうまくマッチしない場合、以下のような原因が考えられます。
- 特徴①学力と教育レベルが合っていない
- 特徴②指導方法が合っていない
- 特徴③講師のレベルが低い
- 特徴④サポート体制が充実していない
- 特徴⑤環境がよくない
塾を選ぶ際にはこれらの各項目をあらかじめチェックしておきましょう。
特徴①学力と教育レベルが合っていない
適当に塾を選んでしまうと、自分の学力と教育レベルが合わずに無駄な時間になってしまうことがあります。
たとえば、すでにある程度の学力がある生徒が、初学者向けの簡単な講座しかない塾に入ってしまうと物足りなく感じるでしょう。
反対に、自分の学力よりも数段上の塾を選んでしまった場合も、授業についていけず、逆に自信を失ってしまうことがあるかもしれません。
自分の学力に合う最適な教室でなければ無意味なので、塾選びは慎重に行ってください。
特徴②指導方法が合っていない
指導方法が合わない塾に入ることも時間をお金の無駄遣いになってしまいます。
塾のはそれぞれに特性があり、指導方法もさまざまです。
一から丁寧に教えるスタイルや、あえて助言は最小に抑えて自分で調べさせる教え方など、塾の理念や講師個人の考えによっても異なります。
どの方法が良い・悪いということはなく、子どもに合っているのかが大きな問題です。
自分に合わなかったり理解しにくい講座が多い塾を選んでしまったりすると、成果につながりにくく無駄になってしまう可能性が高いです。
保護者が子どもの特性を理解し性格に合いそうな塾をうまく選べれば良いのですが、そう簡単にはいかないでしょう。
なぜなら、どういった指導方法が好みなのかを、子ども自身が把握できていないからです。
ある程度の年齢になれば自分の好みも分かってくると思いますが、年齢の低いうちはどういった塾が良いかを言語化することは難しいです。
特徴③講師のレベルが低い
通わせても意味がないと思う塾の筆頭は、講師のレベルが低いケースです。
塾ごとに講師育成のカリキュラムをしっかりと行っているはずですが、教え方が分かりにくかったり、子どもに寄り添う気持ちが足りなかったりする講師がなかにはいます。
もし講師のレベルが低いと感じ子どもに合わないと思った場合は、早めに責任者に伝えましょう。
決して安くはない塾代を払うのですから、満足して通える環境になるよう、生徒側からも働きかけることがおすすめです。
特徴④サポート体制が充実していない
塾のサポート体制に不満を持ち「辞めたい」と考える保護者の方もいらっしゃいます。
入塾する際には細かい規約までしっかり確認しておくことが重要で、サポートしてもらえる部分とそうではない部分について把握しておきましょう。
具体的には、講師に質問する時間が決められていて自由に質問できなかったり、自宅学習のための課題を用意してもらえなかったりすることもあります。
子どもにとって必要なサポートが含まれているカリキュラムやコースを選べるように、プランや受講条件はあらかじめよく確認しておいてください。
参考記事:塾の授業時間と実際の時間割の例・授業時間の目安を解説
特徴⑤環境がよくない
環境のよくない塾にいる場合も、良い成果をあげられないことが多いでしょう。
たとえば校舎の清潔感がなかったり、授業中の雑談が多かったりなど、少しでも違和感を覚えたら塾を変えることを検討してみてください。
また、週に何度も通うことを考えると利便性の良さは外せません。
いくら魅力的な塾であっても、交通の便が極端に悪い場合は通い続けることが負担になることもあるでしょう。
子どもがストレスなく通える塾を選ぶことが肝心です。
塾を選ぶ際に押さえておきたいポイント
「意味のない塾」の特徴について前述しましたが、これらの塾を避けるためには選びかたのポイントを把握しておく必要があります。
塾を選ぶ際には以下4つの項目についてチェックしておいてください。
- 項目①指導形態
- 項目②講師のレベル
- 項目③サポート体制
- 項目④実績
塾のホームページや口コミサイトなどでも情報を得られますが、できれば実際に通っている保護者の話を聞けると安心です。
近隣に同年代の子どもを持つ家庭があれば、塾の評判を聞いてみるのも良いでしょう。
項目①指導形態
塾を選ぶ際には、最初に指導形態をチェックしてみてください。
気に入った塾があっても指導の方法が希望のものでなければ、選択肢に入れにくくなってしまいます。
以下では代表的な4つの指導形態を紹介します。
指導形態 | 特徴 | メリット | デメリット |
集団指導 | 学校の授業のような形式で、1人の講師が複数名の生徒に向けて授業を行うスタイル | ・授業料が安い ・一緒に学ぶ仲間ができる |
・授業についていけないケースがある ・生徒数が多いと細やかなケアをしてもらえない可能性がある |
個別指導 | 1人の講師が1人の生徒を指導するスタイル(塾によっては2~3名を同時に行うこともある) | ・マンツーマンなので質問しやすい ・受講スケジュールを自由に決めやすい |
