小中学生の塾選びで失敗しないためのポイント
あなたはお子様の塾選びでお悩みではありませんか?
多くの保護者が、地元での評判や印象など「何となく」入塾を決めています。
このように安易に塾を選んでしまうと、後悔するかもしれません。
この記事では、塾の種類とそれぞれのメリット・デメリット、塾選びの際にチェックすべきポイントを小学生と中学生に分けて説明します。
お金と時間をかけて通う塾です。
じっくりと検討して、子どもにとっても保護者にとってもベストな塾を選びましょう。
塾に入るメリット
塾に入るメリットは主に3つです。
まずは、学習習慣が身につきます。通塾することで、放課後の一定時間を勉強に割くことになるでしょう。宿題を出してその管理をすることで、家庭学習の習慣を身につけるサポートをしてくれる塾もあります。
2つ目は、快適な学習環境を確保できることです。自宅での学習の場合、誘惑が多かったり、兄弟がうるさかったりと、なかなか勉強に集中できないかもしれません。しかし、塾の場合、教室だけでなく無料の自習室を提供し、生徒がいつでも自由に利用できるように環境を整えています。飲食禁止で静かに勉強するように大人が管理しているため、集中しやすく、勉強が捗ることは間違いないでしょう。
そして、3つ目は受験に必要な情報が簡単に入手できることです。塾には進学と受験に関する情報やノウハウが集結しています。教材の選び方、志望校の選び方、志望校の出題傾向などの情報を手軽に入手できるため、効率的に受験勉強ができるでしょう。
参考記事:子どもを塾に通わせるメリット・デメリットを解説
塾の選び方のポイント
塾の選び方のポイントは子どもの成長段階(小学生・中学生・高校生)や通塾の目的によって異なりますが、下記のようにさまざまです。
- 指導スタイル(集団指導・個別指導・オンライン指導)
- 塾の規模
- 講師の質
- 費用
- 通いやすさ
- 合格実績
- カリキュラム
- サポート体制
- 口コミ
この記事では、小学生と中学生がそれぞれ塾を選ぶ際に重視すべきポイントを詳しく解説します。
小学生の塾選びのポイント
小学生が塾を選ぶ際にチェックすべきポイントは8つです。
それぞれ説明します。
ポイント①目的に合わせて選ぶ
小学生の子どもが通塾する目的は主に下記の4つに大別されます。
(1) 苦手科目の克服など学校の授業の補習
(2) 学習習慣の定着
(3) 中学受験における志望校への合格
(4) 保護者の代わりに行う学習サポート
「塾」といってもさまざまです。受験指導を強みにする進学塾や、学校の補習や学習習慣を定着させることを目的とした塾などがあります。
そのため、塾に通う目的が(1)や(2)の場合は補習中心の塾を選びましょう。補習塾では学校の学習内容の復習に力を入れています。毎週決まった曜日と時間に通うため、学習習慣も身につけやすいでしょう。
(3)の目的の場合は、中学受験専門塾を選んでください。中学受験に関するノウハウが豊富です。
(4) の目的の場合は補習塾でも、進学塾でもいずれの塾でも良いでしょう。子どもの学力に合わせて選んでください。
ポイント②集団指導か個別指導か
塾は集団指導と個別指導に分かれます。それぞれメリットとデメリットがあるため、子どもの性格や勉強の理解度に合わせて選びましょう。集団指導と個別指導の違いについては後述します。
参考記事:塾選びでは「個別指導」と「集団指導」のどちらがいいかを解説
ポイント③家から無理なく通える距離か
通塾で帰宅時間が遅くなることもあるでしょう。保護者が毎回送迎するのが難しい場合は、家から無理なく安全に通える距離である点を考慮する必要があります。
参考記事:塾の授業時間と実際の時間割の例・授業時間の目安を解説
ポイント④費用は適切か
