塾に通うときの選び方は?学習塾の種類ごとのメリット・デメリットを詳しく解説
子供たちの学習のサポートとして、学習塾を選ぶ家庭は多いです。 しかし、学習塾は目的や規模によって種類が異なるため、選び方が分からないといった家庭も多いのではないでしょうか。 この記事では、学習塾の種類について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説しています。塾選びのポイントも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
塾の種類
塾にはさまざまな形態があります。塾選びの際はそれぞれの特徴や提供するサービス内容を把握することが大切です。
- 補習塾
- 進学塾
- 総合学習塾
- 専門塾
以下に、主な塾の種類とその特色を詳しくご紹介いたします。
補習塾
補習塾は、主に学校の授業の補足として提供される塾です。学校の教科書や内容に沿った授業が行われるのが一般的です。
- 学校の授業内容が掴めていない
- 定期テストの対策がしたい
- 特定の教科の基礎を強化したい
- 塾に通うのがはじめて
- 学び方の基本を理解し、継続的な学習の習慣を築きたい
- 学習スタイルや自宅での学習方法に関するアドバイスを求める家庭
上記の項目に当てはまれば、補習塾に向いているといえるでしょう。
メリット
補習塾に通うメリットは以下の通りです。
- 基本的なスキルがしっかり習得できる
- テストのスコア向上や内申点の評価を高めることができる
- 講師との密なコミュニケーションが可能
- 学習意欲を引き上げやすい
学校の授業に密接にリンクしているため、試験対策に適しています。また、学校の授業だけでは理解が難しい部分も、補習塾での指導により明確に理解することができます。
デメリット
補習塾のデメリットは以下の通りです。
- 受験に関する知識や情報が限られている
- 学習の進行に限度がある
補習塾は学校の授業をサポートすることを目的としているため、受験に向けた情報や専門的なノウハウは少なくなりがちです。 また、学習する内容は一定レベルの制約があり、高度な問題を深く掘り下げることは難しいこともあります。 特に、補習塾で「高難易度」とされる内容が、進学塾では「標準」と見なされることも少なくありません。
進学塾
進学塾は中学、高校、大学受験対策を目的とした塾で、学校の基礎的な授業内容をすでに理解している生徒を対象にしています。 そのため、授業は学校のカリキュラムに縛られず、塾独自の進度や教材を中心に進められます。 こうした環境のもと、生徒は応用問題や入試に対応する力を身につけることが期待されます。
- 難関学校を目指している
- 受験での細かいミスをなくしたい
- 高度な問題を解く経験を積み、深い知識を求めている
- 全体的に学習能力を高めたい
上記に当てはまる場合、進学塾に向いているといえます。
メリット
進学塾に通うメリットは以下の通りです。
- 受験に関する経験豊富な講師が揃っている
- 受験についての情報や知識が手に入る
- 周りの生徒たちの学習意欲が刺激になる
- 模擬試験や各種テストの提供が充実している
受験対策に特化しているため、目標とする学校への進学をサポートしてくれます。 また、過去問題の繰り返しや模試など、受験を意識したカリキュラムが組まれています。 周りの生徒たちが受験勉強の刺激になることも、メリットとして挙げられるでしょう。
デメリット
進学塾のデメリットは以下の通りです。
- 授業のペースが早くついていくのが難しいことがある
- 新しい教材の購入が求められる
- 基本的な内容の説明が簡略化される場合がある
進学塾では授業の進行が早く、苦手な部分を克服するのが難しいことがあります。 基礎に関する説明が簡潔になることもあるでしょう。また、新しい教材の購入が必要となる場合も多いです。 ただ、授業で分からない点や疑問点は、授業以外の時間で講師に質問することで解決できるでしょう。
総合学習塾
総合学習塾は、学校の勉強をサポートする補習塾と、受験を目指す進学塾を両立させ、幅広いニーズに合わせた形態です。 普段の学習から受験対策まで、生徒のニーズとレベルに合わせて選べるクラスがあります。 対象となる生徒の学年も広い傾向にあります。
- 進路に悩んでいる場合
- レベルに合わせてクラスを選びたい
上記に当てはまる場合、総合学習塾に向いているといえます。
メリット
総合学習塾に通うメリットは以下の通りです。
- 学習の目標を変えても別の塾を探す手間が不要
- 自分の実力に応じた適切なクラスを選べる
