難関小学校・暁星小学校に受かる子の特徴と本質的対策

暁星小学校は、いわゆる「ペーパーができる子」だけでは合格できない、本質的な家庭教育力と子どもの土台を重視する難関校です。
毎年多くのご家庭が挑戦されますが、結果にははっきりとした「受かる子の共通点」が存在します。
「どんな対策をすれば合格に近づけるのか」「うちの子に暁星は向いているのだろうか」――そんな疑問をお持ちの親御さんに向けて、本記事では暁星小学校の入試で本当に見られていること、そして合格に必要な本質的な準備について詳しく解説します。
目次
暁星小学校の基本情報と学校の特徴
創立130年以上の伝統校
暁星小学校は、1888年(明治21年)創立のカトリック系男子校です。千代田区富士見という都心に位置し、小学校から高等学校までの12年間一貫教育を行っています。
カトリック・マリア会を母体とし、「キリスト教の理念に基づく人格形成」を教育の根幹に据えています。単なる進学校ではなく、人としての土台を築くことを大切にしている学校です。
暁星小学校の3つの教育の柱
暁星小学校の教育は、以下の3つを柱としています。
1. カトリック精神に基づく人格形成
宗教の時間が設けられ、祈りや奉仕の精神を日常的に学びます。信者である必要はありませんが、カトリック教育への理解と共感は入学の前提となります。
2. フランス語教育
暁星の大きな特徴が、1年生から始まるフランス語教育です。英語とフランス語の2か国語を学ぶ環境が整っており、国際的な視野を持つ人材育成を目指しています。
3. 学力と規律の両立
学業においては高い水準が求められる一方で、規律正しい生活習慣も重視されます。「自由」よりも「規律の中での成長」を大切にする校風が特徴です。
暁星小学校の入試概要
基本データ
暁星小学校の入試に関する基本情報は以下の通りです。
- 募集人数:約80名(内部進学者含む)
- 試験日程:11月上旬(例年1日〜3日頃)
- 考査内容:ペーパーテスト、行動観察、運動、面接(保護者同伴)
- 倍率:約6〜8倍(年度により変動)
入試時期の特徴
暁星小学校の入試は、都内男子校の中でも早い時期に実施されます。そのため、慶應義塾幼稚舎や早稲田実業学校初等部と併願するご家庭も多く、受験者層のレベルは非常に高くなっています。
11月初旬という時期は、まだ多くのお子さまが「仕上がり」には至っていない段階です。そのため、暁星では「完成度の高さ」よりも「土台の確かさ」「伸びしろ」を見ていると言われています。
暁星小学校が入試で見ているもの
評価の3つの軸
暁星小学校の入試で評価されるのは、次の3点です。
1. 指示を正確に聞き、落ち着いて行動できるか
先生の話を最後まで聞けるか、聞いた内容を正しく理解して行動に移せるか。これは単なる「聞く力」ではなく、日常生活の中で培われた習慣の表れです。
2. 年齢相応以上の自立と生活習慣
身の回りのことを自分でできるか、姿勢は崩れないか、道具を丁寧に扱えるか。5〜6歳児として当たり前のことが、当たり前にできているかどうかが見られます。
3. 家庭の教育姿勢・躾の一貫性
面接では、ご家庭の教育方針や日頃の関わり方が問われます。親御さんの回答と、お子さまの様子に一貫性があるかどうかも評価のポイントです。
暁星が重視する本質
知識量や先取り学習よりも、**「小学生として6年間安心して預かれるか」**が見られています。
入試は「今この瞬間の完成度」を測るものではなく、「これから6年間、この学校で伸びていける子かどうか」を見極める場です。だからこそ、付け焼き刃の対策は通用しません。
暁星小学校に受かる子の特徴
合格されるお子さまには、共通した特徴があります。ひとつずつ見ていきましょう。
① 指示理解力が非常に安定している
暁星に受かるお子さまは、以下のような特徴を持っています。
- 一度で話を聞ける
- 最後まで話を聞いてから行動できる
- 焦らず、周囲を見て動ける
これはペーパー練習量ではなく、日常生活で「話を聞く経験」を積んできたかの差です。
