
【年齢別】子どもの絵の発達について

今回は年齢や発達段階、それに伴う適切な画材、サポートの仕方についてお伝えします。
・1歳半から2歳半ごろ
つかまり立ちができる一歳半前後から、画材を使い点や線、ぐるぐるした線を残す「なぐりがき」が始まります。このなぐりがきの時期は、英語や心理学用語で「スクリブル」と言われており、「錯画期」「ぬたくり期」とも呼ばれています。はじめはクレヨンや鉛筆を手で握って、紙の上に点や線を描きます。
これらに書くという意識はなく、「手を動かしたい!」という手を動かす運動感覚を通して身体の機能の部分に快感を感じている、また大人が見本として行っていることの真似をしたい!という動機があります。手の運動機能の統制がとれていくようになるにつれ、点や短い線から、紙に平行に手が動くようになり、手首を軸として左右に手を動かして横線を引きます。手のコントロールが手首と肘で結合し始めると、横線・縦線、渦巻き線などを組み合わせて自由に描けるようになります。横線・縦線から波線、螺旋状、そして形が独立し始め、丸を意識した線などをかけるようになります。画用紙の手の届く範囲だけに殴り書きの跡があります。同時に色の名称もインプットしていきましょう。
2歳になると、手をぐるぐると回して絵を描くことができるようになる子供もいます。
画材と紙を擦り合わせる面白さ、生活の中で感じた喜びを重ね合わせる子どももいます。
この頃は画用紙の使える範囲も広がり手を使い画材を動かしたい場所へ自由に動かしている姿も想像できます。線を引くこと、色を塗ることができるようになってきます。腕の機能生に頼って書いていたことが、「◯を描いてみよう」という思いを紙の上で叶える行為に変わってきます。そして2歳前後から線を描きながら。「車、ブーブー」など呟きながらイメージしたものを書き始めます。気に入った線を描くという単純な行為から、イメージしたものを次第に自分で配置を決めてクレヨンを動かします。この時はまだ現実の色のイメージは伴っていません。
また、この時期に「ゆびえのぐ」などを使用し手や指を使って描くことも大切なことです。絵の具のネバネバした感触を味わうことで子供たちの気持ちが解放します。砂遊びや粘土遊びを通して色や形や感触が変化していくことを実感していくと、「冷たい」「さらさら」などの触覚感や怖い、たのしいなど感情を表現することにつながります。
選ぶ画材も、
・手のひら全体で握れるもの
・口に入れても安全なもの
・水で落とせるもの
がおすすめです。
大人のように「持つ」「握る」ということが上手にできないため、力のコントロールが不安定です。そのため、強い力がかかっても簡単に折れないもの、正しい持ち方できるものなどをお勧めします。また、幼児期の子どもは鮮やかで発色のいい色を好むと言われています。筆圧が弱いと紙に着色しなくなってしまうため、色が濃いものを選びましょう。色の認識には発達段階があるため、色数が多いと良いとは限りません。基本的な12色のクレヨンで充分です。
・2歳半ごろ〜4歳ごろ
2歳半ごろは描いたものに命名し、意味付けし身近な人に伝えます。このような時期を「象徴期」。平面的に画面いっぱいに描くため「カタログ期」とも言われています。
3歳ごろになると、四角隅に丸を描き「車」四角を描き「家」絵記号で表現するようになります。人の表現も丸を描くだけではなく、丸の中に点を描き顔を表現し、手足も現れるようになっていきます。身近なものをテーマに描くことができます。また、部分的にまるで囲み家の中と外を表すなどシュチュエーションの説明できてきています。自分の意思で線を引き形作ることができるようになります。3歳になると物と色の概念が一致できるようになりまる子供が多くなります。リンゴは赤、バナナは黄色と、多くのものは食べ物で認識するようです。また、色に興味を持ち、好きな色が出てきます。身近な人物や物に影響されて出てきます。そして、その好きな色単色で描く傾向もあります。また、3歳・9歳・13歳は脳の発達の節目と言われ、3歳児は第一次反抗期や自立の時期と言われ、自意識や、思考力が発達する節目でもあります。
単に手の調節で絵を描くわけではなく、①手指の巧緻性②認知機能の巧緻性③イメージの形成④自己表現意欲は絵を表現するにあたって大切になってきます。
