塾選びでは「個別指導」と「集団指導」のどちらがいいかを解説
学習塾とは、学校以外の場所で予習・復習・自習・苦手科目の勉強などを行う教育施設です。 効率的で要点を押さえたテキストを使いながら一斉に学ぶ集団指導塾、自由なカリキュラム設定、個別指導による集中した環境づくりが魅力の個別指導塾と、塾ごとに異なる特徴があります。 この記事では、学習塾について詳しく内容を確認しながら、個別指導と集団指導の違いやメリット・デメリットについて紹介します。 お子様に合った塾を選ぶために確認したいポイントも取り上げていますので、ぜひ塾選びの参考にしてください。
目次
そもそも学習塾とは?
学習塾は「教育・学習支援業」に分類される施設です。日本全国に展開する大手の塾から、いわゆる私塾と呼ばれる小規模な塾までが運営されており、指導内容や指導方法によって、以下の種類に分類されます。 【学習塾の分類】
- 総合塾
- 専門塾
- 進学塾
- 補習塾
総合塾とは、科目ごとの授業のフォローアップ講義から受験対策まで、目的に合わせていろいろなレベルやクラスを開講している塾のことです。 苦手な科目や、同じ科目の中でも苦手な分野に絞って集中的に講義が受けられるといったメリットがあります。 総合塾に対して、専門塾は「能力開発」「受験に特化」「数学・英語などの特定科目に特化」している塾のことです。 専門的な講義や特定科目のみに絞った講義を行っているため、すべての授業のフォローアップが受けられるわけではありません。 これらの塾は、少人数制やマンツーマン授業を基本とする「個別指導」と、その講義を受けたい生徒をすべて集めて行う「集団指導」に分かれています。
進学塾と補習塾の違い
進学塾と補習塾は、それぞれで目的が異なります。「進学」と付いているとおり、レベルの高い学校への進学を希望する生徒のために、受験対策を中心に行う塾のことを指しています。 進学塾と聞くと「頭が良い子しか通えない特別な塾」といったイメージが浮かびますが、実際には「進学を目的とする生徒が集まる塾」という意味になります。 生徒一人ひとりの頭の良さが必ずしも重視されるわけではなく、入塾テストの有無も塾によって異なります。 補習塾は、いわゆる授業のフォローアップを行うための塾です。 進学塾ほどの競争はなく、のんびりとした雰囲気の中で学べるところが多いため、「授業についていけない」「授業の進度が遅いので自分で進めたい」といったニーズに応えられます。 進学塾では自習や予習は当然のものとして無駄なく講義を進めていきますが、補習塾では勉強が得意ではない方や苦手科目がある方に対して丁寧にフォローアップを行っています。
個別指導の特徴
個別指導とは、生徒1人に教師が1人つくマンツーマン形式のほかに、教師1人に生徒2〜5人程度の少人数で行う授業を指します。 塾内には1人用や少人数用のブースが設けられ、集団指導塾よりも空間が細かく仕切られています。 集団指導塾のようにオープンスペースで一斉に学ぶ形式ではなく、一人ひとりが集中できるように環境が整えられています。 最大で4,5人ほどの生徒に指導を行いますが、塾によってはクラスやコース単位の授業となり、5人以上になるケースもみられます。 一方でマンツーマンを重視しているところもあるため、大人数の集団指導塾が苦手なお子様には個別指導がおすすめです。
メリット
個別指導塾は、それぞれのペースで授業を受けたり学習が進められたりする点がメリットです。「苦手科目をとにかくなくしたい」「得意科目を伸ばして高得点に繋げたい」といった、生徒ごとのオーダーにも応えられます。 集団指導塾ではテキストや講義内容を効率化することで「集団向け」に仕上げられていますが、個別指導塾は一人ひとりの理解力アップを重視しているため、わからないところを徹底して対策したり、教師に質問をして理解を深めたりといったオーダーメイドの学習時間が組み立てられます。 在籍している学校によって授業進度が異なっていると、集団指導では進度の遅い学校の生徒がついていけず、予習にばかり時間をとられるデメリットがあります。 その点、個別指導では一人ひとりの授業の進度を確認してフォローアップを行い、そこから復習→予習→応用といったスケジュールが組み立てられるため、置いていかれる心配がありません。 さらに、教師の変更が可能(塾によっては不可の場合があります)であれば、相性の良い講師から指導を受けられます。
個別指導塾のメリット |
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個別指導塾に向いているお子様 |
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デメリット
