
小学校受験における『三位一体』とは?

小学校受験では「願書」「考査(試験)」「面接」の3つが密接に関連し合い、いずれも合格に欠かせない要素です。幼稚園受験・小学校受験は、中学・高校受験と異なり、幼稚園受験は「親の受験」、小学校受験は「家族の受験」と言われるほどです。
願書は、お子さまだけでなく、ご家庭の教育方針やご両親さまの姿勢を示す書類であり、考査はお子さまの日頃の生活面、社会性を見る機会、面接では、ご両親さまのお人柄やご家庭の雰囲気、チームワークまで含めた総合評価が行われます。3つの要素はそれぞれ独立しているようでいて、互いに影響し合う関係にあります。
例えば、願書に書いた教育方針は面接で質問されることが多くあり、願書で伝えた子どもの特性が考査での観察ポイントになる場合もあります。また、願書は面接官にとって受験者家庭の事前情報となり、面接の質問にもつながります。このように願書・考査・面接は「三位一体」と呼ばれ、どれも疎かにできません。一つでも不十分だと、合格への道は険しくなります。受験成功、ご縁をいただくのは、この三位一体の総合力です。
本記事では、小学校受験を検討する保護者の方向けに、この三位一体それぞれの重要性と対策を詳しく解説します。
目次
願書対策:合格を引き寄せる願書の書き方
願書は志望校に提出する最初のアピール資料で、学校側が「このようなご家庭に来ていただきたい」、「実際に会ってみたい」と、判断する重要な手がかりとなります。願書で伝えた内容は面接にも影響し、面接官は願書に基づいて質問を準備することが一般的です。ここでは、願書の基本構成と書き方のポイント、そしてよくある間違いとその回避策を紹介します。
願書の基本構成と押さえるべきポイント
願書には通常、以下のような項目が含まれます。
- 志望動機:なぜその学校を志望するのか、家庭の教育方針や学校の教育理念との共通点などを具体的に書きます。「教育方針に共感したから」だけでは不十分で、自宅の教育方針と絡めて独自の言葉で伝えることが大切です
- 家庭の教育方針:家庭で大切にしている価値観や子育ての方針を書きます。面接でも「ご家庭の教育方針は?」と聞かれることが多く、願書と面接回答の一貫性が求められます。具体的なエピソードを交えて書くと熱意が伝わりやすくなります。
- 子どもの長所・特性:お子さまの得意なこと、好きなこと、性格面の長所などを記載します。短所を書く場合は前向きな表現にし、「幼い」など否定的な言葉は避けましょう。短所に対して家庭でどう対処しているかも触れると好印象です。
- 家庭での取り組み:お手伝いや家庭で取り組まれている内容、お子さまが日常で行っていることを記載します。「自分の食器を片付ける」等は、決してお手伝いではなく、自立したお子さまを求める私学では、当たり前の習慣です。
例えば、週末に家族で自然体験をしている、その際、率先して〇〇をしている、初めての場所でも臆することなくチャレンジ精神を持って挑んでいるなど、エピソードを交えて簡潔にアピールすると良いでしょう。
願書作成のポイントは、ご家庭の「らしさ」を具体的に表現することです。テンプレート的な表現は避け、オリジナルのエピソードを盛り込みましょう。「こう書けば高評価」という型をなぞるのではなく、自分の言葉で綴ることが大切です。学校側もパターン化された願書はすぐ見抜くとされています。
願書作成で選考に影響を与えるポイント
願書は、その後に続く考査や面接の伏線となります。面接官は願書をもとに質問を考え、限られた面接時間で志願者を深く理解しようとします。つまり、願書の内容が良ければ、面接でプラスに働く可能性があるのです。特に以下の点が選考上重視されます。
- 志望動機の明確さ:学校の教育方針や特徴を十分理解した上で、自分たちの言葉で志望理由を書きます。例えば「〇〇小学校の『自主性を重んじる教育』に共感し、家庭でも自発性を育てる取り組みをしています」など、学校への理解と家庭方針の一致を示すと良いでしょう。
- 家庭の一貫性:願書に書いた内容(志望動機や教育方針、子どもの特徴など)が、面接や考査の様子とも一致しているかが見られます。願書に書いたことは嘘偽りなく実践している内容であるか、お子さまの習慣になっていることか、その通りで必要があります。例えば、「毎朝、ご近所の方にきちんとあいさつをする習慣を大切にしています」と書いた場合、普段から挨拶の習慣が身についているか、面接や考査日に行動観察などを通して見られているわけです。
- 具体性とエピソード:漠然と「明るい子です」ではなく、「近所の年下の子にも分け隔てなく優しく接し、幼稚園では、リーダーシップを発揮する姿があります」など具体的に書きます。面接官がイメージしやすいエピソードを入れることで、より深く理解してもらえます。
- 熱意と誠実さ:文章から「本気でこの学校に入りたい」という熱意や、「嘘偽りなく書いている」という誠実さが伝わることも重要です。そのために、形式ばった表現よりもエピソード重視で、家庭の思いを込めた文章を心掛けましょう。