・授業料が高い ・講師と相性が合わないことがある |
オンライン指導 (映像授業) |
インターネットを使った授業のスタイル オンラインで接続しながら受講するタイプや、あらかじめ録画されている授業のビデオを見るスタイルなどさまざまな形式がある |
・自宅で受講できる ・好きな時間に授業を受けやすい |
・勉強のモチベーションを維持するのが難しい |
自立型教室 | 用意されたプリントを各自がこなす授業スタイル | ・授業料が安い ・自発的に勉強する能力が培われる |
・自主学習がベースのため、講師からのフォローが少ないことがある |
ほとんどの塾では体験学習を行っているので、実際に授業を受けてみて子ども自身が気に入ったほうを選ぶと良いでしょう。
【参考記事】
塾に通うときの選び方は?学習塾の種類ごとのメリット・デメリットを詳しく解説
項目②講師のレベル
塾によって講師のレベルが異なるため、あらかじめホームページやパンフレットなどで確認しておくことがおすすめです。
講師の雇用形態は正社員・業務委託・アルバイトなどさまざまで、勤務時間や教える範囲も違います。
「アルバイトの講師は信用できない」と思われる方もいるかもしれませんが、近い年月に受験を経験しているからこそ、実際の体験談を交えて話ができる点はメリットです。
どのような講師が所属しているかを事前に聞くことは可能なので、ぜひチェックしてみてください。
項目③サポート体制
生徒に対してどの程度のサポートをしてくれるのかも重要なポイントです。
たとえば、集団授業の塾では内容についていけず、学習が思うように進まない生徒もいます。
分からないことがあった時に聞ける環境があるのか、補講や時間外の対応は料金に含まれているのかなど、小さな点も確認しておくと良いでしょう。
また欠席時の対応についても、塾の規定をチェックしておくことをおすすめします。
振替が自由にできない塾の場合、授業のコマ数が減ってしまうことがあるので注意しましょう。
項目④実績
塾選びの指針のひとつとして、直近の年度の合格実績はかならずチェックしておいてください。
子どもが行きたいと思っている学校の合格実績がある塾を選べば、受験対策も安心してお願いできます。
まれに古い年度の合格実績を掲げているケースがありますが、このような塾はあまりおすすめしません。
ほとんどの場合、同じ講師がずっと在籍しているわけではないので、現在の講師陣が出した成果を掲示していなければ意味がありません。
合格者数だけではなく、いつの実績なのか、指導した講師がまだ在籍しているのかも合わせてチェックしておくと良いでしょう。
塾に通ったほうがよい場合とは?
塾に通ったほうがよいケースは、主に以下の4パターンです。
「我が子にとって塾は必要なのだろうか?」と迷われている方は、これらの項目に当てはまっているか確認してみてください。
- 授業についていけていない科目がある
- 十分な学習時間が確保できない
- 勉強に集中できない
- 受験を控えている
授業についていけていない科目がある
「授業を聞いていても分からない」「ついていけない」と感じる科目がある方は、塾に通うことをおすすめします。
1度つまずいてしまうと「分からないこと」ばかりが増えてしまうので、なるべく早い段階で塾に通い、軌道修正をしておくことが大切です。
学校の授業が難しいと感じている方は、塾で予習や復習をすることで余裕を持って授業に臨めるようになります。
十分な学習時間が確保できない
塾のスケジュールを入れてしまえば、いやでも学習に取り組む時間が長くなります。
中学生や高校生になると部活に取り組む生徒も多く、学校・部活・勉強とそれぞれの時間配分を考えるのは大変です。
塾通いをルーティンワークにしてしまえば、時間配分に悩むことなく学習を進められるでしょう。
勉強に集中できない
自宅で勉強していても、つい他のことが気になってしまい集中できないことはよくあります。
勉強がとても好き、という方以外は「やらなければ…」という使命感で学習に取り組んでいることが多いでしょう。
ひとりだとどうしてもダラけてしまうという方は、塾という環境に身を置き勉強に取り掛からずを得ない状況を作ってしまうことがおすすめです。
受験を控えている
受験を控えている方は、塾通いをしたほうが良いです。
独学で合格できる方ももちろんいらっしゃいますが、将来を決める大事な受験に成功するためには塾の存在は非常に大きいでしょう。
行きたい学校が決まっている方は、その学校の合格実績がある塾がおすすめです。
子どもの特性に合う塾を見つけよう
「塾に通えば成果が出る」と、つい期待してしまいますが、かならずしもそうではありません。
塾の理念や教え方などが子どもにマッチした場合に、成果となってあらわれることが多いでしょう。
保護者が子どもにできることは、勉強しやすい環境を整えてあげることです。
実際に通う本人ともよく相談し、好みに合う塾を見つけましょう。
ぜひご覧ください。
本部校 03-6910-0401