
小学校受験の考査とは?保護者が知っておくべき試験内容と対策

小学校受験(いわゆる「お受験」)では、学力だけでなく総合的な力が問われます。多くの私立・国立小学校の入試では、ペーパー試験、集団での行動観察、基本的な運動能力を見る運動テストなど、様々な考査が組み合わさって実施されます。
月齢に応じた知識や言語力、思考力、生活巧緻性はもちろんのこと、協調性や身体能力、礼儀作法などトータルして評価されます。特に近年では、ペーパー一辺倒ではなく、生活巧緻性、行動観察の比重が高まる傾向にあります。
ペーパー試験が満点であっても、生活巧緻性、行動観察の評価が低い場合、合格とはいきません。逆にペーパー試験に多少のミスがあったとしても、生活巧緻性、行動観察で高評価であれば、合格できる可能性は断然高まります。
小学校受験は、何かひとつが秀でている子ではなく、総合的にみてオールラウンダーである子がご縁をいただくのです。
ここでは、小学校受験の考査について、各内容と対策ポイントを保護者向けに詳しく解説していきます。
目次
考査の概要(ペーパー・生活巧緻性・行動観察・体操)
小学校受験の考査は、大きく分けて以下のような内容で構成されることがほとんどです
- ペーパー試験:いわゆる筆記試験です。年長児対象のため問題は試験官の声若しくは音声で読み上げられた設問の指示に従って解答していきます。
小学校受験の分野は、言語・数量・図形・常識・記憶などと、様々な分野から出題されます。
幼児教室、受験塾でのプリント学習やご家庭でのホームワークで対策をしていきます。
- 生活巧緻性:いわゆる手先の器用さ、自分のことは自分で行えるか、毎日の生活習慣が身についているかが見られます。
- 行動観察:5~6人を1グループとし、集団活動中の協調性、発言力、表現力、周囲を見れているかなどを観察されます。
共同制作、自由遊び、ゲーム、模倣遊びなどの課題を通じて、指示の聞き取り、友達との協調性、片付けやマナーなどまでもがチェックされます。
集団生活への適応力を見る試験といえます。
- 体操:走る・跳ぶ・投げるといった基本的な運動能力を確認する試験です。個別または少人数で行われ、運動神経の優劣を見るというよりは、月齢に応じた体力、身体の使い方、指示どおりに動けるか、一生懸命取り組むかといった態度面が重視されます。
例えば、整列して順番を待つ姿勢もとてもよく見られています。
静かに待つ、先生の合図で正しく動けるかも評価対象です。
この他に、学校によっては口頭試問(口頭で質問に答えるテスト)、親子面接などが課される場合もあります。
小学校受験では、「お子さまの総合力」を様々な角度から見る仕組みになっています。
以下では主要なペーパー試験・生活巧緻性・行動観察・体操それぞれの対策ポイントを詳しく見ていきましょう。
ペーパー試験の対策と頻出問題
ペーパー試験の特徴と出題分野
ペーパー試験は、小学校受験で多くの学校が課す筆記形式の試験です。
とはいえ、お子さま自身が文章を読み解くわけではなく、試験の問題文は、試験官若しくは音声で読み上げられます。
子ども達は耳で指示を聞き、鉛筆やクーピー、ポンキーなど指示に応じて解答用紙に〇や線を書き込んで答えます。
集中して指示を正確に聞き取る力と内容を理解する読解力が求められます。
出題される分野は多岐にわたりますが、主に以下のような単元が頻出されます。
- 言語分野:語彙力や言葉の理解を見る問題です。たとえばしりとり(言葉遊び)や反対言葉を答える問題、擬音語・擬態語の意味を考える問題などが出題されます。
また、絵を見てお話を作る作話(創作ストーリー)を課す学校もあります。
言葉の音や意味を理解しているか、発想力があるかを見られます。