これらのポイントを押さえた願書は、面接官に好印象を与える第一印象となり得ます。逆に表面的な願書では、面接前から評価が伸び悩んでしまうことも。願書は面接対策の第一歩とも言われ、早めの準備が肝心です。
よくある間違いとその回避策
願書作成でありがちな間違いと、それを避ける方法も押さえておきましょう。
- テンプレートに頼りすぎる:他人の願書例や指南書を読みすぎて、どこかで見たような表現ばかりになるケースです。回避策は自分の言葉で書くこと。「こう書けば正解」というものはありません。家庭の個性を出すことを優先しましょう。
- 文章が抽象的すぎる:「健やかに成長してほしい」「思いやりのある子に」など当たり前で抽象的なことだけを書くミスです。必ず具体例を添えるようにしましょう。たとえば「思いやりのある子に育てたい」ではなく、「思いやりを育むため、月に一度のボランティア活動に親子で参加しています」と書くと具体性が出ます。
- 誤字脱字・読みづらい字:内容以前に清書の丁寧さも大事です。提出前に複数人でチェックし、誤字脱字がないか、読みやすい文字かを確認しましょう。清書は余裕を持って行い、万一の書き損じに備えて願書用紙を予備で用意しておくと安心です。
- スペース不足で詰め込みすぎる:願書の記入欄は限られています。簡潔明瞭にまとめることが必要。どうしても長くなりそうな場合は、削っても要点が伝わる表現を選び、箇条書きや改行で見やすく整理しましょう。下書き段階で推敲を重ねて、文字数の調整をしておくことも大切です。
- 嘘を書いてしまう:実態と異なることを書くのは禁物です。面接やお子さまへの質問ですぐにボロが出てしまいます。短所を隠して完璧な子のように書いたり、やっていない家庭学習を書いたりしないようにしましょう。誠実に、しかし前向きに記述することが重要です。
願書は何度も書き直しができる唯一の試験と言えます。焦らずに何度も推敲し、できれば受験塾・幼児教室の先生に添削を依頼するのも有効です。ご両親さまそれぞれの意見を反映して仕上げていきましょう。丁寧に仕上げた願書は、それ自体が大きな合格への一歩となります。
考査対策:生活力・行動観察・運動能力のバランスを整える

小学校受験の考査(試験)は、ペーパーテストや生活巧緻性、行動観察、体操の他、絵画・制作など多岐にわたります。志望校によって実施内容は様々ですが、「ペーパーテスト」だけでなく、お子さまの総合力を見るのが考査だと考えましょう。ここでは、代表的な試験内容であるペーパーテスト、行動観察、体操の重要ポイントや対策方法を解説します。
ペーパーテスト対策:基礎学力と思考力を養う
ペーパーテストは、小学校受験では、ほとんどの学校が行っている試験です。内容は算数の計算問題のようなものではなく、お話の記憶(長めの物語を聞いて質問に答える)や図形の理解・常識・言語・推理など、多方面の知識と思考力を問う問題が中心です。
重要ポイント:ペーパーテストでは知識量よりも思考力・読解力が重視されます。具体例として、「お話の記憶」では細部まで物語を覚えられるか、「図形」では回転や重ね合わせをイメージできるかが試されます。このため、単純な暗記ではなく、普段からの対話や読み聞かせを通じて記憶力と言葉の理解力を鍛えることが効果的です。また、図形問題や推理問題に慣れておくことも必要です。
対策方法:
- 受験塾・幼児教室や問題集の活用:小学校受験問題集、過去問題などを使い、出題範囲に沿った問題練習を始めましょう。受験塾・幼児教室のテキストでは、頻出分野(数の比較、図形パズル、しりとり、常識問題など)を網羅しています。お子さんが楽しんで取り組めるよう、親子でゲーム感覚でクイズを出し合うのも良いでしょう。
- 日常生活での学び:ペーパーテストの題材には日常生活の常識や経験が関係することが多いです。公園に行ったら「季節の植物・虫」を話題にしたり、買い物で「お金の数え方」や「数当てゲーム」をしたりするなど、遊びの中で自然に学べる機会を増やしましょう。電車に乗った際にはマナーについて話すなど、常識教育も家庭でできる範囲で行います。
- スモールステップで練習:いきなり難しい問題を解かせると嫌になってしまいます。年中(4〜5歳)頃から徐々に、最初は簡単なドリルから始め、少しずつレベルを上げます。短時間(15~20分)の学習を毎日コツコツ続け、集中力を持続させる訓練もしておきましょう。
ペーパーテストは、ご家庭での積み重ね、毎日の学習習慣が合否に響く部分です。無理なく習慣化させることで、合格ラインを超える学力が身についていきます。なお、難関校ほど高度な思考力問題が出やすい傾向にあります。志望校の過去問分析も忘れずに行いましょう。受験塾・幼児教室では、模擬試験や過去問演習を受けられるところもあるので活用しましょう。
行動観察対策:社会性と協調性を育てる