たとえば、親御さんが「これをこうして、次にこうしてね」と指示を出したとき、途中で動き出さずに最後まで聞ける。こうした習慣が、入試本番での安定感につながります。
② 生活習慣が完成している
暁星では「行動観察+生活力」が強く見られます。具体的には以下のような点です。
- 姿勢が崩れない
- 鉛筆・道具を丁寧に扱える
- 着席・待機・移動が自然にできる
椅子に座ったときの姿勢、消しゴムの使い方、待っている間の態度。こうした「何気ない所作」に、日頃の生活習慣が如実に表れます。
ここが弱いと、どれほどペーパーができても不利になります。
③ 感情のコントロールができる
男子校である暁星では、将来の集団生活を想定した精神的安定感が重視されます。
- 失敗しても切り替えられる
- 思い通りにならなくても荒れない
- 競争心よりも落ち着きがある
ゲームで負けても泣かない、順番を待てる、自分の思い通りにいかなくても癇癪を起こさない。こうした「感情の安定性」は、男子の集団生活において非常に重要です。
④ 自然な礼儀正しさがある
暁星に受かるお子さまの礼儀正しさは、「教え込まれた」ものではなく「身についた」ものです。
- 挨拶が自然にできる
- 「ありがとう」「ごめんなさい」が言える
- 目を見て話を聞ける
作り物の礼儀正しさは、考査の緊張した場面ですぐに崩れてしまいます。日常の中で自然と身についた礼儀こそが、本番で力を発揮します。
暁星小学校の入試で見られる「3つの力」
暁星小学校の考査では、次の3つの力がバランスよく評価されます。
① 知的基礎力(ペーパーテスト)
出題範囲は、数量、図形、言語、常識、推理など標準的な内容です。ただし、暁星のペーパーには以下の特徴があります。
- 問題量がやや多く、処理速度が求められる
- 指示を正確に聞き取る力が必須
- 奇問・難問よりも基本の徹底が重視される
「難しい問題が解ける」よりも「基本問題を落とさない」お子さまが有利です。ケアレスミスをしない丁寧さ、最後まで集中を切らさない持続力が問われます。
ペーパーで差がつくポイント
- 線の引き方が丁寧か
- 見直しの習慣があるか
- 時間配分ができるか
暁星のペーパーは、「できる・できない」だけでなく「どう取り組んでいるか」も見られています。
② 行動・生活力(行動観察・運動)
暁星の行動観察では、集団の中での振る舞いが細かく見られます。
- 指示を聞いてから動けるか
- 順番を待てるか
- 道具を丁寧に扱えるか
- 勝ち負けに過度に反応しないか
運動考査では、基本的な運動能力に加え、「指示通りに動けるか」「待機中の態度」なども評価対象です。運動神経の良し悪しよりも、真剣に取り組む姿勢が重要とされています。
行動観察でマイナス評価になりやすい行動
- フライング(指示の前に動き出す)
- 周囲を見ずに自分だけ行動する
- 待ち時間にふざける
- 負けると不機嫌になる
③ 家庭の教育力(面接)
暁星小学校の面接は、保護者への質問が中心です。主に以下のような内容が問われます。
- 志望理由(なぜ暁星なのか)
- 家庭の教育方針
- 宗教教育への理解
- お子さまの長所・短所
- 休日の過ごし方
カトリック校であるため、宗教教育への理解と共感は必須です。信者である必要はありませんが、「カトリック精神のもとで子どもを育てたい」という姿勢を明確に伝えられることが求められます。
面接で好印象を与えるポイント
- 暁星を志望する明確な理由がある
- 夫婦で教育方針が一致している
- お子さまの様子と親の話に一貫性がある
- カトリック教育への理解を具体的に語れる
暁星小学校対策でよくある失敗

多くのご家庭が陥りやすい失敗パターンをご紹介します。
❌ ペーパー演習のやりすぎ
ペーパーの点数を上げることに集中するあまり、生活習慣や行動面がおろそかになるケースです。暁星はペーパーだけでは合格できません。
❌ スピード・正答率ばかりを追う