- 数量分野:数の概念や大小・多少の感覚を見る問題です。
簡単な加減算
例:「りんごが8個あります。お姉さんが3個食べると、残りはいくつですか?」
物の長短・重さ比べ、数量の多少比べなど、数の多少感覚や基本的な計算力を問う問題が頻出で、日常生活で数字に親しんでいるかが問われます。
- 図形分野:図形の形状把握や空間認識を問う問題です。
パズルのように欠けた部分に当てはまるピースを選ぶ問題や、図形を回転・対称移動させて同じ形を見つける問題がよく出ます。
平面図形だけでなく立体図形(積み木の数当てや、別角度から見た見え方を選ぶ問題)も出題されることがあります。
図形の向きや構成をイメージする力が試されます。
この他、「お話の記憶」(物語を聞いて内容を問う問題)や常識(季節や生活習慣、道徳に関する問題)、推理思考問題なども含め、学校ごとに独自色のある問題が出題されます。
例えば、有名難関小学校では、昔話を題材にした記憶問題や、生活習慣の是非を問う常識問題なども組み合わせて出されることがよくあります。
ペーパー試験の傾向として、大量の知識暗記よりも「聞く力・読解力・思考力」を重視した問題が多いです。
自分の頭の中で情報処理をし、自ら考え、自ら答えを導き出す力を学校側は見ています。
そのため、ご家庭でも単なる知識の詰め込みではなく、自ら考える習慣をつける学習が重要です。
ペーパー試験対策のポイント
- 出題傾向:どの小学校を受験するにしても基礎力は必須です。その上で志望校対策(志望校の出題傾向、過去問)、どの分野が重視されるかしっかり握しましょう。
多くの学校で言語・数量・図形・推理思考は頻出なのでバランスよく対策が必要です。
言語分野が得意でも数量が極端に弱いといった偏りをなくすよう、満遍なくしっかり身につけましょう。
- デスク上のペーパーだけでなく、小学校受験をする子どもにとって抽象的な問題を理解するには、具体物を使った体験学習が効果的です。
例えば、数の概念ならおはじきや積み木を一緒に数える遊びをする、図形であれば、実際にパズルゲームで遊ぶ、言語であれば、しりとりゲームをするといった具合に遊び感覚で学ぶことが一番定着しやすい方法です。
問題集をただ解かせるだけでは、効果が上がりにくいどころか、楽しくない、嫌だといいたマイナス要素につながるので、ご家庭での適切なサポートや日常生活の中で様々な経験をさせることが大切です。
3. 聞き取り練習:ペーパー試験では、初めての場所、初めて会う講師から一度きりの説明を聞いて解答するケースがほとんどです。
日頃から人の話しは相手の目を見て聞くこと、指示がある場合には、その人に体を向け、落ち着いて最後まで話しを聞く習慣を身につけましょう。
「聞く力」を育てるには読み聞かせも有効です。
物語の朗読を集中して聞き、後で内容を親子で質問し合うような遊びも試してみてください。
4. 時間の感覚:本番では制限時間内に全問回答しなければなりません。ご家庭でもタイマーを用いて、時間内に解き終える練習をしておくと良いでしょう。
初めは、時間は気にせず、正確さ重視で特訓し、スピード、正確さが身についてきたら、徐々に時間制限を設定していきましょう。時間配分や見直しのタイミングも模擬試験などで経験を積み重ねてまいりましょう。
5. 継続する工夫:小さなお子さんは長時間のプリント学習に飽きてしまうこともあります。集中力が続かないときは無理をせず、少し休憩したりご褒美シールでやる気を出させたりと工夫しましょう。「今日はこれだけやれたね」とポジティブに励まし、学習が嫌いにならないよう配慮します。問題に正解・不正解しても大げさに一喜一憂しないようにし、淡々と進める方がプレッシャーを与えずに済みます
行動観察のポイントと対策
行動観察では何を見る?