行動観察とは、初対面の子どもたちでグループを作り、遊びや課題に取り組む様子を試験官が観察するものです。協調性・リーダーシップ・他者への思いやり・マナーなど、子どもの社会性や人間性を評価します。行動観察は近年重視する学校が増えており、ペーパーテスト以上に重きを置く学校もあるほどです。
重要ポイント:行動観察では、普段の生活態度がそのまま現れると言われます。試験だからといって突然行儀よく振る舞えるものではなく、日常の習慣や躾、経験がものを言います。具体的には、「挨拶やお礼がきちん相手の目を見て、自らできているか」「友達とやり取りの際の声がけ、意見を言う、意見を聞けているか取り合わず」「思い通りにいかなった場合でも気持ちを切り替えられるか」などがチェックされます。
対策方法:
- 場慣れの機会を増やす:人見知りをするお子さまは特に、同年代の子と遊ぶ場に積極的に出向きましょう。公園や児童館、習い事(体操教室やお絵描き教室など)で集団行動に慣れることは大切です。幼児教室でも模擬行動観察(グループ遊びの練習)を行うクラスがありますので、参加させ「初めて会う子と協力する」経験を積ませると良いでしょう。
- 基本的生活習慣の徹底:挨拶、返事、順番を守る、ものをきちんと片付ける
これらは日常での習慣づけが不可欠です。毎日「おはよう」・「ありがとう」を家族で言い合う習慣、一緒に遊んだおもちゃは必ず片付ける、小さな約束を守ることで自然と身につきます。お子さまは、試験当日だけ取り繕うのは難しいので、普段から自然にできる習慣づくりを徹底してあげましょう。
- 協調性と思いやりの声がけ:兄弟がいる場合は一緒に遊ぶ時間の中で譲り合いを教えたり、一人っ子の場合はお友達と遊ぶ際にシェアする楽しさを教えたりします。例えば、「まだ積み木で遊びたかったね、でも十分遊んだから○○くんにも積み木貸してあげようね」、「一緒に遊ぼう」など声がけし、貸し借りの経験を積ませることも有効です。また、トラブルが起きたときの対処法も教えておきます。「お友達に嫌なことをされたら、言葉で自分の気持ちを言えるよう、具体的な対処を練習しておくと、試験でも落ち着いて行動しやすくなります
- 家庭でのロールプレイ:家族でおままごとやごっこ遊びをしてみて、お子さまの行動を観察してみるのも良いでしょう。親がお友達役になって、「一緒にブロックで遊ぼう」「このおもちゃ貸して?」などとシミュレーションも有効です。困った行動があればその都度教え、面接だけでなく行動観察も意識した練習を日頃から取り入れてみてください。
行動観察は特別な勉強をするというより、生活経験の集大成です。受験塾・幼児教室では集団での制作やゲームの練習などをすることもありますが、家族での日常生活の延長に試験があると思って、明るく社交的な子に育つ環境作りをしていきましょう。無理にリーダーにならせようとする必要はありません。「この子と一緒に学校生活を送りたい」と思ってもらえる態度を目指します。
運動テスト対策:体力・運動能力と指示行動の習慣づけ
運動テストは、年齢に応じた体力、体の使い方、バランスを見ています。縄跳びやかけっこ、ボール投げなど基本的な運動能力を確認する試験です。それ以上に、試験官の指示通りに動けるか、順番を守れるかといった行動面も評価されます。小学校によっては独特な運動課題(「クマ歩き」など四足歩行運動)を出すところもあります。
重要ポイント:運動テストで見られるのは、運動神経の良し悪しではありません。指示を一度で聞き取って動けるか、最後まであきらめずにやる気を見せるか、待ち時間の態度なども含めた総合評価です。そのため、身体能力はもちろん、指示行動も普段から養っておく必要があります。
対策方法:
- 基礎体力づくり:幼児期は遊びが一番の運動。毎日思いっ切り外遊びをさせ、走ったり、ジャンプをしたり、公園で鬼ごっこをしたり、ボールで遊んだり、体を動かすこと自体を楽しませるのがポイントです。運動系の習い事(スイミング、体操教室、ダンスなど)に通うのも効果的です。無理なく体を動かす時間を作ることで、自然と体力と運動能力が向上します。
- 基本動作の練習:運動テストではスキップ、ケンケンパ、両足ジャンプなど発達段階に応じた動きを見ることが多いです。これらは急にできるようにはなりませんので、お子さまの成長に合わせて少しずつ練習します。最初はうまくできなくても、「1回できたね!すごい!」と褒めて自信をつけさせ、徐々にステップアップしましょう。また、なわとびやボール投げも余裕があれば練習すると安心です。
- ルールのある遊び:椅子取りゲームや簡単なリレー遊びなど、ルールがあって順番を守る遊びを家族や友達とやってみましょう。これにより、勝ち負けへの対処や順番待ちの練習になります。試験では、勝ったときの様子、負けたときの様子などが見られます。ゲーム後のフォロー(勝ったら「よく頑張ったね」、負けたら「次はもっと頑張ろうね」)も伝え、健全な競争心を育てます。