「早く解ける」「たくさん正解できる」ことを目標にしすぎると、丁寧さや見直しの習慣が身につきません。暁星が見ているのは「速さ」ではなく「質」です。
❌ 家庭で親が先回りしすぎる
「時間がないから」「できないと可哀想だから」と、親御さんが先回りして世話を焼いてしまうケースです。これでは自立心が育ちません。
❌ 行動観察を「練習」しすぎる
行動観察対策として、「こう言われたらこう動く」と型を教え込むと、本番で不自然な動きになります。子どもは緊張すると、練習通りにできなくなるものです。
これらは一時的に「できる子」に見えても、考査では幼さ・不自然さとして表に出てしまいます。
本当に必要な暁星対策とは
① ペーパーは「精度」と「姿勢」
暁星では難問よりも、基本問題を落ち着いて正確に処理できるかが重要です。
重視すべきポイント
- 線の引き方が丁寧か
- 見直しの習慣があるか
- 姿勢を保って取り組めるか
- 鉛筆の持ち方は正しいか
「100点を取る」ことより「90点を安定して取る」ことを目指しましょう。
② 行動観察は「教え込まない」
行動観察は練習しすぎると逆効果です。必要なのは、日常生活の中で自然と身についた力です。
育てたい力
- 集団での立ち居振る舞い
- 待つ・譲る・見る力
- 指示を守る経験
家庭での日常生活と、少人数での経験の積み重ねが最も効果的です。
③ 面接対策は「一貫性」
面接で大切なのは、「立派な回答」ではなく「ご家庭の実態との一貫性」です。
準備のポイント
- なぜ暁星なのか、具体的な理由を言語化する
- 夫婦で教育方針を擦り合わせる
- 日頃の子育てを振り返り、言葉にできるようにする
- カトリック教育について理解を深める
面接官は、何百組ものご家庭を見てきたプロです。取り繕った回答は見抜かれます。
暁星小学校に受かる子の家庭に共通する「5つの習慣」
合格されるご家庭には、日常生活における共通点があります。
1. 朝の時間に余裕がある
バタバタと送り出す朝ではなく、「おはよう」「いただきます」「いってきます」の挨拶がきちんと交わされる家庭です。朝食を座って食べ、身支度を自分でする習慣が、入試での落ち着きにつながります。
2. 親が「待てる」
お子さまが靴を履くのに時間がかかっても、親が手を出さない。答えに詰まっても、すぐにヒントを与えない。この「待つ姿勢」が、お子さまの自立心と思考力を育てます。
3. 食事中のマナーを大切にしている
箸の持ち方、姿勢、食べ方。暁星では生活習慣が重視されるため、毎日の食卓が最高の練習の場になります。
4. テレビ・動画の時間が管理されている
受動的なメディア視聴が多いお子さまは、「聞く力」「待つ力」が育ちにくい傾向があります。絵本の読み聞かせや親子の会話を大切にされているご家庭が多いです。
5. 失敗を責めない
「なんでできないの」ではなく、「次はどうしたらいいかな」と声をかける。この積み重ねが、お子さまの切り替え力と挑戦する心を育てます。
暁星小学校と他の難関男子校との違い
暁星小学校の志望を検討される際、他の難関男子校との違いを理解しておくことも重要です。
各校の特徴比較
暁星小学校
- 特徴:カトリック・フランス語教育・規律重視
- 入試の傾向:基本の徹底・生活習慣・家庭の姿勢
慶應義塾幼稚舎
- 特徴:独立自尊・自由な校風
- 入試の傾向:行動観察重視・個性の発揮
早稲田実業初等部
- 特徴:文武両道・共学
- 入試の傾向:ペーパー難度高め・バランス型
成蹊小学校
- 特徴:自然教育・体験重視
- 入試の傾向:行動観察と面接の比重大
暁星の特徴
暁星小学校は、「自由な個性の発揮」よりも「規律の中での成長」を重視する校風です。そのため、入試でも「型にはまった良い子」ではなく、「自然と規律を守れる子」が求められます。
活発で元気なお子さまよりも、落ち着いていて安定感のあるお子さまが向いていると言えるでしょう。
年長の今からできる暁星対策
受験直前期に焦って詰め込むのではなく、今日からできることを着実に積み重ねることが合格への近道です。