入塾する前に塾にかかる費用の目安を確認しましょう。塾のWebサイトには詳細が書かれていないことが多いです。直接担当者と話をすると、毎月の費用の目安、季節講習費用など、より詳細な情報を得られます。
ポイント⑤塾の雰囲気
塾の雰囲気は子どもの学習や通塾に対するモチベーションを左右するため、重要な要素の1つです。
塾選びの際は体験入学や見学をして、塾の雰囲気を掴み、子どもがどのように感じたか聞いてみて、その感想や印象も塾選びの判断材料の1つにしましょう。
ポイント⑥カリキュラムと講師の質
受験が必要な中学校には、下記の3つの種類があります。
- 私立中学校
- 国立中学校
- 公立中高一貫校
志望する中学校によって出題される問題が大きく異なります。私立中学の場合は独自性の強い試験問題が出題される傾向があるのに対して、国立中学校では総合力が問われる問題が多いです。
まずは大まかな志望校の方向性を明確にして、それに沿ったカリキュラムを組む塾に入塾しましょう。
つづいて、講師の質も重要です。講師の質が良いと、子どもの学習へのモチベーションが上がり、成績も向上しやすいでしょう。分かりやすい授業ができることも大切ですが、子どもを魅了する人間性も大切です。体験授業や見学を通じて、講師の質も確認してください。
ポイント⑦保護者からの評判
塾のWebサイトや見学だけでは、塾の良い点しか見えないこともあるでしょう。その場合は、保護者からの評判や塾の口コミをチェックするのも手です。あまりにも評価が悪い塾は避けた方が無難です。
ポイント⑧中学受験での志望校合格実績
子どもが志望する中学校に多くの合格者を輩出している塾を選びましょう。合格実績が多いということは、その中学校の最新情報に詳しく、出題傾向も熟知していると言えます。子どもが合格する可能性も高まるでしょう。
まだ、志望校が決定していない場合は、幅広いレベルの中学校への合格実績を持つ大手塾を選ぶことがおすすめです。
中学生の塾選びは3タイプ
中学生が通う塾は主に下記の3つのタイプです。
- 集団塾
- 個別指導塾
- オンライン塾
それぞれの形態にメリットとデメリットがあります。
子どもの性格や学習目的に合わせて塾のタイプを選びましょう。
集団塾
集団塾とは1つの教室に大人数の生徒を集めて行う授業スタイルで、学校の授業と似ています。生徒の数は塾やコースによって異なりますが、1クラス10〜30人程度であることが多いです。
負けず嫌いな性格だったり、学校の授業より先取りをして勉強したい子どもに集団塾をおすすめします。
メリット
集団塾のメリットは下記の3つです。
- 質の高い講師が在籍している可能性が高い
- 塾生同士で切磋琢磨しながら勉強ができるため、学習意欲が上がる
- 費用が個別指導塾よりも低めに設定されている
デメリット
集団塾のデメリットは下記の4つです。
- 子どもの理解度やペースに合わせた授業展開ができない
- クラスにうるさい生徒がいると学習の妨げになる
- 集団行動や座学が苦手な子どもには苦痛である
- 時間の融通がきかない
個別指導塾
個別指導塾は1〜3人の生徒を1人の教師が担当する授業スタイルです。家庭教師と同じように感じるかもしれませんが、家庭教師の場合はマンツーマンです。
不得意科目の克服や自分のペースで学習したい子どもに個別指導塾をおすすめします。
メリット
個別指導塾のメリットは下記の3つです。
- 子わからないところを質問しやすい
- 自分のペースで学習できる
- 苦手分野の克服がしやすい
- 時間の融通がきかない
デメリット
個別指導塾のデメリットは下記の2つです。
- 友達を作りづらいため、場合によっては通塾のモチベーションを保つのが難しい
- 集団塾よりも費用が高い
- 苦手分野の克服がしやすい
オンライン塾
オンライン塾は、パソコンやタブレット、スマホを通じて授業を行う塾です。リアルタイムで授業を行い、質疑応答も自由にできる「ライブ配信型」と、事前に収録された授業を視聴する「オンデマンド型」の2種類の授業展開があります。参加人数は塾によって異なり、マンツーマンタイプのものから集団指導など多岐にわたります。