- 指示行動のトレーニング:日頃から、親の指示を聞いて行動する練習を積みましょう。例えば、「赤いボールを持ってきてから青いマットの上に立ってね」のように2段階指示を出してやらせてみるなど、聞き取った言葉を行動に移す練習をします。また、絵本の片付け、着替えなど日常の指示に対してもすぐ動けたら褒めるようにします。試験官の話を一度で理解し、従える力は短期間では身につきにくいため、日常生活の中で少しずつ鍛えることが有効です。
運動テスト対策は、楽しみながら体を動かすことが何よりです。親が付き添って練習する場合も、競争ではなく「上手にできるようになって嬉しいね!」という成功体験を重ねさせると良いでしょう。苦手意識を持たせないことが大事です。幼児教室では運動指導のクラスやお受験体操教室もありますので、不安があればプロに教わるのも一案です。
面接対策:親子で備えるべきポイント

面接は小学校受験の最終関門ともいえる重要なステップです。親子面接(保護者さまと本人)、個別面接(本人のみ)、グループ面接(本人と他のお子さま)など形式は学校によりさまざまですが、親子で受ける形が一般的です。面接では、願書や考査で見えない部分を直接確かめる場として、学校側も重視しています。ここでは面接の種類ごとの特徴、よくある質問例と回答のポイント、そして第一印象を良くする服装・態度や失敗例の回避策を解説します。
面接の種類と特徴(親子面接・個別面接・グループ面接)
- 親子面接:保護者と本人が一緒に受ける面接です。私立小学校の多くは親子面接を採用しています。面接官は親子の関わり方や家庭の雰囲気に注目しています。例えば、子どもが答えている間に親が落ち着いて見守れているか、子どもが詰まったときに親がどう対応するかなどを見ています。親子で息の合った対応ができるよう、事前に何度も練習しておくことが重要です。親子面接は受験家庭の大半が経験する形式ですので、ここを攻略することが合否に直結します。
- 個別面接:お子さま本人のみが別室で受ける面接です。多くの場合、考査(ペーパーテストや行動観察)の当日に続けて行われます。お子様だけで質問を受けるため、日頃から本人が質問に答える練習(面接レッスン)をしておく必要があります。親が同席しない分、子どもの本音や自立心が見られやすい場面です。答えに詰まっても誰も助けられないので、ご家庭内でもインタビュー形式で問いかけ、自分の言葉で話しをする力を伸ばしましょう。
- グループ面接:本人と他のお子さまが一緒に参加する面接です。国立小学校でよく見られる形式で、4〜6人程度の児童が同時に質問に答えます。みんなの前で話すため緊張感がありますが、周囲に流されず自分の意見を自分の言葉で述べられるかがポイントです。グループ面接では他人の回答に左右されないようにしつつ、他者の話もきちんと聞く姿勢が大切です。また、順番を譲り合ったり、他の子が話しているときの姿勢など協調性も見られます。
学校によっては、保護者のみの面接、親子+個別両方を行うケースもあります。事前に志望校の面接形式を調べ、どのパターンにも対応できる準備をしておくと安心です。特に親子面接と個別面接の両方がある場合、子どもの回答と親の回答の一貫性が重要になります。親が言ったことと子どもの言うことが食い違わないよう、家庭内でシェアしておくことが不可欠です。
質問例と回答のポイント(親子それぞれ)
面接で聞かれやすい質問はある程度パターンが決まっています。ただし、答えを丸暗記させるのは危険です。なぜなら、型通りの答えは学校側に見抜かれますし、臨機応変な対応ができなくなるからです。ここでは代表的な質問例をいくつか挙げ、その回答のポイントを説明します。
子どもへの質問例と回答のヒント
- 「幼稚園(保育園)で好きな遊びは何ですか?」
ポイント:お子さまが生き生きと答えられる内容を用意しましょう。「外で鬼ごっこをするのが好きです。〇〇ちゃんと毎日走り回っています」など、具体的に答えられるよう練習しておきます。子どもが好きな遊びや得意なことは緊張していても話しやすいテーマなので、笑顔でハキハキ答える練習をしましょう。 - 「今朝は何を食べましたか?」
ポイント:簡単な質問ですが、単語のみで答えず文で答える練習をします。
「パン」「ご飯」だけといった単語ではなく、「今日の朝ごはんは、ご飯とお豆腐のお味噌汁と、鮭を食べました」のようにフルセンテンスで文章で答えられるようにしましょう。朝食の内容は、家庭の食習慣も現れる部分なので、普段から栄養に気を配りつつ、お子さまにもメニューを連想させる会話をすると良いでしょう。
- 「お家でどんなお手伝いをしますか?」
ポイント:これも頻出です。日頃からお手伝いの習慣をつけておきましょう。
食器(配膳)を運ぶ、洗濯物をたたむ、ペットに餌をやる係等、お子さまが実際にやっていることを複数答えられるようにします。
注意:自分の身の回りのこと(服を畳むなど)はお手伝いとは言いません。
