【お受験】親の心得
お受験は親の受験とよく言われますが、親はどのような点に気をつけたらよいのでしょうか。 この記事では小学校受験を取り巻く現在の環境、親の心得、してはいけないことなどについて解説します。小学校受験への関わり方に悩んでいる人は必見です。
目次
お受験のいま
小学校受験をする子どもの数は、飛躍的に増えています。 一昔前までは「一部の裕福な家庭のお子さんが受験するもの」というイメージでしたが、昨今では一般家庭のお子さんでも小学校受験をする子どもが少なくありません。 小学校受験者が増えている背景には、以下のようなものが挙げられます。
- 加熱する一方の中学校受験を避けて小学校から私学へ入れたい
- コロナ禍で迅速にオンライン対応した私立小学校に魅力を感じた
- 探究学習などに力を入れている点に魅力を感じた
- 教育方針が家庭と合った学校で学ばせたい
- セキュリティがしっかりしている
- 共働きでも通わせられるような、学童併設の学校が増えた
- 一人っ子が増え、子どもにかけられるお金、時間が増えた
そのため、エスカレーター式で進学できる有名大学の付属小学校や、難関校への進路実績がいい小学校が人気をキープする一方で、いわゆる「名門校」「伝統校」でなくとも、自由教育を謳うなど学校の「色」を明確に押し出している学校、いち早くIT化をすすめている学校も人気が上がっています。
参考記事:小学校のお受験は必要?メリットやデメリットについて紹介
お受験における親の心得
子どもは親の行動をよく見ています。基本的生活習慣が身についていない親が、いくら口で子どもに注意しても、子どもは基本的生活習慣を改めようとは思いません。子どもを合格させるには、まず親が合格に見合うだけの人物にならなくてはなりません。
挨拶をする、マナーやルールを守る、基本的生活習慣を確立させる、鉛筆や箸は正しく持つ、姿勢よく座るなど、毎日のことで見落としがちですが、だからこそ意識しましょう。 また、さまざまな受験情報に振り回されないこと、よその子と比較しないこと、叱るタイミングや叱り方にも気を配りましょう。頭ごなしに叱ったり、人格そのものを否定するような言葉がけをしたりすると、お子さんの自己肯定感が下がってしまいます。「母は女優に」とおっしゃった幼児教室の先生もいらっしゃいます。
「褒めて伸ばす」教育方法は昔から知られていますし、期待されていると感じることで力が伸びるピグマリオン効果も知られています。「この声がけがお子さんにどう影響するか」常に一歩引いた目線から考えるようにしたいものです。
日常生活・教育で保護者(親)が心得ておきたいポイント
日常生活や教育の場面で、保護者(親)はどのようなことに気をつければよいでしょうか。
適切に叱る&褒める
まずはタイミングを逃さず、叱るべき時は厳しく叱り、褒めるべき時は大いに褒めましょう。 注意したいのは、叱る対象です。「だからお前はダメなんだ」「そんなことだから成績が伸びないんだ」お子さんの人格を否定するようなことは言わないようにしましょう。お子さん自身と、お子さんのした行動は分けて考えましょう。失敗するたびに人格を否定するような発言が続くと、お子さんの自己肯定感は低くなり、物事に意欲的に取り組もうという気持ちもなくなってしまいます。
叱る時に頭ごなしに叱らず、お子さんの言い分も聞きましょう。また、過去の失敗を持ち出してくどくどと叱るのもやめましょう。叱った後はフォローを入れましょう。
また、何かができるようになった、人の役に立つことを率先してできた時には、仮にこちらが満足できるようなレベルに達していなかったとしても褒めてあげましょう。褒められることで、「次同じ状況になったらまた手伝おう」「また困っている友達を見かけたら声をかけよう」と考えるようになり、いい行いが習慣化されていきます。
中には褒められるのを苦手とするお子さんもいます。そういった場合には、具体的にどこがよかったのか、客観的に褒めるとよいでしょう。
価値観を押し付けない
次に気をつけたいことは、価値観を押し付けないことです。 これは親子間だけでなく、友人同士や夫婦間でも言えることですが、物の考え方も価値観も人によってさまざまです。そして、そのどれもが尊重されるべきです。 特に子どもは親の庇護の下にある分、親子間では弱い立場になりがちです。その力の差を利用して自分の価値観を押し付けることのないようにしましょう。もし価値観が合わないのであれば「わたしはこう思うけど、なぜあなたはそうしたの?」というように、対話で解決しましょう。
子供の個性・特性を把握する
子どもはそれぞれに個性や特性があり、何が得意か、何が好きかはその子によって異なります。まずはご自分のお子さんの個性や特性は何か、お子さんの様子をよく観察し、把握しましょう。
そのためには、ある程度の時間をお子さんと過ごすことが必要です。小学校受験を考えているのであれば、動物園や水族館へ行ったり、自然観察へ出かけたりとお子さんと出かける機会も多いかと思います。お子さんの様子をよく観察してみてください。