行動観察は、小学校受験の中で合否を左右する重要な試験項目です。
集団での行動を観察し、小学校入学後に望ましい態度・能力を備えているかを判断します。
内容は学校によって様々ですが、一般的には5~6人, 1グループに分けられ、以下のような課題が出されます.
- 集団課題:グループ全員で協力して一つの課題に取り組みます.
(例:ブロックで塔を作る、みんなで一つの絵を完成させる等)
課題の結果よりも取り組む過程が評価されます。自分の意見を言うだけでなく、友達の意見も聞き入れているか、協力し合って工夫できているかといった点を見ています.
- 自由遊び:遊具が与えられ、短時間子ども達に自由に遊ばせます。友達への接し方や遊具の共有、譲り合いの精神など普段の性格が表れます。仲間に入れず一人で遊んでいないか、乱暴な振る舞いはしていないか、周囲との関わり方をチェックされます。
- ゲーム・模倣遊び:先生の指示で簡単なゲームや体操(体を動かす遊び)を行います。
音楽に合わせて踊る、先生の動きをまねする等、指示への反応や集団行動への適応を見ています。楽しみながらもルールを守れているか、協調性を持って取り組めているかなどがポイントになります。
行動観察で学校側が特に見ているのは、「周囲と協調しながら行動できる子か」という点です。
具体的には以下のような力が重視されると言われています。
- 指示の理解と態度:先生の説明をしっかり一回で聞き取り、落ち着いて指示に従えるか
きちんと座って聞けているか、勝手な行動をしていないかも重要なポイントです。
- 協調性・思いやり:自分勝手にならず他児と協調して取り組めるか。友達の気持ちを考え、譲ったり助け合ってできているか
「他者の気持ちになれる」姿勢があるかどうか
- マナーや生活習慣:遊んだ後におもちゃをきちんとお片付けができるか、自分から挨拶やお礼がきちんと言えるか、物を大切に扱えるかなど日常生活の基本が身についているかもとてもよく観察されます。
集団生活を円滑に送るための習慣が備わっているかを見るわけです。
先生方は短い試験時間の中で子ども本来の姿、「素の姿」を見たいと思っています。
行動観察では良いところも悪いところも普段の性格が表れやすいため、ご家庭でのマナー、躾が教育の延長線上に結果が出ると考えられています。
この行動観察で望ましい行動を発揮するには、普段からどのようなお声がけ、習慣が身についているのか、日頃からの行いがそのまま反映されます。
行動観察対策
1. 日常生活で基本的な生活習慣を身につける:行動観察で評価されるマナーや協調性は、一朝一夕で身につくものではありません。ご家庭で日頃から挨拶・マナー・返礼儀・片付けなど、きちんと自立してできるようにしておきましょう。
例えば以下のポイント
- 近所の方や園の先生に自分から元気に挨拶する
- 家族で協力してお手伝いをする、自分自身の役割に自覚を持つ、約束を守る
- お店で注文する際など、相手の目を見て、自分の言葉で話しをする
- おもちゃや文房具など、物を大切に扱う、片付ける
これらは一見当たり前のことですが、いざ試験の場で自然にできる子は意外と少ないものです。ご家庭では親御さま自身がお手本となるよう心掛けましょう。
お子さまは1番親御さまのことを見ています。
無意識に横着な行動をしているとお子さまは真似てしまいます。
「ありがとう」をきちんと言う、待つときは静かに待つ、そういった姿を日常的に見せることが大切です。
2. 友達と遊ぶ機会を増やす:一人っ子や同年代と遊ぶ機会が少ない子は、集団でどう振る舞っていいかわからず戸惑うことがあります。できる範囲で構いませんので、公園で同年代の子と遊ばせたり、幼稚園・保育園の行事に積極的に参加させたりして、集団行動に慣れさせると良いでしょう。お友達とケンカになったらどう仲直りするか、貸し借りでトラブルが起きたらどう対処するかといった経験はとても学びになります。これらの経験を通じて協調性や主張のバランス感覚が育まれます。