- サポートが充実している
学習の目標が変わっても新しい塾を探す必要がなく、自分の実力やニーズに合わせて適切なクラスを選択することができるのは、総合学習塾の大きなメリットといえます。 また、学校の試験対策や受験に関してなど、生徒に合わせたサポートを行ってくれます。
デメリット
総合学習塾のデメリットは以下の通りです。
- 特定の専門分野においての指導が十分でない場合もある
- 必ず希望の講師の授業を受けられるわけではない
一般的な内容をカバーする総合学習塾は、特定の教科に特化した塾と比べると、深い専門知識を求めることができないかもしれません。 また、好きな講師の授業を受けることが難しい場合も考えられます。
専門塾
専門塾は特定の科目や学校入試を中心に対策できる塾で、主に科目、志望校対策、特定の能力開発の3カテゴリーに分けられます。 一部の塾は特定の教科、例えば数学や英語だけを教えるのに対し、他の塾は文系や理系全体をカバーする形での指導を行います。 また、英会話や速読のような、特定のスキルを伸ばすことを目的とした授業を提供する塾も増えてきています。
- 進路が決定している
- 学校の教科書では学べない内容を学びたい
上記に当てはまる場合、専門塾が向いているといえます。
メリット
専門塾に通うメリットは以下の通りです。
- 講師の専門知識が豊富
- 目標達成に向けて効果的な授業が組まれている
- 同じ志を持つ生徒との関わりが意欲を高めてくれる
専門塾では、その領域に詳しい講師たちが在籍しており、目標に合わせた授業が組まれています。 同じ目標を追い求める生徒たちの間での交流を促進し、学習への意欲を高める要因になることもメリットとして挙げられます。 特に独自の学びを追求したい生徒にとって、専門塾の特色は大きな魅力となるでしょう。
デメリット
専門塾のデメリットは以下の通りです。
- 特定の分野以外のサポートは期待できない
- 総合的な成績向上は難しいことがある
特定の分野のみの学習となるため、幅広い学力向上を目指す際には向かないことがあります。
指導方法別のメリット・デメリット
塾の種類がさまざまであるように、指導方法もいくつか種類があります。
- 集団指導
- 個別指導
- オンライン指導(リアルタイム方式)
- 映像指導(オンデマンド方式)
- 自立型・自習型
それぞれの特徴やメリット、どういったお子さまに向いているか解説していきます。
集団指導
集団指導は、複数の生徒が一つの教室で同時に授業を受ける方法です。以下は集団指導が向いているお子さまの例です。
- 自ら前向きに疑問を投げかけられる
- 友人との競争心で学習意欲を保てる
- 指定された進行内容を把握しスケジュール通りに進められる
- 塾の指定時間に自身の予定を調整できる
複数人数での授業環境が形成されるため、他の生徒の質問からも学ぶことができるのは一つのメリットです。 また、学習のモチベーションをキープしやすいのも集団指導の特徴です。 一方で、費用は比較的抑えられますが、一人一人の質問に時間をかけられない、進度が固定されることがデメリットとして挙げられます。 志望校への合格を目指して一年間のカリキュラムが設定されているため、部活や趣味のレッスンなどで多忙なお子さんは、授業を欠席することが増えるかもしれません。
参考記事:塾の授業時間と実際の時間割の例・授業時間の目安を解説
個別指導
個別指導は、一人の生徒に対して一人の講師が直接指導を行う方法です。個人指導はあらゆる環境のお子さまに適した指導方法といえます。
- 学習の手順が掴めず基本から指導を受けたい
- 大規模な塾で追いつくのが難しかった
- 柔軟な時間帯・自分専用の教材を求めている
- 学習の量やペースの管理をきちんとしてほしい
- 学力自体は確かだが独自の方法で学習を続けたい
生徒のペースに合わせた指導が可能なため、生徒のペースや疑問点にしっかり応えられることが大きなメリットです。 また、授業の時間帯に関して柔軟に対応してくれる場合もあるため、習い事や部活と両立したい場合もおすすめです。 一方で、費用が高めに設定されている場合や、生徒同士の交流がないことがデメリットです。 また、マンツーマンの指導の際には、講師との親しみが深まることで授業の進行が緩やかになる、雑談に時間を取られたりすることが考えられます。
参考記事:塾選びでは「個別指導」と「集団指導」のどちらがいいかを解説
オンライン指導(リアルタイム方式)
オンライン指導は、インターネットを使ってリアルタイムで講師との授業を行う方法です。以下の項目に当てはまれば、オンライン指導に向いているかもしれません。