4歳ごろになると、人物、家、車などを組み合わせ画面いっぱいに細々と羅列して描くようになります。簡易的な絵号の電車と、人との書き分けが出来てきます。空や友達、花、ブランコなど、情報量が増え、その日にあったことを全部同時に一画面し描くことを「同時性」といいます。
子どもが描こうとしているものに対して、描く前に感動したことや発見したことを話し合って深めるのも大切です。物の大小など現実との見え方が違う場合でも、それを押し付けたりせずその子なりの表現ですので見守りましょう。
この時期の画材は、クレヨン、パステル、水彩絵具など書く内容によって最も描きやすいものを選ぶとよいです。画用紙も数種類準備し子供が選択ができる様にしましょう。
4歳、5歳、6歳このくらいの年齢になると、細部を表現しやすいペン先が細めのものをこのむようになるためクーピーペンシルや色鉛筆なども与えてあげましょう。16色など、多色のものを選ぶのも好ましいです。たくさんの色に触れることで感性が豊かになることに繋がります。

・5歳から6歳ごろ
自分の描きたいもの、頭に浮かぶもの、思入れがあるものを羅列的に断片的に描いていた象徴期から5歳児前後になると画面の下に線を引き、地面と設定する「基底線」を引きその上に人や家を左右に並べて描き、上には空を設定して空をぬる子どもが増えてきます。重なりや奥行きはなく平面での表現が多くあります。
花といえばチューリップ、人もお人形の様、太陽もギラギラしたお日様と言った絵記号を組み合わせて描く子どももいます。「これは誰かな、どんな格好をしているのかな?など、言及し、動作化したり、個別化したり、どんな気持ちで描いていたかなどを聞き、子どもに新しい気づきを促す指導も大切です。
また、自分でテーマを見つけ、紙に描くとき子ども自身が感動したことをもとに描いています。描いたものに対して、学びに繋げようと過度に知識を伝えて感動を知識で置き換えたりするのではなく、子どもが体験を通して感動したことを心ゆくまで感じさせてあげましょう。そして、熱中している時は遮ることがない様に見守りましょう。想像力が豊かで現実と想像の世界を行き来できることもこの時期の特徴の一つです。子どもの発想や、独自の表現を大切にして褒め、認めて自信を育んでいきましょう。
この時期の子供は独特な認識や発想により大人には思いつかない様なユニークな表現をしています。興味のあるものを拡大して描く「拡大描法」や色々な方向から見たものを組み合わせて描く「多視点描法」などがあります。
数ある名門私立小学校である慶應幼稚舎の入試絵画ではオリジナリティのある発想や発表力やが求められます。
2024年度の過去問では「地球で素敵だと思う場所」・2023年度の過去問では「自分で考えた公園」などの問題が出ます。この問題を解くにあたって子ども自身が、自分は何が好きなのか自覚的でいたり、どんな着眼点で対応するのか練習を積むことは大切です。
アイキューでは、まずお子様が何に興味を持っているのか、お子様が気になっているトピック、興味の対象の物を聞き、課題を対応するために武器になるその子固有のものを対話を重ね見つけていきます。
そしてその子どもの興味関心を深追いしていきます。
過去問や想定問題を通して、どの様に活かすか、アレンジするのか、考え方を身につけていきます。
また、描いた絵に関して、質問やコミュニケーションを通じて、発想の幅を広げたり、どんな世界観なのか広がりや設定をより強固にするためのアイディア出しをしていき、自分の絵を発表する力、説明する力を育んでいきます。
発想をする楽しさや考えることの楽しさについても重ねていきながら練習していきます。
発想の部分のみならず、絵に苦手意識のあるお子様には基礎から練習し、
塗り方の種類や、クーピーの持ち方、筆圧などにも着目し練習していきます。
絵を描くことが好きなお子様に関しても、独自性を活かしつつ、より良くなる提案をしていきながらも制限時間内に終わるように構図についても学んでいき合格を目指します。
アイキューでは絵画対策も万全に行なって参ります。無料体験はこちらより
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