3. ご家庭でのごっこ遊びやルールゲーム:お店屋さんごっこや簡単なボードゲームなど、ルールのある遊びを通じて順番を守る練習やコミュニケーション力を養うのもおすすめです。
例えば、すごろく等を一緒に遊び、「次は○○ちゃんの番だね」と順番を確認し合ったり、負けても怒ったり、泣いたりするのではなく、次は勝とうという気持ちのコントロール。ごっこ遊びでは店員とお客さん役になり、「ありがとうございました!」などと、様々な声かけをし、楽しみながら礼儀作法を身につけます。遊びの中からお子さまは社会性を学んでいきます。
4. 行動観察クラスを活用:必要に応じて、幼児教室、受験塾が開催している行動観察対策のクラスや模擬試験に参加するのも有効です。プロ講師のもと実際の試験さながらのグループ活動を経験できます。
第三者の目でお子さまの長所・短所を指摘してもらえるため、本番までに改善すべき点がよく見えてくるでしょう。
但し、行動観察はあくまで家庭環境が土台ですので、幼児教室、受験塾任せではなく、ご家庭での躾、マナー、ルールなどと両輪で対策することが大切です。
体操テストの対策法
体操テストで見られるもの
体操テストは、お子さまの身体機能や月齢に応じた体力などを確認する試験です。
内容は学校ごとに異なりますが、評価ポイントとして一般に次のような点が挙げられます
- 指示行動:先生の指示をしっかり聞き取り、指示通りに動けているか
集団で一緒に体操するときにリズムよく動けるか、待つ場所や止まる位置の指示を守れるかといった基本をチェックされます。
- 意欲・態度:運動に対する取り組み意欲や粘り強さ、テスト中の態度も評価対象です。
できなくても諦めず挑戦するか、失敗しても泣かずに再挑戦できるか、順番を待つ間はお友達を応援できるか、といった前向きさ・協調性がポイントです。
- 基本的な運動能力:年齢相応の体力・巧緻性が身についているかも見られます。
走る・跳ぶ・投げる・バランスをとるなど基本動作が平均的にできているかを確認します。
- 体格・発達の様子:極端な姿勢の悪さや極端な筋力不足がないか、全体的な心身の発達具合も観察されます。
体操テストは、ペーパーでは測れない成長面を把握する意味合いが強く、協調性や理解力を含めた総合評価の一環と考えられます。
したがって、運動が得意で俊敏にできる子かどうかではなく、年相応の基本動作ができるか、そして集団生活で支障のない振る舞いができるかが重視されます。
実際、多くの学校で取り入れられている体操テストは、「指示の聞き取り」、「行動観察」の一環として位置づけられており、運動能力そのものよりルールを守って楽しく取り組める姿勢を見ています。
典型的な運動考査の種目としては、かけっこ(徒競走)、ボール投げ・ボールつき(ドリブルや的当て)、ケンパ(片足ケンケンでリズミカルに跳ぶ遊び)、平均台渡り(バランス感覚を見る)などがよく出題されます。
学校によっては音楽に合わせて踊るダンスや、熊歩き・カニ歩きといった動物歩きを課す場合もあります。
様々な動きを通じて、お子さまの運動バランス能力や協調性を評価しているのです。
運動テスト対策のポイント
1. 外遊び・体を動かす習慣:体操テスト対策の基本は、日頃からたっぷり体を動かす機会を作ってあげることです。公園で走り回ったりボール遊びをしたり、遊具で遊ぶ中で自然と体力・運動能力は養われます。特別なトレーニングが必要なわけではなく、子どもは遊びの中で走る力・跳ぶ力・タイミングの取り方など多くを学びます。まずは毎日少しでもいいので外遊びを取り入れ、積極的に体を動かすことに慣れ親しませましょう。