お子さんの行動の偏りは、特性の影響かもしれません。できないことを「やる気が足りない」等の根性論で片付ける時代はもう終わりです。早いうちにお子さんの個性や特性を把握することが、お子さんに合った学校探しにもつながりますよ。
試験で保護者(親)が心得ておきたいポイント
試験当日には、ありとあらゆることがチェックポイントとなり得ます。 中でも注意すべきことは以下の3点です。
服装・マナー・コミュニケーション
まず、TPOに応じた服装ができることです。 試験の案内に、「動きやすい服装でお越しください」と書かれていることがあります。これは、運動の試験があるためです。とはいえ、試験当日は面接もあります。それなのに上下ジャージで行ったらどうでしょう。どういう場面なのかをよく考えて服装を選びましょう。
その人の日頃の暮らしぶりはマナーやコミュニケーションの端々に出るものです。普段から挨拶をしていない人は、急に学校関係者とすれ違っても挨拶できないでしょう。また、会話の際に相手の顔をみて話さない、乱暴な言葉遣いをする人はコミュニケーション能力が低いとされます。相手を不快にさせないのも、コミュニケーション力の一部です。常日頃から、相手への配慮をするようにしましょう。
教育方針
小学校受験では、家庭の教育方針も問われます。小学校受験においては、家庭の教育方針が学校の指導方針と合致しているかどうかは重要なポイントです。
「自分の特性を伸ばして、自由にのびのびと育ってほしい」という家庭が、厳格な指導方針の小学校に入学させてしまうと、方針の違いに苦しむことになります。
そういったミスマッチを防ぐために、願書や面接で教育方針を問われることがほとんどです。
家庭の教育方針を話し合うことは夫婦間での教育観を擦り合わせることでもあります。受験する・しないに関わらず、話し合っておいた方が、「父親と母親で言うことが違い、子どもが戸惑う」という事態を招かずにすみます。
学校(希望校)への理解
学校の指導方針と家庭の教育方針が一致していることが大切だと先に述べました。しかし、100%同じ、ということはまずありません。時には学校の指導に疑問を抱くことや、どうしても納得が行かないこともあるでしょう。
そのような場合に、喧嘩腰で乗り込むのではなく、学校の指導を理解し連携しようとする姿勢を持つ家庭を学校側は求めています。
親が注意すべき言動
親の行動を、子どもは驚くほどよく見ています。 小学校受験に失敗する親の特徴として以下のものがあります。
- 挨拶をしない
- 人の目を見て話さない
- 立ち振る舞いが乱雑
- 言葉遣いが乱暴
これらができていない親の子どもも、できていないことがほとんどです。まずは親自身がマナーやルールを守り、日々の生活を丁寧に送ることを意識しましょう。
お受験を成功させるために
受験を成功させるために、以下のことを意識していきましょう。
子供の特性を理解する
日頃のお子さんの様子をよく観察し、お子さんの特性を理解しましょう。
性格のタイプや行動の傾向、得意なことや好きなこと、逆に苦手なことや嫌いなこと、いろいろなことが見えてくる中で、お子さんにあった校風も見えてきます。
学習習慣を身につけさせる
毎日の生活習慣の中に学習の時間を組み込み、スムーズに学習できる習慣をつけましょう。 家庭学習をすることには、以下の2つの効果があると言われています。
- 入試問題の形式に慣れ、より高得点を取れるようになる
- 非認知能力を養い、合格に近づく
非認知能力とは、諦めずにやり続ける力、我慢する力など、いわゆる「学力」以外の学習に関連する能力です。これらの力が、実は合否に大きく影響しているのではないかと言われています。
毎日同じリズムで勉強することは、時に苦痛を伴います。それを乗り越えて、家庭学習の習慣をつけることで、非認知能力も身につきます。
人間のやる気には「勉強そのものが面白い」「新しい知識を身につけたい」というような内からのやる気と、「怒られるのは嫌だから勉強する」「宿題をやっていないと恥をかく」というような外からのやる気があります。内からのやる気の状態が理想ですが、全くやる気がない、もしくは外からのやる気の状態の時には、ごほうびを出すのも有効です。
最初は短い時間でも構いません。少しずつやり続けることで、いつの間にか「毎日勉強をしないと気持ち悪い」状態にまで持っていけたら理想的です 学力と、非認知能力と、「これだけやっている」という自信が身につきます。
塾に通う
受験対策のために塾や幼児教室にお子さんを通わせるご家庭も多いでしょう。塾や幼児教室に通うことが、学習のペースメーカーの役割も果たしてくれます。 また、同年代の生徒たちが懸命に勉強している姿を見ていい刺激を受けることもあります。お互い切磋琢磨しながら受験という大きな目標を乗り越えることで、連帯感を感じるでしょう。
小学校受験は親の受験!まずは自らを省みよう
ここまでお受験について、親がすべきこと、しない方がいいことについてお話ししてきました。お受験対策は短期間のうちに詰め込みしても、本番で見破られます。まずは親自身が日々の生活を丁寧に送るところから始めましょう。
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