家庭内での役割(毎朝のトイレ掃除、毎晩のお風呂掃除、ゴミ捨て、週末は料理づくりなど)を与え、直ぐに自分の言葉で答えられるようにしましょう。
- 「最近嬉しかったこと、悲しかったことは?」
ポイント:とっさに考え込んでしまう子も多いので、事前にいくつかエピソードを用意しましょう。
日常の中で印象的だった出来事を、親子の会話で振り返る習慣をつけます。「嬉しかったことは、仲良しの○○ちゃんと公園でいっぱい遊んだことです。悲しかったことは、夏祭りで取った金魚が死んでしまったことです。」など、日常が垣間見られるとよりいいでしょう。
感じたことを言葉にする練習にもなります。
- 「お父さん(お母さん)のお名前は?」
ポイント:意外と子どもがフルネームを知らないケースがあります。
家庭内で名前を呼び合わないことも多いため、親の名前(フルネーム)や年齢、仕事など会話の中で覚えさせましょう。
兄弟姉妹がいる場合はその名前と年齢も質問されることがあります。
- 「お父さんはどんなお仕事をしていますか?」
ポイント:幼児には難しい質問ですが、簡潔な答え方を教えておきます。
自営業なら「お店をしています」、会社員なら「会社でお仕事をしています」でも構いませんが、会社員の場合それだけだと親子の会話が少ないと思われる可能性があります。
可能であれば、「毎朝スーツを着て会社に行っています。電車を作るお仕事です。」など具体例を含めると良いでしょう(お子さまに分かる言葉に言い換えてあげます)。
- 「お父さん(お母さん)に叱られるのはどんなときですか?」
ポイント:ご家庭のしつけ方を知る質問です
子どもには正直に答えてもらいましょう。「遊んだおもちゃを片付けないと怒られます」、「ゲームを長くやりすぎると怒られます。」など、日常の中からで構いません。
親としては、「叱る理由が理にかなっているか」見られていると考え、自分の都合で怒っていないかを振り返るきっかけにしましょう。
- 「お友達に意地悪をされたらどうしますか?」
ポイント:トラブルへの対処法の質問です
これも日頃から親子でシミュレーションしておくと良いです。
- 「喧嘩をしたことはありますか?どうやって仲直りしますか?」
ポイント:兄弟げんかや友達との喧嘩エピソードを想定します。
「あります。お互いごめんなさいをして仲直りします。」といった回答を引き出せるように、謝ることの大切さを教えておきましょう。
- 「将来大きくなったら何になりたいですか?」
ポイント:素直に子どもの夢をお伝えください。親が内容を訂正する必要はありません。どんな夢でもしっかりと自分の言葉で理由まで言えると尚良いです。「○○が好きだからです。」「お父さんみたいになりたいからです。」など、子どもなりの理由が言えるよう、日頃からお子さま夢の話、理由も聞いてあげましょう。
保護者への質問例と回答のヒント
- 「お子さまの長所と短所を教えてください」
ポイント:どの学校でも必ず聞かれると言っていい質問です。長所・短所をそれぞれ3〜5個は具体例とともに挙げられる準備をしましょう。短所については否定的な言葉を避けつつ、改善への働きかけも伝えると良いです。例えば「落ち着きがないところがありますが、朝のラジオ体操で集中力を養うようにしています」など。長所は遠慮せずたくさん伝え、短所も必ずフォローアップの姿勢を示しましょう。 - 「ご家庭の教育方針を教えてください」
ポイント:非常に重要な質問です。願書にも書いた内容と重なるはずなので、夫婦で回答の骨子を統一しておきます。3つ程度のキーワードにまとめ(例:「自立心」「思いやり」「本好き」など)、それを育むために具体的に何をしているかも問われます。例えば「思いやりのある子に育てたいと考えています。そのために毎晩寝る前に今日良かったことを家族で話し、感謝の言葉を伝え合う時間を作っています」等、方針と実践例をセットで答えると説得力があります。 - 「この学校を志望した理由は何ですか?」
ポイント:志望理由の質問です
ここは準備万端にして臨みたいところ。学校の教育理念・校風と自分の教育方針や子どもの性格を絡め、具体的で独自の言葉で語ります
例えば、「貴校の『自主性を伸ばす教育』に強く共感しました。我が家でも自主性を尊重し、〇〇(子ども)が自分で考えて行動できる環境を意識的に作っています。貴校なら家庭で培った自主性をさらに伸ばしてくれると確信し志望いたしました」のように。熱意と家庭のカラーが伝わることが大切ですが、他校でも言えてしまう表現は避け、その学校だけのオンリーワンの理由を盛り込みます。
- 「お子さまのためにご家庭でしてきた受験準備は何ですか?」
ポイント:塾や家庭学習について聞かれます。正直に答えましょう。「年中から週2回幼児教室に通い、家庭では毎晩ドリルをやりました」。塾については、答えない方もいますが、聞かれたら隠さず答えましょう。苦手克服のための工夫など具体的なエピソードがあると尚良いでしょう。 - 「お子さまには将来どんな人になってほしいですか?」