個別指導塾は集団指導塾のように駆け足で学ぶことがなく、周囲に競争相手を作りにくいため、スケジュールを組んで自分なりに理解を深めていく「自主性」が求められます。 塾に通っているだけで満足してしまい、宿題や課題を終わらせるための場所になってしまうと、集中して苦手科目を克服するのは難しいかもしれません。 集団指導塾では効率化されたテキストを読み込み、頭に何度も叩き込むことを意識します。個別指導塾では叩き込むような厳しさがほとんどなく、人によっては物足りないと感じる場合があります。
個別指導塾のデメリット |
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個別指導塾に向いていないお子様 |
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集団指導の特徴
集団指導塾は、大人数で同時に学んでも理解できるように内容を精査し、効率化したテキストと講義内容を使って学んでいきます。 1人の教師が学校のように大きな黒板やホワイトボードに板書をしながら(必要に応じてスクリーンを使って動画形式で学ぶこともあります)講義を行います。 無駄のない講義内容を徹底しており、教師の話が脱線したり質問だけに時間をとられたりする心配がありません。 集団指導の後で教師に質問をしたり、自習室や個別ブースで学習をしたりする時間もとれるため、自主的な学習も十分に可能です。
メリット
個別指導とは異なり講義や授業にスピード感があるため、適度な緊張感があります。 気を抜いていると授業に遅れてしまうため、モチベーションが下がりにくいメリットがあります。 さらに周囲の生徒からもリアルタイムに良い影響を受けられるため、一人で孤独に学習するのが苦手なお子様にとっては集中しやすい環境といえるでしょう。 同じ講義に出ている仲間や友達、学校のクラスメイトと一緒になって学べるので安心感があり、一方で適度な競争心も持ち続けられます。 放課後から夜にかけては日中の疲れが出て、中だるみしやすい時間帯です。集団指導であれば競争仲間がたくさんその場にいるので、気持ちを切り替えて取り組めるでしょう。 マンツーマンの個別指導はじっくりと苦手な問題や科目に向き合えますが、時間を効率的に使って学習を進めにくいデメリットがあります。 集団指導では事前に予習をしっかりと行うと講義内容が理解しやすくなり、授業の中で段階的に理解しながら「自分で考えて解く力」をつけていくことができます。
集団指導塾のメリット |
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集団指導塾に向いているお子様 |
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デメリット
集団指導塾は講義の内容・時間割がすべて固定されており、一人ひとりの生徒に合わせた指導やスケジュール編成が一切行えません。 講義が始まる時間に合わせて来校し、自習なども含めて計画的に時間を調整する必要があります。 万が一講義を聞き逃してしまうと補習や補講に出るか、フォロー授業がない場合はクラスメイトにノートを借りるなどして付いていかなければなりません。 集団で学ぶ形式のため、激しい競争環境ができあがるケースもあります。 レベル別のクラスが設定されている塾では、上位のクラスに上がるためにテストを受けますが、そのテストにかける準備も必要になるため、学校のテストとは別のプレッシャーがかかってきます。
集団指導塾のデメリット |
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集団指導塾に向いていないお子様 |
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参考記事:塾に通うときの選び方は?学習塾の種類ごとのメリット・デメリットを詳しく解説
個別指導塾と集団指導塾の料金の違い
個別指導塾と集団指導塾はどちらも私的に運営されている塾のため、1つの講義ごとに料金がかかります。入会金や年会費など、必要な料金について比較していきましょう。
個別指導塾 | 集団指導塾 | |
入会金 | 無料〜50,000円以下 | 10,000円前後〜30,000円以下 |
月謝 | 50,000円以下 | 30,000円以下 |
教材費 | ◯ | ◯ |
補講・補習費 | 数万円 | 数万円 |
講習費 | 10,000円〜500,000円以下 | 10,000円〜500,000円以下 |