ぜひ親御さまも一緒に鬼ごっこをしたりキャッチボールをしたりすることで、親子のコミュニケーションにもなり一石二鳥です。
- ご家庭でもできる運動遊び:マンション住まい等でなかなか外で遊べない場合には、室内でできる静かな運動を工夫します。
例えば、柔軟体操や簡単な筋トレ(腹筋・背筋運動など)は広いスペースがなくても取り組めます。
お風呂上がりに親子でストレッチを日課にする、寝る前にマットの上で腹筋をするなどといった習慣も良いでしょう。片足バランス(片足で何秒立てるか競争)もおすすめです。
片足で10秒間静止する練習は、体幹やバランス感覚を養い、体操のテスト本番で出るケンパの助けにもなります。
最初はふらついても、毎日続ければ少しずつ長く立てるようになります。遊びに工夫を凝らし、例えば親子で片足立ちジャンケンをする、床に丸くテープを貼って「この丸から出ないように片足立ちしてみよう」とゲームにするなど、楽しみながら練習してみましょう。
3. 基本動作の反復練習:試験で出やすい動きを家庭でも練習しておくと、自信に繋がります。例えばスキップや両足跳び、ケンケン(片足跳び)、ボールつき・キャッチ、縄跳び、平均台(線の上を落ちないように歩くでも可)などをお子さんと一緒に練習してみましょう。最初はうまくできなくても大丈夫です。毎日少しずつ遊びの中で練習することで、その過程が力となり、自信に変わります。「昨日より遠くまでジャンプできたね!」などと、日々の成長を認め、褒め、達成感を積み重ねさせることが大切です。
4. ルール・マナーをセットで指導:体操テストでは、できる・できないこと以上に取り組む姿勢が重視されます。
ご家庭で練習するときも、「ヨーイドンの合図でちゃんとスタートできるか?」など、ルールを守る練習をしましょう。
順番待ちのシーンでは親が先にやってみせるなど、「次は○○ちゃんの番ね。しっかり見ててね」と、整列や順番待つ練習もぜひ取り入れます。うまくできたら「すごいね!」と褒め、失敗して悔しがっていたら、「大丈夫、もう一回やってみよう!」と励ます声がけや最後までやり抜く力を育てましょう。運動教室や親子体操イベントに参加してみるのも、他の子と一緒に取り組む良い経験になります。
5. 体操教室の活用:もし運動全般が苦手だったり不安がある場合は、幼児教室が提供するお受験体操クラスを利用する手もあります
専門の指導者が、試験で出る種目を踏まえたトレーニング(例えば跳び箱の練習、ボール投げのコツ指導など)をしてくれます。体操教室に通うことで運動そのものに自信がつき、積極的に挑戦する姿勢が身につくお子さんも多いようです。
但し、必須ではないので、ご家庭で遊びの中で十分カバーできる範囲なら無理に通わなくても問題ございません。お子さまの性格(みんなと運動遊びするのが好きか苦手か)を見極め、必要に応じて検討しましょう。

合格を勝ち取るためには
最後に、小学校受験合格を勝ち取るための総合的なコツをまとめます。
これまで述べた学習面・生活面での対策に加え、受験全体を通じた心構えも意識しましょう。
幼児教室・受験塾の活用
小学校受験では情報戦の側面もあります。各校の出題傾向や対策法について、経験豊富な幼児教室・受験塾の力を借りることは大きな助けになります。実績のある幼児教室には過去の試験情報が集まっており、「どの学校ではペーパーで満点近くが求められる」、「この学校は特に行動観察重視」といった傾向を教えてくれます。
プロの講師による指導は、的確で効率良く、合格に必要な力をバランスよく鍛えるカリキュラムが用意されています。実際、「難関校に合格するには幼児教室選びが極めて重要」と指摘する専門家もいるくらいです。