オンライン塾をおすすめするのは近所に通いたい塾がなかったり、部活動や習い事など放課後に忙しかったりする子どもにおすすめです。
参考記事:お受験と習い事は両立可能?習い事のメリットも紹介
メリット
オンライン塾のメリットは下記の4つです。
- 地方に住んでいても、都会の有名講師の授業を受講できる
- 費用が安い
- 通塾にかかる時間とお金を節約できる
- 隙間時間を有効活用できる
デメリット
オンライン塾のデメリットは下記の4つです。
- 子どものモチベーションの維持が難しい
- オンデマンド型の場合は、その場で分からないことを質問できない
- 通信環境が整える必要がある
- 勉強する環境がないので気持ちの切り替えが難しい
中学生の塾選びのポイント
つづいて中学生が塾を選ぶ際に重要なポイントを7つ紹介します。
ポイント①塾講師のレベル
塾の担当講師が「専任」か「アルバイト」かも確認しましょう。
専任の場合は、指導経験が豊富で、受験に関するノウハウも多く持っていることが多いです。アルバイトの講師の場合は大学生が多く、子どもと年齢も近いため、話しやすく、分からないところも質問しやすい点がメリットです。
口コミ情報をチェックしたり、実際に体験授業に参加したりして、子どもに合った講師がいる塾を選びましょう。
ポイント②合格実績
入塾する際には子どもの志望校の合格実績を見ましょう。その際には合格者の人数だけでなく、その塾の生徒数に対して、どの程度の合格率かをチェックすることも大切です。Webサイトだけで分からない場合は、実際に塾に電話して確認してください。
ポイント③授業料やその他費用
塾にかかる費用は授業料だけではありません。下記のようにさまざまな費用がかかるため、思いの外費用がかさむことが多いです。入塾前に年間でどれくらいの費用がかかるのか確認しましょう。
- 入会金
- 年会費・設備費
- 教材費
- 講習費
- 設備維持費
- 模試代
塾にかかる費用が高いからといって良い塾であるとは限りません。インターネットでリサーチしたり、複数の塾を比較検討したりして、入塾前に塾の費用相場を知っておくと安心です。
また、授業を欠席・遅刻した場合に、振替や補講が可能であるか確認することも忘れないでください。
参考記事:塾の費用相場はどのくらい?|内訳や安く抑えるコツも解説
ポイント④通いやすさ
小学生と同様に、中学生も自宅や学校からの距離や通塾方法などを確認して、通いやすさを重視しましょう。
中学生の授業は小学生よりも夜遅くに終わる可能性が高いです。もし子どもがひとりで通塾する場合は、夜道の安全性も考慮に入れてください。
ポイント⑤塾の雰囲気
小学生の塾選びと同様に、塾の雰囲気も中学生の塾選びでは重要なポイントです。塾の雰囲気は実際に見学に行った際に感じた印象や、塾の授業後の塾生が帰るときの様子でも判断できます。
夜遅い時間にも関わらずなかなか家に帰ろうとしなかったり、塾生同士が喧嘩していたりする場合は塾の雰囲気が悪く、落ち着いて学習するのが難しいでしょう。
ポイント⑥志望校との相性
子どもの志望校が決定している場合は、合格実績だけでなく、その塾と志望校との相性も見ましょう。
例えば、「県立高校は地元の個人塾の方が評判が良い」や「難関私立高校への合格率は大手塾の方が高い」といった具合です。
ポイント⑦本人の希望
これが最も大切なポイントです。中学生にもなると、小学生とは異なり、ある程度のことは自分で判断できるようになります。最終的には子ども本人に塾を決めてもらいましょう。
「親に無理やり行かされている塾」よりも「自分で選んだ塾」で学習する方が、子どもも頑張るものです。もし、子ども本人が希望する塾がある場合は、前向きに検討してあげてください。