その他 (施設維持費・テスト費・指導料など) | 塾ごとに異なる | 塾ごとに異なる |
上記は大まかな目安であり、生徒が選択するコースや講義数によってかかる費用は異なります。また、以下のような塾ごとの特徴によっても費用は変化します。
費用がかかる場合 | 費用がかからない場合 |
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入会金は初期費用としてはじめに支払うもので、多くの場合塾代として負担になりやすいものが月謝や講習にかかる費用です。 選択する講義の数、コマ数によって費用の総額が変わるため、少しでも費用をかけないためには、本当に必要な講義や授業のみに絞って受講することをおすすめします。 駅前や駅の近くにある、公共交通機関から近い、大きなビルに広い自習室を備えているなどの設備条件が整った塾も、施設の維持費がかかるため生徒側に負担がかかる場合があります。 テストや模擬試験、オンライン講座といったオプションを加えると、さらに費用が加算される可能性もあります。塾ごとの料金体系を確認し、必要なコースや講義だけが受けられるかどうかを確認して比較検討を行ってみてください。
参考記事:塾の費用相場はどのくらい?|内訳や安く抑えるコツも解説
お子様に合った塾を選ぶために確認すること
お子様に合う塾を選ぶためには、いくつか確認するべきポイントがあります。塾への適性をチェックするうえでも、学力・成績など4つのポイントを調べて、塾の特徴と照らし合わせることが大切です。
現在のお子様の学力・成績
お子様の学力や成績を確認し、お子様自身の意見も参考にして適切な「課題」を確認しましょう。 たとえば、トータルの成績は平均以上だが数学の点数が低いために、目標の進学先のランクまで届かないような場合には、数学を強化できる講義や塾が適しています。 「進学塾だから」「大手だから」という理由で塾を選んでも、お子様が抱えている課題に即した講義が受けられるとは限らないものです。 学校の授業が全体的に遅れているようなケースでは、他の学校と足並みを合わせるためにもフォローアップ学習が適しており、個別指導で補っていく方法がおすすめです。
お子様の性格
次に、意思や勉強に対する姿勢を確認します。「一人では勉強がはかどらない」というお子様には集団指導塾が適していますが、苦手な部分を丁寧にフォローしてもらうことで勉強が好きになれるようであれば個別指導塾のほうが適していると判断できます。 性格や学習への姿勢を考慮せずに入塾させてしまうと、思うように学習効率が上がらず「合わなかった」とミスマッチに気づく場合があります。 あとから塾を変更する場合、再度入会金や教材費がかかってしまいますので、体験授業も活用していくつかの塾を比較することをおすすめします。
参考記事:塾に通って伸びる子と伸びにくい子とは?塾の種類の違いも紹介
通いやすさ
集団指導塾は時間割が決められているため、部活動や習い事などで都合がつかない場合は個別指導塾がおすすめです。 集団指導塾を選ぶ際には、お子様の平日・土日のスケジュールと塾の日程が合うかどうかが重要になります。個別指導塾が選択肢に入らず、集団指導塾を選ぶ場合は開講時間・帰宅時間に加えてスクールバスの有無、塾から公共交通機関までの近さといった部分も含めて確認してください。
参考記事:塾の授業時間と実際の時間割の例・授業時間の目安を解説
口コミや評判
塾の口コミや評判は、実際に通った経験のあるお子様や親御さんの意見が反映されているため、通う前の参考になります。 ただし、ネガティブな口コミほど注目が集まりやすく、ネガティブな意見には同じくネガティブな意見が集まりやすいため、総合的な評価が低すぎる場合は考えものです。 メール・電話で問い合わせをして塾側の対応を確認したり、実際の体験授業・見学会を利用して口コミとどれほど内容が一致しているかを確かめたりといった確認作業が必要になります。
先取り学習と完全個別指導を徹底
AiQ(アイキュー)は雙葉・暁星・白百合・慶應幼稚舎・青山学院初等部の保護者が講師として、幼小中高のすべての生徒が「先取り学習」を行えるようにと設立した学習塾です。 私塾として規模を拡大しながら、受験へのニーズに応えることも可能になりました。 学校別の対策コースや医学部受験コース、オンライン指導・家庭教師など多種多様なニーズにも応えており、生徒一人ひとりへの完全個別指導に力を入れています。 塾選びで迷ったときには、ぜひ個別指導の見学や体験入学へお越しください。 幼稚園・小学校受験の個別指導塾ならAiQ ぜひご覧ください。
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