- 遠方で塾に通えない
- 感染症などの不安がある
- 個別の指導を受けたい
- 通塾の時間をなくして勉強に充てたい
オンライン指導は通塾の必要がなく、遠方の優れた講師の授業が受けられるのが大きな魅力です。 また、他の生徒と接触することがなく、個人指導で受けられるのもメリットでしょう。 デメリットとしては、環境や設備によるトラブルの可能性があります。また、人とのコミュニケーションが希薄になることがあるのが難点です。 対面の授業ではないため、緊張感や意欲など自分を律することが必要といえます。
映像指導(オンデマンド方式)
映像指導は、あらかじめ録画された授業を任意のタイミングで視聴する方式です。映像指導に向いているお子さんは、以下をチェックしてください。
- 部活や趣味の活動との両立を考え効率的に時間を使いたい
- 感染症リスクを避け家での学習を望んでいる
- 理解するまで何回も同じ内容を学び直したい
- 自らのスピードで進めたい
- 通塾にかける時間を短縮し効率よく学びたい
自分の都合に合わせて授業が受けられることや、繰り返し視聴可能な点がメリットとして挙げられます 一方で、疑問点を即座に解消できないことや、自分で学習のペースを管理するスキルが求められます。 自分のペースで学びたい、復習もしっかりしたい場合に向いています。
自立型・自習型
自立型・自習型は、生徒が自分自身で教材を選び、自分のペースで勉強を進めるスタイルです。以下の項目をチェックして当てはまれば、自立型・自習型が向いているといえます。
- 独力で問題を解決する能力がある
- 学びの習慣を築きたい
自分の弱点や興味に合わせた学習ができるのが大きな魅力です。 ただし、進捗の管理が難しい点や、一人での学習になるためモチベーションの維持が必要になることが挙げられます。 自ら主体的に学びたい子、特定の目標に向けて独自の方法で学習を進めたい子に向いています。また、自己管理能力が高い、またはそれを育てたいと考える場合にも適しているでしょう。
塾を選ぶ際に確認しておくポイント
お子さまの学習意欲や今後の成長には、塾選びが大切だと考えます。現状や進路、家庭の状況に合わせて塾を選ぶようにしましょう。 ここでは、塾選びのポイントについて解説していきます。
ポイント①講師のレベル
講師の教える能力や専門知識は、生徒の学習効果に直結します。講師が専門的な知識を持っているか、指導経験が豊富であるかを確認することで、質の高い指導を受けられる可能性が高まります。
ポイント②合格実績
特に進学校を目指す場合、塾の合格実績は重要な判断材料となります。多くの生徒が目指す学校に合格しているかを確認することで、その塾の教育内容や指導力の実績を判断する材料として役立ちます。
ポイント③授業料
塾の質と授業料が常に比例するわけではありません。家計に合わせ、リーズナブルな価格で質の良い指導を受けられる塾を探しましょう。また、教材費や入塾時の初期費用なども事前に確認しておきましょう。
参考記事:塾の費用相場はどのくらい?|内訳や安く抑えるコツも解説
ポイント④通いやすさ
家からの距離や最寄り駅からのアクセスなど、通塾の際の利便性も考慮しておきたいポイントです。毎日の通塾が楽であれば、継続して塾に通う意欲も保たれやすくなります。
ポイント⑤塾の雰囲気
勉強する環境が生徒にとって心地良いかどうかは、学びの効率やモチベーションに大きく影響します。見学制度や体験授業を利用して、事前に塾の雰囲気を確認してみると良いでしょう。
ポイント⑥口コミや評判
実際に塾に通っている生徒や保護者の声を参考にすることで、実情を知る手助けとなります。信頼性の高い口コミサイトや知人からの紹介をもとに、評判をチェックしてみましょう。
学習スタイルと目的にマッチした塾を選ぼう
いかがでしたでしょうか。この記事を読むことで、塾の種類と指導方法別のメリットやデメリット、塾の選び方がご理解いただけたかと思います。 学習塾の選択は、お子さまの学習スタイルや目的に応じて、慎重に行う必要があります。さまざまな種類・指導方法で学習塾が運営されている中、合格実績や講師のレベル、口コミなどを参考にしながら安心して学び、成長できる環境を選べるようにしましょう。 個別指導AIQでは、理系人材の育成に特化した指導を行っています。 キッズコースから難関受験コース、インターナショナルスクール進学コースなど、幅広いコースを用意しているため、ぜひお問い合わせください。 幼稚園・小学校受験の個別指導塾ならAiQ ぜひご覧ください。
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