すぐに始められること
- 毎朝、自分で着替える習慣をつける
- 食事の準備・片付けを手伝わせる
- 話しかけられたら、相手の目を見て返事をする
- 約束を守る経験を増やす(「あと5分で終わりね」など)
- 絵本の読み聞かせを毎日行う
- 親子で会話する時間を意識的に作る
意識的に減らすこと
- 親が先回りして世話を焼くこと
- 答えをすぐに教えること
- 「早くしなさい」と急かすこと
- テレビや動画を見せっぱなしにすること
- 兄弟姉妹と比較すること
暁星小学校が見ているのは、「今この瞬間の完成度」ではありません。6年間の成長を信じて預けられるかどうか、その土台となる家庭の姿勢と子どもの素地です。
個別指導が有効な理由
暁星志望のお子さまは、「できるが故の癖」「無意識の幼さ」を抱えていることが多くあります。
個別指導で修正できるポイント
- 姿勢(座り方、立ち方)
- 聞き方(目線、うなずき)
- 思考の順序(考えてから動く)
- 動作の質(丁寧さ、落ち着き)
大人数の教室では気づきにくい細かな癖も、個別指導では一人ひとり丁寧に見極め、修正していくことができます。
暁星合格に近づくには、お子さまの「長所を伸ばす」だけでなく、「無意識の癖を直す」ことも重要です。
暁星合格に近づくご家庭の共通点
最後に、暁星に合格されるご家庭の共通点をまとめます。
- 生活リズムが安定している
- 親が感情的にならない
- 園・家庭・塾の方針が一致している
- 子どもを信じて待てる
- 夫婦で教育方針が共有されている
暁星小学校の合格は、子ども一人の努力ではなく、家庭全体の姿勢の結果です。
暁星小学校対策でよくあるご質問
Q. フランス語は入学前に学んでおくべきですか?
必要ありません。1年生から全員が初めて学ぶため、事前の準備は不要です。むしろ、言語習得の土台となる「聞く力」を育てておくことが重要です。
Q. 共働き家庭は不利ですか?
共働き自体が不利になることはありません。ただし、「お子さまとどのように関わっているか」「家庭の教育方針は明確か」が問われます。
限られた時間の中でも、質の高い関わりができていることを伝えられれば問題ありません。「量」より「質」を意識した子育てについて、具体的に語れるよう準備しておきましょう。
Q. 塾に通わないと合格は難しいですか?
塾に通うこと自体は必須ではありませんが、暁星特有の考査傾向を把握し、客観的にお子さまの課題を把握するためには、専門的な指導を受けることが有効です。
特に行動観察や面接対策は、家庭だけでは気づきにくい部分があります。第三者の目でお子さまを見てもらう機会を持つことをお勧めします。
Q. 運動が苦手ですが大丈夫ですか?
運動考査では、運動神経の良し悪しよりも「取り組む姿勢」「指示を聞いて動けるか」が重視されます。
苦手なことにも真剣に取り組める姿勢、できなくても諦めない気持ちが評価されます。運動が得意である必要はありませんが、基本的な体力と、指示を聞いて動く練習はしておきましょう。
まとめ|暁星対策は「早さ」より「正しさ」
暁星小学校は、「今どれだけできるか」ではなく**「これから6年間、伸び続けるか」**を見る学校です。
入試は毎年大きく形を変えることはありません。しかしその一方で、細部には暁星らしい一貫した価値観が色濃く表れています。
本質的な対策とは
流行の対策や過度な先取りに振り回されず、今この時期に本当に必要な準備を積み重ねること。それが、暁星小学校合格への最短で、最も確かな道です。
暁星対策の本質
- ペーパーは「量」より「質」
- 行動観察は「教え込み」より「日常の積み重ね」
- 面接は「取り繕い」より「一貫性」
お子さま一人ひとりの行動・姿勢・思考の癖を丁寧に見極め、無理に型にはめることなく、求められる姿へと自然に整えていく。この姿勢が、暁星合格への王道です。
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