ポイント:教育方針と関連しますが、将来像について問うものです。例えば「他人の痛みがわかり、社会に貢献できる人になってほしい」など、その理由や背景(親の経験など)も交えて話せると深みが出ます。「そのため幼少期から○○を大切にしています」というように、ここでも家庭の具体的な取り組みを織り交ぜるのがおすすめです。 - 「ご家庭で規則はありますか?」
ポイント:躾や生活習慣についての質問です。「毎日夜8時には就寝」「夕食時には必ず今日の出来事を話してもらう」など、些細なことでも構わないので1つ2つは、自分の言葉で文章で述べられるように準備いたしましょう。特にない場合でも、「家族みんなで○○する時間を設けています」といった、ポジティブな習慣を紹介すると良いでしょう。 - 「他のご家庭にはない、あなたの家庭の良いところは?」
ポイント:ユニークな質問ですが、たまに聞かれます。難しく考えず、「家族全員とても仲が良く、毎晩一緒に色んな会話をし、笑う時間があります」、「月に一度はアスレチックへ行き、子どもと遊ぶことを欠かしません」など、家庭の特徴をいくつか挙げてみましょう。ご両親で答えが食い違いのないよう、事前に話し合っておくのがベターです。 - 「お子さまが学校でいじめに遭ったらどうしますか?」
ポイント:トラブル対応の質問です。冷静な対応を答えましょう。基本は「子どもの話をよく聞き、事実関係を確認した上で、必要なら担任の先生に相談します」です。親だけで抱え込まず、学校と連携して対処する姿勢が大切です。同様に「お子さまがいじめたと言われたら?」(逆の質問)もあり、その場合も「まず子どもに事実を聞き、相手の親御さんと学校に報告・相談します」と答えるのが望ましいでしょう。 - 「お子さまが泣いて帰ってきたらどうしますか?」
ポイント:これもトラブル系質問です。原因を丁寧に聞いて、対処法を考える旨を伝えます。「まずどうして泣いているのか話を聞きます。転んだなどの怪我なら様子を見ますが、人間関係のトラブルなら学校に相談することも考えます」といった回答で、家庭内で抱え込まないことが伝わると良いでしょう。 - 「最後に何か質問はありますか?」
ポイント:面接の最後によく聞かれます。特になければ無理に質問しなくても良いですが、何か聞きたいことがあれば1つだけシンプルに質問します。ただし、HPや説明会でわかる内容は避け、例えば「入学までに身につけておくと望ましいことはございますか?」など、今後の教育に前向きな質問があると積極性を示せます。ない場合は「特にございません。本日は貴重なお時間を頂きありがとうございました」と丁寧にお礼を述べて締めましょう。
回答のポイント:どの質問でも共通するのは、短すぎず長すぎない適度な長さで答えることです。質問の意図を外さず、簡潔に、具体的に答えるよう心掛けます。あまり延々と話しすぎるとアピール過剰になり逆効果です。聞かれたことに正面から答え、必要な情報を過不足なく伝える練習をしましょう。ご両親さまの回答は必ず一貫性を持たせ、前述の願書内容とも矛盾しないよう徹底させましょう。
失敗例とその回避策
最後に、面接でよくある失敗例をいくつか挙げ、その回避策を確認しておきましょう。事前に知っておけば、当日冷静に対処できます。
- 失敗例1:お子さまの回答に親が口を挟む
子どもが答えに詰まったとき、親が助け舟を出してしまうケースです。「○○ちゃんは昨日動物園行ったんだよね?」などと親がフォローすると、面接官には親が教え込んでいるように映りかねません。回避策:そこは、グッと我慢して見守る勇気を持ちましょう。多少沈黙があっても、子どもが自分の言葉で話し出すのを待ちます。日頃からQ&A練習でも親が先回りしない癖をつけておき、どうしても子どもが黙ってしまったら「少し緊張しているようですのでお時間をいただけますか」と親が断りを入れ、子どもに考えさせる時間をもらう手もあります。 - 失敗例2:両親の回答に一貫性がない
父母で言うことが食い違うと、家庭内の意思疎通不足と受け取られます。例えば長所・短所で父が5つ述べたのに母は2つしか出てこない、志望理由への熱意が母だけ強く父は薄い、など。回避策:事前によく話し合い、情報共有を徹底することが一番です。願書のコピーを取り、内容を再度確認しながら想定問答集を作っても良いでしょう。学校説明会や見学にもできる限りご両親で参加し、学校への理解の差をなくす努力も必要です。当日は、お互い頷き合いながら補足し合うなどして、ぜひチームワークをアピールしてください。 - 失敗例3:アピールしすぎて空回り
良いところを見せようと話し過ぎたり、子どもの実績(資格やコンクール受賞など)を詰め込み過ぎたりすると、押しつけがましい印象になってしまいます。回避策:面接はプレゼン大会ではないと心得ましょう。質問に答える際は、聞かれたことに沿って簡潔に、でも核となる部分(家庭で大切にしていることや志望校への思い)はしっかり伝える。どうしても話が長くなりがちな方は、模擬面接で第三者に指摘してもらい、8割伝われば合格に必要な情報は伝わるくらいの気持ちで臨むと力みが取れます。 - 失敗例4:緊張しすぎて声が出ない