参考記事:塾に通うときの選び方は?学習塾の種類ごとのメリット・デメリットを詳しく解説
中学生の入塾のタイミング
中学生の入塾のタイミングは学年によって異なります。
1年生の場合は、学校生活や部活動、そして定期テストに慣れ始めた冬の時期に入塾すると勉強に意識が向かいやすくなります。
2年生の場合は、部活動が忙しくなるとともに「中だるみ」が始まり、勉強が疎かになりがちな時期です。中学2年生で入塾すると、3年生の先輩が受験に向けて一生懸命勉強する姿を目の当たりにして勉強に対するモチベーションを再び上げられるかもしれません。そして3年生の場合は、部活動の引退直後が良いでしょう。高校受験を考えると早めのタイミングで入塾するのが良いですが、部活動との両立が大変で、なかなか勉強に精を出すのが難しい時期です。部活動を引退してからの方が、勉強だけに集中しやすいです。
塾選びで失敗しないために
最後に塾選びで失敗しないために、下記の3つのポイントに気をつけてください。
- 体験授業を受けてみる
- 3つ以上の塾を比較する
- 失敗と思ったら早めに転塾する
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
体験授業を受けてみる
塾の情報はWebサイトやパンフレットでも入手できますが、その塾に関する良い情報しか入手できないことが多いでしょう。
塾を選ぶ際には実際に体験授業を受けることがおすすめです。体験授業を受けることで下記のような、インターネットや紙媒体では得られない情報を得られるため、ベストな塾選びの役に立ちます。
- 塾やクラスの雰囲気
- 自宅や学校からの通いやすさ
- 施設の衛生状況や空調設備
- セキュリティ対策
- 講師の質
- 授業の進め方
- 体験授業後の子どもの感想
このような情報を入塾前に得られると、入塾後のミスマッチを未然に防げるメリットがあります。多くの塾が無料の体験授業を行なっており、1日だけでなく1ヶ月間体験できるところもあります。体験授業も含めて塾選びをすると時間がかかりますが、慎重に選びましょう。
3つ以上の塾を比較する
複数の塾を比較することで、それぞれの塾の特徴や強み、弱みが明らかになります。それぞれの塾の強みと弱みを見ながら、子どもの性格や目的に合った最適な塾を選んでください。
そして上記にもありますが、可能な限り複数の塾の体験授業や見学をしましょう。比較検討するための材料がさらに増えて、よりよい塾選びを可能にしてくれます。
失敗と思ったら早めに転塾する
2022年にテコヤプラスが実施した調査によると、およそ70%もの回答者が「一度塾や家庭教師を利用し始めると、なかなか変えづらい」と回答しています。
入塾後にミスマッチが発覚して後悔することがないように、入塾の際は慎重になり、上記にもあるようにさまざまな観点から塾を検討してください。特に実際に見学に行ったり、体験授業を受けたりすることがおすすめです。
もし、入塾後に塾に対して違和感を感じたら、早めに転塾しましょう。入塾時に払った入会金は無駄になってしまうかもしれませんが、子どものモチベーションが上がらず成果が出ない塾にずっと通い続けるよりも賢明です。
ポイントを押さえて良い塾を選ぼう!
いかがでしたか?
塾には集団塾・個別指導塾・オンライン塾とさまざまな形態の塾があります。そして、進学や受験に力を入れている塾もあれば、学校の授業の予復習に力をいれている塾もあります。
この記事では小学生と中学生の子どもをもつ保護者の方がそれぞれ塾を選ぶ際に確認すべきポイントや注意事項を解説しました。
この記事を参考にしながら、子どもにとっても保護者にとっても最適な塾を選んでください。
ぜひご覧ください。
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