但し、幼児教室・受験塾に通えば安心というものでもありません。ご家庭での復習やフォローがあってこそ、毎日の積み重ねで発揮されます。塾で習ったことを家でも実践させる、一貫した教育方針で望ましい習慣づけをするといったご家庭と教室の二人三脚が1番の近道です。決して、お教室任せではなく、信頼のおける先生とコミュニケーションをとりながら、お子さまの弱点補強やメンタル面のサポートも行いましょう。
家庭での学習サポート
家庭学習は決して難しい問題をどんどん先取りすれば良いわけではありません。むしろ詰め込みすぎは逆効果になる場合もあります。
小学校受験で求められるのは、子どもらしい発想力や意欲、基本的な知的好奇心です。
例えば「3歳で九九が言える」など早期教育的なスキルは、小学校入学後に身につけたい内容であり、それよりも自分自身で考える力や自分自身で何かを発見し、学ぶことを楽しいと思える姿勢を育む方が結果的に合格につながるとされています。
ご家庭では、お子さんの「なぜ?」、「どうして?」という問いかけを大切にし、常に一緒に考える習慣をもちましょう。
毎日の絵本読みで内容について話し合ったり、散歩中に見つけた季節の花や虫ついて調べてみたり、日常の中に学びのチャンスは溢れています。五感を使った実体験こそが知識に繋がり、記憶に残りやすく、ペーパー試験の常識問題などでも活きてきます。
日々の積み重ねが受験本番での自信につながることを忘れないでください。
学習計画は無理のないペース配分で立てましょう。年長の1年間は長いようであっという間です。直前期には焦りも出がちです。しかし、お子さんの調子やご家庭の状況に合わせ、適度に休息も取り入れ、「伸び悩んでも焦らず、時にはリフレッシュ」する心の余裕はとても大切です。
一時的に成果が出なくても長い目で見て成長していればOKくらいの気持ちで、親御さまが日々安定した姿勢でサポートすることが大切です。
試験当日の心構え
考査当日は親子ともに緊張するものですが、いつも通りに過ごすことを心がけましょう。直前期はお子さまの力を信じて見守り、決して詰め込み型ではなく、必要な準備(持ち物の確認や会場までのルート確認など)なども確認し、当日お子さまが普段と変わらない日常を送れるようにサポートしてあげることが合格の鍵です。
毎日の生活リズムを乱さず、前夜は十分な睡眠を取り、朝もいつも通りの朝食をとって落ち着いて送り出しましょう。
試験会場には時間に余裕をもって到着し、周囲の雰囲気に飲まれないよう親御さまは冷静に振る舞いましょう。お子さまには「いつも通り頑張っておいで」、「先生のお話をしっかり聞いてね」などシンプルな声掛けで送り出し、過度に「失敗しないでね」、「絶対合格よ」などとプレッシャーを与えないよう注意しましょう。待機中も他の保護者と比較したり不安そうな表情を見せたりせず、どんと構えてお子さまを信じてあげてください。
服装や持ち物の最終チェックも忘れずに。募集要項を再確認し、受験票や上履き、筆記用具、ハンカチ・ティッシュなど指定されたものを揃えます。
当日は、天候や気温にも対応できるよう服装を調節し(お着替えの準備)、試験会場では、お子さまがいつも通り身軽に動ける恰好をさせてあげてください。
考査直前には必ずお手洗いを済ませ、水分補給も適度にさせ、万全の状態で送り出しましょう。
最後に、どんな結果であれ、ここまで精一杯やり遂げたお子さまの頑張りを大いに認めて褒めてあげてください。結果だけではなく、ここまでの過程が何よりも大切です。
小学校受験の準備を通じて身についた力は、合否に関わらずお子さま自身の財産となり、受験を経験したことは成長の糧になります。
ご家族の深い愛情とサポートがあれば、これからお子さまはさらに輝く未来へ羽ばたいていけることでしょう。
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