親子とも頭が真っ白…よくあることです。回避策:場慣れと準備でかなり軽減できます。可能であれば、幼児教室等の模擬面接に参加し、本番さながらの緊張を経験しておくと良いでしょう。それでも当日緊張してしまう場合は、正直に「緊張しておりますが…」と最初に伝えてしまうのも一つの手です。面接官も人間ですので、「大丈夫ですよ」といったフォローが入るかもしれません。深呼吸をして、質問をゆっくり聞き返すくらいの落ち着きを持てると理想的です。親御さんが笑顔でいるとお子さんも安心します。 - 失敗例5:面接会場外での油断
控室や帰り道での私語、他の保護者と話しをするなどは控えます。
回避策:「家を出てから自宅に戻るまでが面接(試験)」と意識を持ちましょう。面接が終わった安堵感で校内で大声でおしゃべりしたり、お子さまを叱ったり絶対にしないこと。知り合いと会ったとしても挨拶程度に留め、他校の話や試験内容は口にしないのがマナーです。最後の最後まで気を引き締めて行動します。
失敗例を防ぐには、とにかく事前準備とシミュレーションです。お子さんとの質疑応答練習はもちろん、ご両親でロールプレイをするのもおすすめです(お互い面接官役をやってみる)。何度も練習した質問が本番で一つでも出ればかなり落ち着けます。本番では深呼吸し、「お子さまの良さを伝える大チャンス」と前向きに捉えて臨みましょう。
三位一体で合格をつかむ!総合的な戦略

ここまで、願書、考査、面接それぞれの対策を見てきましたが、最後にそれらを統合した合格戦略について考えてみましょう。三位一体のバランスを取るためには、長期的なスケジュール管理と周囲のリソース(幼児教室など)の活用が鍵です。また、受験直前期や当日の心構えも含め、総合力で合格をつかむためのポイントをまとめます。
バランス重視の対策スケジュール
小学校受験はいつから準備を始めるべきか悩むところですが、小学校受験の準備には、約2年とも言われており、年中の時期から始める家庭が多い傾向です。
中にはもっと前から準備するご家庭もありますが、無理に早く始めすぎて親子とも疲弊しないよう注意が必要です。
一般的なスケジュール例:
- 年中の春〜夏:小学校受験を意識し始める。受験塾・幼児教室の体験に行ったり、説明会に参加したりする。願書対策として家庭の教育方針を両親で話し合い、日常生活に取り入れ始める(例:日常生活を大切に、お手伝いの習慣化)。
- 年中の秋〜冬:志望校候補をリストアップし、積極的に学校説明会や見学会に参加する。(年長時期は余裕もなくなることから、年中時期にフラットな状態で沢山の私学を見に行きましょう。)幼児教室や通信教材でペーパー学習の基礎をスタート。知識、体操、絵画制作など、まだ経験の浅い分野があれば、この時期から少しずつ補強を始める。
- 年長の春:本格的な受験対策開始。願書の下書きに、必要なエピソード集めも意識して参りましょう。例えば、お子さまの成長を感じた出来事があればメモしておくなど。
- 年長の夏:願書の要項が発表され始めます。願書作成に着手(写真撮影、下書きなど)。同時に模擬試験や講習会でペーパー力・生活巧緻性・行動観察力をブラッシュアップ。夏休みには親子で面接練習開始。家族写真の準備も忘れずに。(写真撮影は夏休みの日焼け前に行うことがベター。)
- 年長の秋(受験直前):願書提出、考査・面接本番。直前期は新しいことに手を出さず、生活リズムを整え、体調管理を最優先にしましょう。過去問演習や面接リハーサルで最終チェック。お子さまの緊張をほぐし、自信を持たせる声掛けを意識して挑みましょう。
- 試験当日:忘れ物チェックを前日には完了し、当日はいつも通りの朝を迎える。会場では落ち着いて行動し、他の家庭との比較は気にしないこと。
このスケジュールはあくまで一例ですが、重要なのは願書・考査・面接すべてにバランスよく時間を割くことです。小学校受験に必要とされているのは、決してペーパーだけではありません。現代では、特に生活巧緻性といった生活習慣、行動観察での行動が重要視されています。一方で、願書や面接対策に追われすぎて、お子さまの学習習慣が乱れてもいけません。各要素を「三位一体」というように並行して進めることがポイントです。
特に願書準備は面接対策の始まりとも言われます。願書を書きながら家庭の教育方針を両親で共有することで、面接の回答も固まっていきます。願書作成(下書き)は、夏頃までには終え、その内容で親子面接の想定問答を作って練習すると効率的です。
幼児教室・模擬試験の上手な活用法
幼児教室(お受験塾)は、小学校受験対策の強い味方です。ただし、通わせれば必ず合格するものではないので、目的を持って上手に活用しましょう。
- 教室選び:志望校が決まっている場合は、その学校の合格実績が豊富な教室を選ぶのも一つの基準です。そうした教室は学校別対策に詳しく、出題傾向や面接内容の最新情報を持っています。まだ決まっていない場合は、総合的な指導に定評のある教室を選びつつ、体験授業でお子さまとの相性もチェックしましょう。週何回通えるか、共働きで時間が取れるかなども考慮します。
- ペーパー対策:家では難しいペーパー試験の徹底指導をしてくれます。苦手分野が分かったり、正しい指導法を教わります。特に集団授業の形態に慣れるのは、学校生活の予行演習にもなります。ただし、家庭学習の習慣も必要なことに変わりはありませんので、教室の宿題や復習は親子でしっかり取り組みましょう。
- 行動観察・面接対策:幼児教室では行動観察の模擬練習(グループでの指示制作、ゲーム等)や親子面接の指導を行っているところが多いです。第三者の前で練習すると本番の緊張が和らぎます。また、先生から客観的に的確なアドバイス(例えば「お父さま、「えっ~」の数が多いです、足組みの癖があります」等)、家庭では気づかない改善点が見つかります。積極的に模擬面接や公開テストを受け、弱点を早めに改善していきましょう。
- 情報収集:幼児教室には同じ志望校を目指す親御さんも多く、情報交換の場にもなります。ただし噂話しや他家庭の状況に振り回されすぎないようにしましょう。講師やスタッフから入手する試験傾向や学校の特色情報は貴重です。願書を書く際も教室に添削してもらえたり、志望校別の願書講習があったりしますので、積極的に利用しましょう。
- 費用と時間のバランス:正直、小学校受験は経済的・時間的コストがかかります。全ての対策を教室任せにすると負担が大きくなるので、家庭でできることは家庭で。例えば、塾は週1〜2回にして残りは家庭学習の徹底、行動観察対策には、公園遊びや児童館で補うといったハイブリッド戦略を取るご家庭も多くあります。逆に家庭で時間が取れない場合は、思い切って塾に多めに通うなど各家庭の状況に合わせて調整しましょう。
また、模擬試験(合判テスト)や模擬面接会は、受験本番の雰囲気に慣れる良い機会です。結果に一喜一憂しすぎる必要はありませんが、他のお子さまの現状、レベル感を知り、弱点を克服するために活用できます。模試の結果分析を受験塾・幼児教室で相談し、残り期間の勉強計画に役立てましょう。
受験直前期・当日の心構え
直前期はお子さまも親御さまも大変ナーバスになりがちです。
しかし、一番避けたいのは親の不安が子どもに伝染することです。
最後の仕上げ期間は、できたことを褒め、自信を持たせることに注力し、無理な詰め込みは絶対にしないようにしましょう。
- 生活リズムの維持:試験日が近づいても、生活習慣は変えず、いつも通りの早寝早起き、栄養バランスの良い食事で体調を維持します。特に秋はインフルエンザなど流行もあるので、手洗いうがいなど十分に気も付けましょう。
- メンタルケア:親はつい「大丈夫かな…」と不安になりますが、お子さまには、「ここまで頑張ってきたから、できるよ」、「楽しんできてね」と、ポジティブな声掛けをしてあげましょう。もし模試などで結果が良くなかったとしてもが出ても叱らず、「今はできなくても大丈夫、本番にできればいいんだよ」とフォローしましょう。お父さま、お母さまが絶対的味方だと示すことが、何よりもお子さまの安心感につながります。
- 最終チェック:願書は提出前に最終チェック(志望校ごとに記述を間違えないか等)を。面接練習では家族全員でリハーサルをし、お子さまも当日をイメージしやすい状態をつくりましょう。服装や持ち物(受験票、上履き、筆記用具、ハンカチ・ティッシュ等)は前日までにきちんと用意しておきましょう。
- 当日の朝:いつもと変わらぬ雰囲気を心がけます。過度に「頑張って!」と力を入れるより、「いつも通りでいいよ」と、リラックスさせた方が子どもの力は出やすいものです。忘れ物チェックをし、早めに家を出て、会場には余裕を持って到着します。
- 本番での心構え:試験会場では他のお子さんが優秀に見えたり、親御さん同士の会話でプレッシャーを感じたりするかもしれません。しかしここまで来たら周囲は気にしないこと。目の前のご自身のお子さまのことだけを見て、落ち着いて接してください。お子さまには「行ってらっしゃい、楽しんでおいで」と笑顔で送り出し、考査中・個別面接中は親は静かに待機します。親子面接では、上記のアドバイス通り、明るく誠実に振る舞いましょう。
最後に、合否はご縁とも言います。小学校受験は親子の二人三脚の集大成です。結果がどうであれ、ここまで頑張ったプロセスは決して無駄にはなりません。お子さまの成長は、受験勉強を通じて確実に力になっています。試験が終わったら、「よく頑張ったね」とたくさん抱きしめて褒めてあげましょう。お子さまにとってこの経験が今後の大きな財産になることに違いありません。
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